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夏になる頃へ  作者: masaya
一章 恋の妖精と時々幽霊
48/112

45.1

「ん?別にどうしてもないけど?」

「そ、そっか。ごめんごめん」

気にしすぎだったようで紫穂はいつも通りの表情でこちらを見つつ首を傾げてきたためいつもの気にしすぎ。だと分かり謝罪を向けつつ缶コーヒーを開け口へと持っていく。と、雨谷が相変わらず明日の妖精探検が楽しみなのか、テンションを高くしておかなければやってられないのか身を乗り出しつつこちらを見てくる。御崎と一緒に歩いてきた事をいじってやろう。なんて露骨に分かりやすい感情が表情に出てしまっている。だからと言って別に邪険に扱う意味もないため雨谷が口を開いてくるのを待っていた。雨谷も尋の表情を見つつ口を開いてくる。

「でさでさ?お前は結局のところ御崎ちゃんとはいい感じなの?」

「いい感じって・・・でも、一緒に居て嫌な事はないかな?と、言うよりも楽しいし微笑ましいよ。たった一歳しか変わらないのに守ってあげたくなるような可愛さ?って言うのかな」

尋の言葉を聞くだけで何故か、香織、雨谷、竹井の三人はニンマリと微笑みを向けてくる。その微笑みの意図が分からなく首を傾げつつ三人の顔を見ていると竹井が驚いたような表情を作りながら口を開いてくる。

「なんか、秋鹿ってどっちかと言うとお姉さん系というか引っ張ってもらいたい人かと思ったけど案外違ったんだね。一緒に来た子って一年の中で一番可愛いって噂されてる子でしょ?凄いね」

腕を組みながら噛みしめるように頷いてくる。一体、竹井の中で自分はどう思われていたんだろうか?なんて思いつつお姉さん系が好きだと勘違いされるのも分かる気がする。なんて思うとつい、笑ってしまう。紫穂や香織と付き合っていると確かに頼ってばかりで守ってあげたい。なんて思ったことがないかもしれない。雨谷も同じことを思っていたのかお茶を飲みつつ、

「確かにお前は自分から引っ張って女子を守ろう!とか守ってあげたい!とかそう言う力強い気持ちが伝わってこないよな!一応、イケメンって言われている癖にどこかぽわぽわしてるって言うか軟弱って言うかさ?・・・そうだ!お前って優しすぎると思うんだよな!」

「一応ってなんだよ!てか、僕って一応でもイケメンって言われてるの?それって、凄く嬉しくない?それに優しすぎるっていいことじゃあないの!」

尋の反応に雨谷は頭を抱えてしまう。が、紫穂、香織は尋の相変わらずズレテいる言葉を聞くなり安心した様子で微笑む。すると、竹井が何を思ったのか唐突にソレを口にする。悪気がある訳じゃあないしただ単純に思った事を口にしただけ。きっとこの会話を聞いていたら抱くであろう疑問。

「あの一年生って秋鹿の事がす・・・」

ぎりぎりのところで香織が微笑ましい表情をしながら口元へ人差し指を添える。その姿を見た瞬間に竹井はほぼ出かかっていた言葉を飲み込む。言い争っていた雨谷、尋には聞こえていなくきっと紫穂、香織だけが竹井の言葉に気が付いていたのであろう。どこか香織の雰囲気に竹井はいたたまれなくなってしまったのか苦笑いを浮かべつつ誰に向けたのか軽く頭を下げ飲み物を口にする。

「な?お前らもそう思わない?やっぱり焼きそばは塩味が一番だよな?」

「いや!焼きそばはソースが一番美味しいよ!青海苔がかかってたらより最強だよ!ねっ?」

いつの間にか二人の会話は尋の性格の事ではなくどの焼きそばが一番美味しいか?と言う議題に変わっておりつい、三人ともが吹きだし笑ってしまう。緊張感があった雰囲気が一気に穏やかでふわふわとしたものに変わる。これ幸いと、竹井が尋がいなかった時に話しをしていた話題を口にし始める。

「そう言えば、秋鹿がいない時にちょっとだけ話しをしてたんだけどさ!明日の妖精探検が終わった後にみんなで花火をしたい。って提案したんだけどどう思う?」

キラキラとした少年のような瞳、言葉の勢いについ、反射的に頷いてしまう。尋の返答に香織は驚いたのか目を見開きこちらを見てくる。が、その視線に気が付くことは出来ず尋は未だに竹井へと視線を向けていた。

「だよね!やっぱりみんなが折角集まったんだから探検して終わりって寂しいよね!・・・あ、忘れてた。午後の授業で先生に昼休み来いって言われてたんだ。今日はありがとう!楽しい昼ご飯でした。明日は本当に楽しみだね。平木さんまた!」

腕を組みつつ満足そうにそう告げると席を後にする。と、雨谷がなにやら難しそうな表情を浮かべ腕を組み始める。と、香織が軽く息を吐き立ち上がる。

「ちょっと荷物置いてくるね!圭も一緒に行こうっ」

「ん?ああ。じゃあ、さっきジュース買って来てくれたからゴミは俺が捨てて置いてやんよっ!」

そう告げると雨谷、香織は歩き学校へと向かっていく。特に昼休み用事がなかった紫穂、尋の二人が取り残されてしまう。周りは未だに楽しい昼食タイムを満喫しているのかざわざわと談笑の声が聞こえてくる。特に立ち去る理由もなかった尋は暇つぶしに携帯の画面を開こうとすると、

「ねぇ?」

紫穂の声が耳へと入ってきたため携帯を机の上へ置き紫穂の方へと視線を向ける。落ち付かないのかどこかソワソワとしている様子が面白くつい、鼻をつまむ。唐突に鼻をつままれたものだから驚きつつも動揺してしまったのかそのまま喋り出す。

「ばなをつばむな!」

「ははっ。鼻をつまみながら話すとなんで面白いんだろうね」

つまんでいた手を振り払い一度リセットするように咳払いをする。

「ちょっと、まじめな話しなんだからちゃんと聞いてよっ!」

「ごめんごめん。どうかしたの?」

「あのさ。妖精探検の事なんだけど。私と一緒に回ってくれないかな?」

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