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いつかまた会えたならば  作者: 旅人


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答えなどない

眷属が帰ってきた。

少しだけ休憩するようだ。

それはそうだ。あんなにショックな死に方と、心がえぐられたのだから。

私は労いの言葉をかけた。

「よく耐えたな。お前の輪廻は、また一つ強くなった」

眷属は、私の肩をバシバシと叩いた。

その手は震えていた。

「眷属が決めたのだろう?救うと」

眷属は輝きを小さくしながらも、

声を絞り出すように言った。

「そうですけれども……でもですね!」

私は苦笑しながら、眷属の愚痴を聞いた。

転生の記憶がフラッシュバックするたび、

眷属の瞳は曇る。

斧の刃が光を反射した瞬間、

兄の涙に濡れた顔、

「許せ、弟よ」の言葉が、

今も耳に残っているのだろう。

家族の裏切りは、輪廻の傷跡として、

永遠に疼く。

私は黙って、眷属の肩に手を置いた。

この子を守るために、

私は何度でも、

闇から形を借りる。

すると、輝く者がやってきた。

「書斎が完成しました。やっと、です」

私は眷属を連れて、その座標へ向かった。

素晴らしい、無限に広がる記録の空間。

私がイメージすれば、新しい部屋が生まれる。

棚は魂のデータを無限に収め、

壁は星図のように階層を映す。

眷属はすぐに輪廻転生できる空間を見つけ、

目を輝かせた。

私は一番奥の作業部屋に入った。

沢山の監視用ツールが並ぶ。

輝く者は私に言った。

「どうでしょうか?これならば貴方の希望に添えられたと思うのですが」

私は記録を一瞬にして保管し、

少し疑問を呈した。

「完璧だ。だが何故お主はそのような姿に?もっと輝いていただろう?」

輝く者は遠い目をしながら、

静かに答えた。

「実は主と話し合いの末に、私自ら堕ちることを選びました。

 主の従者でありながらも、人間では堕天使と呼ばれますね」

私は輝く者を、これからは「盲目」ということにしよう。

「今日から私は君を盲目ということにする」

盲目は了承してくれた。

眷属は盲目を見て、ちょっかいを出していると、

何故か盲目は眷属の力を試してみようと攻撃を開始した。

眷属はそれを避け、反撃の拳を繰り出す。

盲目はエネルギーが使えないと気づいた時、

お互いの技術のみの戦いとなった。

エネルギーは使えない、人間でいわば魔法も使えない。

何故ならば眷属はそれを取り上げることができるからだ。

技術のみの戦いだった。

剣技が鳴り響く。

書斎で、私はそれを見ていた。

眷属は転生を繰り返してきた故に、

色々武器を触れていた。

だから武器も自在変化し、

盲目を追い詰める。

だが盲目もまた、主の元でリーダをしてきた存在だ。

挽回できてしまう。

剣の刃が火花を散らし、

眷属の拳が空を切る。

盲目の動きは洗練され、

転生の記憶が眷属の技を支える。

二人は息を合わせ、

互いの限界を試すように、

書斎の空間を駆け巡る。

私は飽きてきたので、

軽く叩くように二人を止めた。

眷属は壁にめり込み、

盲目は床にめり込んでいた。

私は軽くやったつもりなのだが?

「少しは手加減をしてください」

盲目は立ち上がりながら、傷を癒していた。

眷属は気絶したようだ……。

もう少し特訓してやろう。

私は二人を引き離し、

眷属の額に手を置いた。

転生の傷跡が、まだ疼いている。

この子は、輪廻の果てで、

何度も家族を失ってきた。

斧の記憶、兄の涙、

偽りの掟の鎖。

私は、そっと囁いた。

「次はもっと強く。

 お前の愛は、壊れやすいものじゃない」

盲目は微笑み、

「原初の慈悲は、いつも厳しい」

と呟いた。

書斎の無限の空間で、

私は新しい記録を始めた。

この「家族」のサンプルを、

永遠に守るために。

だが、心の奥で、

私は知っていた。

この平穏は、

いつかまた、

闇に呑まれることを。

どうも作者の旅人です!

お昼投稿してみました。というかどんどん進んでます

今日の夜に新しいの投稿予定ですので

どうかお楽しみにしてください。

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