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夏になる頃へ  作者: masaya
二章 from sky
100/112

22

早歩きで御崎の病室へと向かう。今更、自分がなぜ、野球をしていたのかさえ疑問を持ってしまうけれど、そこは。まあ、いいか。なんて含み笑いを浮かべながら歩いている。と、楽しそうな笑い声が御崎の病室から聞こえてくる。中に居る人物たちに悟られないようそっと覗いてみると、クラスメイトだろうか?楽しそうに見たことないような男女数人と話をしている。御崎も遠慮なく笑っている。

ふと、尋の視線に気が付いたのか入り口付近へと視線をこっそり向ける。尋も驚いたような、けれど、すぐに柔らかい笑みへと変わり声も出すことなく。ゆっくり、楽しんでね。と、手を振り顔を引っ込める。なにか言いたそうな様子な気がしたけど、まあ、邪魔してはいけないから。と、立ち去る。窓から見える景色は相変わらず青々しい葉っぱたちが気持ちよさそうに風に揺られている。窓から入ってくる風は心地がいい。体を動かして色々と考えていたことがスッキリとしたのだろう。雨谷にも一応感謝の気持ちを心の中で告げる。と、携帯が震えたため、液晶を見た瞬間自身でも気持ち悪いと思ってしまうほど素早く着信ボタンを押す。

「尋ちゃん?今どこ?圭と紫穂に電話したら用事があるって切られちゃって。尋ちゃんはどこにいる?私、御崎ちゃんの友達が来たから挨拶して帰ろうと思うんだけど」

「僕もちょうど挨拶?して帰ろうと思ってたところ」

じゃあ、一緒に帰ろうよ。と告げると香織は電話を切ってしまう。尋の顔は分かりやすく口が綻び歩き出そうとした瞬間。どこへ?と、言う疑問が浮かび上がったため、再度電話を掛けようとした瞬間に、香織から再度連絡が来る。ごめん、ごめん。と、笑い声を浮かべながら自身がいる場所を伝えると電話を切る。尋もまた笑いながら香織がいる場所へと向かう。

目的の場所につくなり辺りを見渡せど香織の姿はなく、しばらく探せど見つからなかった。仕方なく、近くにあった椅子へと座り少しの間、待つことにした。病院の窓口付近でもあったため、人の流れが多い。元気な高齢者の人々が話をしている。〇〇さんは病気で今日は来れないみたい。と、一人のお婆さんが口にすると、周りの人たちもそろそろ私たちも迎えが来る頃かしらね。元気でいましょうね。と口を揃え頷いている。

「健康か・・・確かに健康でいないといけないよね」

「・・・ふふっ。尋ちゃんってお爺さんみたいなことを言うね」

気が付くと香織は小さなビニール袋を持ち尋の前へと立っていた。香織が立っていることさえ気が付かないほど、おばあさんたちの話を聞き入っていたらしい。慌てて立ち上がり笑みを浮かべるも、取り繕って幼馴染にはすぐにバレてしまう。特に、香織になんてすぐにバレてしまう。尋の顔を見るなり優しい笑みを浮かべ歩いていく。つられ、尋も自動ドアへと向かい歩いていく。天国と地獄。改めて文明の力は凄いものだと感じる。香織もまた顔に照らされる日差しを手で遮りながら、

「暑いけど、夏の外って気持ちがいいよね。何だろう?天候が良いって感じ?分かるかな?感覚的なんだけど」

相変わらず、感覚で話をする香織の表情はキラキラと輝いている。つい、気を緩ませてしまうとずっと見続けてしまいそうなほど、昔のままの笑顔を向けてくる。尋の視線が気になったのか、首を傾げてくるが、尋も口元を緩ませ、

「・・・うん。分かるよ。僕もよく、感覚で話すから」

昔から、私たちって感覚仲間だよね。と、無邪気に笑いながら頷いてくる。体の熱さは太陽の日差しのせいだろうか、それとも、香織の笑顔のせいだろうか。分かっている。きっと、理由は分かっているけれど、つい、いつもの癖で視線をそらしてしまう。

「あはは・・」

香織へと視線を向けるとどこか、先ほどとは違った何か、困ったような、煮え切らない何とも言えない表情を浮かべ笑っていた。珍しい。香織がこんな表情をするのはいつぶりだろうか?高校に入ってからはこんな表情を見た記憶はなかった。どうしたの?と、口にしようとした瞬間、

「そう言えばさ、尋ちゃんコレ!今、凄い書き込みあるって知ってた!?」

スマートフォンの液晶をこれでもか、と言うほど近づけてくる。近すぎたため、少し距離を取り再度、見てみる。と、そこには分刻みで書き込みされている地域掲示板であった。ずらずらと、青い流れ星。という単語が書き込まれている。あまりにも早い書き込みに目がいたくなる。尋の渋い表情が可笑しかったのか、香織はクスリと微笑み液晶へと視線を向ける。

「最近、この話題で持ちきりなんだよ?星空が好きな尋ちゃんなら知ってる話題かと思ったけど、これってね!!き、」

「奇跡を呼ぶことができる蒼い星。でしょ?五不思議の一つの」

尋は悪戯っぽい表情を浮かべ口にする。と、ジトっと視線を向けてくる。尋もしてやったり。なんて笑ってみせる。が、香織もまた、すぐに表情を和らげ肩を突いてくる。

「知ってるなら、すぐに言ってよ。私が息巻いて言おうとしたのが、恥ずかしいじゃん!」

「ははっ。香織のドヤ顔も久々に見えて僕は面白かったけどね」

「恥ずかしいからおしまい!」

空気をリセットするかのように一度、両手を叩く。尋はもう少しこの空間を楽しみたかったのだが、そうもいかなかった。香織は一度、咳ばらいをすると、再度、液晶に映った掲示板を見せてくる。何を訴えたいのか良く分からなく、首をかしげていると。香織は察しなさいよ。なんて言いたそうなため息をついてくる。

「な、なに?その分かりやすいため息は」

「尋ちゃん。これは五不思議の一つなんだよ。これを見てお願いをすると叶うって言う奇跡の流れ星なんだよ!?」

グッと、香織は人差し指を突き立て尋に向けてくる。

「天体観測しようよ。夏休みなんだし。病院でさ」

「病院で?」

なぜ病院で?天体観測する場所なら他にもっといい場所があるだろうに。なんて、表情に出ていたのだろう。香織は再度、ため息をつき、

「御崎ちゃんがね言ってたんだ」

「言ってた?」

相変わらずの鈍感。香織はなんというかそれも、また、尋らしくていいのかもしれない。なんて思ってしまいそうになる。が、きっとそれは香織も言うつもりはなかったのだろう。けど、つい、ノリで口に出てしまった。

「尋と一緒にこの流れ星を見たいんだって」

今まで、更新できなく本当にすみません。日々の生活に追われ、物語を書く余裕が無くなりつつありました。中途半端な物語の終わり方は今まで読んでくださっていた、皆様に失礼なため、少しずつですが、更新させていただければと思います。改めて、本当にすみませんでした。

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