始まり(盲目視点)
堕落の王は私に詰め寄る。
「君主よ……我を裏切ったな! 貴様のせいであの人間の魂を奪え取れん!」
私は微笑みながらも、
「私は昔から貴方の仲間ではない……忘れたのか?」
堕落の王は私を攻撃しようとしたが、軽くいなすだけにする。
「お前を倒すためにせっかく集めた力すらも
及ばないとはな……参ったものだ。
だが貴様が育てている人間を食えば話は変わる」
私は堕落の王に対して警告する。
「また負けますよ。今までのあの者ではない……そして食らっても貴方は吸収しきれないだろう」
堕落の王は私の警告を聞きながらも、
「たかが人間だ。かつて人間達が強いと言われる者たちすらも私に負けた」
私はその様子を見て静かに口元を吊り上げた
「その過信は仇になるところ目の前で見れることになることを私は楽しみで仕方がありませんね」
堕落の王は私を睨みながら呟いた。
「赤い蛇め……貴様からは、魂の匂いがしない。気味が悪い……ただの眷属ではあるまい」
私は内心で舌打ちする。
暴食の王は、私の存在をまだ完全には理解していない。
それが、後の決戦で致命傷になるだろう。
私は急いで修復者の元へ行くと、修復者は軍に下った悪魔たちからの情報をもらい迎撃する準備を整えていた。
「あの暴食ついに動き出した……後は私はその光景を見るだけだ」
私は、空に飛び上がりその光景を見るための準備を取り掛かった。
修復者は、負の耐性を高めるために結界を何重に張り巡らせ、己の魔力を練り上げてすぐさま魔術を発動させるように隠し持ち、私と連携するための合図を確認し、軍に下った悪魔たちが陣形を組む。
結界の準備も整え、霊視で敵の位置を探る。
数十体規模の上級悪魔の群れが迫る中、修復者は静かに息を整えていた。
「これで……暴食の王を、引きずり下ろせる」
私は遠くから見守りながら思う。
修復者……お前の魂が、暴食の過信を砕くだろう……そして我らの悲願である王座の君臨が間近になるのを確信しながら
堕落の王は、黒い霧をまとい、飢えた獣のように吠えながら迫ってくる。
地面が腐り、空気が震えるほどの負の気配。堕落の王は今まで戦い続けた修復者を遠目で見ているようだ
「妙だな……あの人間、以前よりも闇が濃い…胸の奥がざわつく……これは何だ。恐れ、か?本当にあの者と戦してきた魂なのか…いやたかが人間、我
の思い込みにすぎぬ。人間など喰えば終わりよ」
私は静かに堕落の王の言葉を聞くどうやら動揺しているようだ。
「赤髪の悪魔さん?」
私は修復者の元へ降り立つと
「どうかしましたか?」
修復者は私を見ながら
「これが終わったらもう戦わなくて済むの?もう……誰も傷つけたくないんだ」
私は、微笑みながらも首を横に振る
「まだまだ終わりませんよ……眷属の因果は貴方が終わらせることができます。彼の頭を冷やしてあげてください…貴方ならできる。私は信じています」
私は、眷属の背中を押してあげて戦火の火蓋が切られた。
空そのものが呻き、世界が軋む音が天界に住む神々は、魔界のいつも通りだと思い込む……
私は最低限に修復者を助けることに致しましょう。




