表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夏になる頃へ  作者: masaya
二章 from sky
54/112

1

「俺を助けると思ってどうか!どうかこの通り!」

電話越しで必死に尋に対して懇願している雨谷の声が聞こえてくる。この通り。なんて言っているけれど電話越しであるから本当に必死にお願いをしているのか疑わしい。声こそ確かに必死に言っているが雨谷の場合は器用に寝転びながら声だけ作り言っているのではないか?なんて一瞬思ってしまう。が、友人に対してそんな事を思ってしまうことは酷過ぎる。なんて何度か一人脳内思考キャッチボールを済ませ心の中で雨谷に対して謝罪を向けつつ耳を傾けていた。が、流石、親友と言うところで雨谷は確かに必死に尋にお願をしているのだけれど寝ころびながら団扇を扇ぎながら電話をしていた。もしも対面していたら尋は絶対をつけて雨谷のお願いに首を縦にはふらなかっただろう。しかし、素直と言うか誘導しやすいというか。まんまと雨谷の巧みな言葉遊びに尋はやられてしまう。だからと言って雨谷も本当に手が離せない作業をしていたため仕方がないこと。友人と言うモノは持ちつ持たれつが長続きできる秘訣なのかもしれない。なんて思わなければやってられない。特に嵐のような雨谷と友人ならなおさら。途中から雨谷の話しを聞くことなく物思いにふけていると、大きな咳払いが電話越しから聞こえてくる。唐突な(おと)に携帯を耳から咄嗟に離してしまう。咳ばらいが聞こえなくなり離していた携帯を耳へ持っていく。

「だ、大丈夫?夏風邪でもひいちゃった?」

「ん?・・・あぁ何か聞こえた?」

「何かって・・・雨谷の大きな咳しか聞こえなかったよ」

ほうほう。なんて意味が分からない反応をしつつどこか安堵したのか先ほどまでの必死に訴えるような声色では無く柔らかい声色へと変わっていく。それにしても夏休みに入り妖精探検も結局不完全燃焼に終わってしまい男同士で長電話をしているのはどうなんだろう?なんて問われてしまう。先ほどの雨谷が言ってきた頼み事はもう尋の気持ちは無視され雨谷の中では承諾された案件になっているらしい。正直、夏休み自分自身も暇なので断る理由もなく先ほどの話しは?なんて掘り返す事もなく問いに対して、

「別にいいんじゃあないの?てか、雨谷は香織が居るんだから夏休み予定あるでしょ」

「ふふ・・・まあな!」

「その含み笑い腹立つ!」

ツッコミに雨谷は笑いつつ妖精探検は秋にまたリベンジをする。と、息巻いている。しばらくの間、実にもならない雑談をしつつ気が付けば十二時を過ぎていた。明日は予定があるらしく雨谷は焦りながらも感謝の言葉を口にすると電話が切れる。

「明日の十時半過ぎに木野崎病院に行って荷物を取りに行けばいいんだよね」

雨谷から頼まれた内容を忘れないように近くにあったメモ用紙へ記入していると窓の外から何か聴こえる気がしたため部屋の電気を消しカーテンを開けた瞬間に月明かりが尋の部屋を照らす。蒼白く綺麗な月光が目に入ったためつい見蕩れかかる。が、何が外から聴こえるのか確かめるために開けた事を思い出し窓を開ける。ひんやりとした夏の夜風が尋の頬を撫でてくる。相変わらず昼間とは違い夏の夜は涼しく過ごしやすい。そんな事を思いつつ外へ集中し耳を傾ける前に何が音を発していたのかすぐに分かってしまう。数匹の蛙の鳴き声であった。深夜なのに鳴き続ける蛙は働きものなのかもしれない。なんてよく分からない事を思ってしまい、つい自分自身に対して乾いた笑いを向けてしまう。深夜になるとたまに意味不明な思考が顔を出してくるからたちが悪い。害は無いのだけれどそれが友人たちや両親が居る所で出てきた場合は悲惨な事になってしまう。と、言っても殆どの人の場合は聞かなかった事として処理してくれるがそうじゃあない人もいる。紫穂である。彼女はそう言った意味不明な発言には何故か厳しく当たってくる。彼女も尋の事を思って言ってくれているのだろうけれど流石にもう少し優しく反応してくれてもいいのにな。なんて、思いながら空を眺めていると蒼白い、それこそ尋や部屋を包み込んでいる月光のような光が夜空を切り裂く。一瞬、地球外生命体のようなものかと思ったりもしたがアレはきっと流れ星だろう。流れ星にしたって特殊と言うか異様な光景であった。いつもなら流れ星を見て綺麗だ。得した。凄い。なんて思うのだけれど今回の流れ星な何故か、悲しくて儚い。なんて気持ちが最初に顔を出して来た。一体何に対してそう思ったのか分からない。流れ星に対してそう思ったのだろうか?それともその流れ星に乗っていた誰かの願望(ねがい)を受信したのだろうか。ふと、流れ星にお願い事を三回するとその流れ星は願いを叶えるためその人間に気持ちを届ける。なんて物語の断片を思いだしてしまう。小学生のころだろうか?紫穂、香織では無い誰かと一緒に天体観測も一緒にした気がする。それこそ家族ぐるみの付き合いだったような気がする。胸の辺りになにやらモヤモヤと変な蟠りが出来てしまい気持ち悪くなったため携帯を手に取り液晶を見る。と、時間にして深夜十二時半を過ぎようとしていた。流石にこんな深い時間に電話をしてしまったら怒られるだろうか?けれど、尋は通話ボタンを押してしまう。電話の相手に怒られてしまうと分かっていたとしても胸に突っかかる過去(きもち)を確かめたかったのだ。コールにして二回で電話の相手は出てくれる。業者並みの速さに驚いている。と、電話から少しトロンとした声が聞こえてくる。

「ど、したの?こんな遅い時間に電話してくるって珍しい・・・ね」

「うわ!やっぱり寝てたよね。電話したくせにこんな事を言うのもなんだけど起こしてごめんね」

「大丈夫だよ。今、寝ようとしてたところだから。どした?」

「一番気持ちいい時にごめんね。ちょっと昔の事が聞きたくなってさ」

「昔のこと?・・・ちょっと・・・待ってよ」

寝転がりながら話しをしてしまうと睡魔に負けてしまいちゃんとした話しが出来ない。と、思ったのかごそごそと動くような音が聞こえてくる。尋の声色からなにやら相談と勘違いしてしまったのかもしれない。相談と言えば相談なのだけれど無理に起きてまで話す事でも無かったため申し訳なさが襲ってきてしまいつい、伝わるはずもなく頭を下げ声が聞こえてくるまで待っている。と、

「ごめんごめん。寝ちゃいそうだったから座った。それで、昔のことって?尋が中学の頃、私にキスしたことでも聞きたいの?」

「ばっ!それは不可抗力でしょ!てか、そのせいで僕は文化祭酷い事になったんだから!」

尋の慌てふためく声が面白かったのか先ほどのトロントした可愛い女の子っぽい声では無くいつも通りの平木紫穂の声へと戻っていた。尋も穏やかな月明かりのような落ち付いたテンションだったのに紫穂の言わなくてもいい過去の発言のせいで体も火照り深夜では無く昼間のテンションに戻ってしまう。が、流石に大声で話しをするのも両親に迷惑なため一度、咳ばらいをし深呼吸を済ませる。体の中に冷たい空気が入り込み少しは冷静さを取り戻す。

「本当にそう言うことを他の人の前で言うのはやめてよ。それに紫穂だって不可抗力だって分かってくれたでしょ」

「まあ、確かにアレはしかたなかったね。ふふっ・・・思いだしただけでも面白いよねアレ」

「って!今はその話しをしたかったんじゃあないんだって」

ごめん、ごめん。なんて小悪魔のような声を出しながら謝罪の言葉を向けてくる。やはり紫穂を敵に回すととんでもない事になってしまうな。なんて思いながらも聞きたかった事を問う。

「紫穂ん家と僕ん家で天体観測をしに行ったことってあるっけ?」

「天体観測だけってこと?キャンプは行ったことあるけど・・・その延長線で行ったんじゃあないの?」

「そうなのかな?・・・うむ」

「てか、急にどうしてそんな事を思い出したの?」

先ほど見た流れ星の話しを紫穂に伝える。が、可もなく不可もなく。と、言った反応だけであった。

「小学校でも高学年の頃は思い出せるけど低学年辺りは記憶が曖昧だね」

「そっか。ってか、僕もそうなんだよね。記憶力がいい紫穂ならもしかして!って思ったけどやっぱり覚えてないよね」

「流石にね。でも、アルバムなら沢山あるし、明日でも家来る?もしかしたら何か思いだせるかもよ?どうせ尋の事だからモヤモヤしてるんでしょ?昔のことが思い出せなくてさ。なんとなく電話してくる時間帯と声色で分かったよ?」

流石、幼馴染(しほ)である。声色やいつもとは違うちょっとした行動だけでそこまで情報が引き出せるとは。驚きつつも恐怖も覚えてしまう。絶対に紫穂には嘘をつけない。ついた瞬間にばれ何をされてしまうのか分かったもんじゃあない。何故か生唾を飲んでしまう。

「じゃあ、明日の夕方ぐらいで良い?」

「夕方ね。了解。ついでに夜ご飯も食べていけばいいよ」

謝罪、感謝の言葉を告げ電話を切りもう一度夜空を眺めてみる。そこには先ほど夜空を切り裂いた儚い流れ星は当然消えてしまい、無数の銀色に輝く星、金色に輝く月が尋を静かに見つめていた。

一日遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。本年も相変わらずよろしくお願いします。

と、堅苦しい挨拶はここまでにします。笑

みなさんは楽しいお正月をお過ごしでしょうか?私は風邪、腹痛にやられております。(現在進行形)しかし!それでも私の物語を楽しみにして下さっている方を待たせるわけにはいかない!と奮起して更新させて頂きました!!v(・´ー・` )(本当は自分自身が書きたかっただけです。ごめんなさい)

正月早々体調を崩し太るどころか痩せてしまいました(ラッキー)。みなさんは体調も崩さず楽しいお正月を過ごしている事を願っております。

そう言えば、最近は音楽を聴きながら物語を書いております。何かこう言うのが最近の流行りで良い曲だよ!なんてお勧めがあればツイッターやどこかに書いて教えてくださいね^^♪もちろんアンタになんて教えたくない!って人は・・・それはそれで仕方ないですね!笑

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ