王として(修復者視点)
私は今日も激務に追われていた。
「魔王様〜」
悪魔たちは、私を魔王様といい、下級や中級たちの悩みを次々と持ち込んでくる。
私は意識を人間の体に戻して、布団に沈む。
「疲れた……」
と言った途端に、ベッドの横に書類が積まれていく。
魔界の事務官たちが、私の休憩を許す気ゼロの速度で、次々と契約書や報告書を運び込んでくる。
魔王って楽じゃないのね……なんかアニメで思ってたのと違うような気がする。
魔界の住民たちは混乱と希望が入り混じっていた。
下級悪魔は「魔王様が優しい……怖い……」と怯えつつも、
中級悪魔は「仕事が増えた」と愚痴りながら、
古参の悪魔は「平和など気味が悪い」とぼやく。
でも、子どもたちは修復者の像を見てはしゃぎ、
初めて「争わない日々」を感じ始めていた。
「お疲れ様です。魔王様」
堕天使が来たし……なんの用だろう?
「どうしたの? 休憩させて欲しいんだけど?」
堕天使は私の横に来て、
「今回の政権で貴方の像は作られてますよ。
妙に美化されてて、魔界中に祭りが始まってる。
それと天界は慌ててるようで」
私は考え込む。天界が何故慌てるのか?
いつもの傍にいる龍が教えてくれた。
「君が魔王になって魔界はいつもであれば戦乱だったのに、今はものすごく静かすぎて天界の者たち焦ってるかな……
魔界が統一されて平和になってると
天界の官僚たちが会議で大騒ぎしてるらしい。」
私は納得していた時に赤髪の悪魔がやってくる。
「ではこれから神々との交渉や契約結ばないと外交もありますね」
私は、契約書類や外交関係も見る……
「あのさ? 外交も契約書類も結構前だし……ていうかうちら人間が存在してる年なの?」
赤髪の悪魔は静かに微笑みながら、
「知る必要はないですよ……知れば、戻れなくなりますから」
彼らに言われる……私は言葉に詰まった。理解しているからだ。
「わかった……でも強引に契約した書類は消すよ」
私は全ての書類を確認しながら日を過ごした。
戦場よりも、書類の山の方がよほど恐ろしい……
魔力の使いすぎで精神的に重いし眠ると魔界の夢が見える。
魔王の仕事と人間生活の両立が難しくなっていくが、
赤髪の悪魔は外交に強く天界との連携を担い、
堕天使は魔界の情勢や必要な情報をまとめてくれる。
龍は天界の情勢について話してくれるし
三者の間に微妙な緊張があるのは確かだけどお互い刺激しないように動いていた。
赤髪の悪魔が呼んだ炎の天使が到着した。
天界の命令書を持ってくる。
「魔界の平和は喜ばしい事だがまずは、修復者……いや、魔王よ。説明を求める」
私は苦笑しつつ命令書に目を通し、
「説明って……ただ平和にしただけだよ」
炎の天使は困惑しながらもため息をついていた。
【天界との条約を再確認する】という命令書に書かれていた。そして……私は炎の天使を見て
「話はまた明日しません?」
炎の天使は頷いてくれて明日は話し合いとなった。でもね交渉の方がもっと怖い……戦場よりも、ずっと。




