プロローグ
みなさん初めまして。雨時雨と申します。
今回、初めて小説を書いてみました。
文が上手く作れていない部分もあると思いますが、これから頑張っていきます。
昼休みの教室は、いつもと何も変わらないはずだった。
弁当の匂いと、くだらない笑い声。
窓の外では、春の風に揺れる校庭の木々が見えていた。
——それが、床に浮かび上がった光の円を見るまでは。
「……なに、あれ」
誰かの声が、やけに遠く聞こえた。
魔法陣は音もなく回転し、教室全体を包み込む。
逃げる間も、叫ぶ間もなかった。
視界が白に染まり、重力の感覚が消える。
次に目を開けたとき、俺たちはもう——
地球にはいなかった。
床に叩きつけられるような感覚とともに、俺は息を吐き出した。
冷たい。
教室の床とは比べものにならないほど、石は硬く、冷えていた。
「い……た……」
体を起こすと、視界の端に見慣れた制服がいくつも映る。
同じクラスの連中だ。全員、俺と同じように倒れ込んでいる。
「ここ、どこだよ……?」
見上げた先には、異様なほど高い天井。
青白い光が並び、壁一面には意味の分からない文字と紋章が刻まれていた。
——体育館でも、地下施設でもない。
「……異世界、ってやつか?」
誰かが冗談めかして言ったその言葉に、笑う者はいなかった。
次の瞬間、重い足音が響いた。
鎧をまとった兵士たちが、槍を構えてこちらを囲む。
その後ろから、長いローブを着た老人が一歩前に出た。
「——成功、なのか?」
老人は、信じられないものを見る目で、俺たちを見つめていた。
その視線が、なぜか胸に引っかかった。
俺たちは“歓迎”されているわけじゃない。
そんな予感だけが、はっきりとあった。
重苦しい沈黙を破ったのは、先ほどのローブの老人だった。
「まずは、混乱させたことを詫びよう」
そう言って、老人は胸に手を当て、深く頭を下げた。
鎧の兵士たちが一斉に動きを止める。
「我々はこの国、アルセイン王国の魔導院だ」
聞いたこともない国名。
それだけで、ここが地球ではないという現実が、はっきりと胸に落ちてきた。
「君たちは――勇者候補として召喚された」
教室が、ざわりと揺れた。
「勇者……?」
「ゲームみたいじゃん」
「マジで異世界召喚じゃん!」
声は様々だった。
笑う者もいれば、怯えたまま動けない者もいる。
だが、老人の表情は笑っていなかった。
「この世界は今、滅びの危機にある」
その言葉で、空気が変わる。
「魔王の復活が、すでに始まっている」
——魔王。
あまりにも分かりやすい単語に、逆に背筋が冷えた。
「君たち全員が、勇者になるわけではない」
老人は続ける。
「だが、勇者になり得る素質を持つ者を見極めるため、
我々は“同じ世界で育った集団”を召喚する必要があった」
その瞬間、胸の奥がざわついた。
——選別、という言葉が浮かぶ。
「安心してほしい。この世界の魔法は、特別な血筋を必要としない」
老人は杖を床に軽く突いた。
青白い光が弾け、小さな火球が宙に浮かぶ。
「魔法は、学べば誰でも使える」
「努力次第で、君たち全員に戦う力が宿る」
その言葉に、クラスの中から安堵の息が漏れた。
——だが。
「ただし」
老人の声が低くなる。
「この世界で生きるということは、
命を懸ける覚悟を持つ、ということでもある」
俺は、無意識に拳を握っていた。
帰れるのか。
それとも、ここで戦えと言われるのか。
誰も、その問いを口にしなかった。
そして俺は、このときまだ知らなかった。
——勇者候補という言葉が、
クラスを壊す最初の楔になることを。
いかがだったでしょうか?
もし、面白いと思った方は応援よろしくお願いします。
まだまだ未熟ものですが、これから沢山のことを学んで行きますのでよろしくお願いします。




