着実に進む(盲目視点)
修復者は出会った時から現在に至るまで、とてつもない強さを得ていた。
最初は霊能力すらまともに使えなかった器だったが、私の厳しい試練と眷属のサポートで、負のエネルギーを吸収・変換する耐性を身につけ、魔界の軍勢を次々と無力化した。
今では殆どの悪魔たちが彼を崇め祀り、修復者は困惑していた。それはそう……崇め祀られたのは、今までないに等しい……
「これならば堕落の王を引きずり下ろして、魔界の王として君臨させることが出来るな」
修復者は、傲慢にはならずに普通に彼らを接している。
ちなみにだが、修復者の元にいる龍は、彼女にアタックしまくっていた。
「何!? 痛い痛い!」
それはそうだ……龍神だからな。求愛するならば、もうちょい落ち着いて欲しいところだ。
この龍は元魔界出身で、堕天の王の配下だったが、龍神の純粋な魂に惹かれ、西欧竜という種族を捨てて龍族になる為に修行に行き見事に龍となった存在だ。
今は修復者の傍らで守護龍のように振る舞い、求愛は「力で守る」形でしか表現できないらしい。
「赤髪の悪魔さん? 助けて……重いよ! 龍!」
普通の人であれば、布団でうつ伏せになってるように見えるが、彼女の視点はその上にどでかい龍がそのまま上に乗っかっている感じだ。
「我慢ですよ。最近ちゃんと寝れて無さそうですし、そのまま気絶してもらった方が良いでしょう」
修復者は、私を見あげながら、
「やっぱり中身は悪魔だ……」
私は笑いながらも修復者の頭の上に乗っかり、
「私は赤い蛇ですからね」
そのまま重さによる、精神疲労を起こさせて眠らせると、修復者の夜更かし気味を直していくことにしよう。
龍は私を見ながらも、
「魔界の君主殿は何故人に興味が無いのに、この人間を好む? 魂を奪うわけではないというのに」
私は龍を見ながらも、
「理由は、貴方とは違いますが……昔からの友人の願いを叶えさせる為です」
龍は目を細めながらも、
「この娘に着く者がいるのか? 1人だと思っていたが」
私は修復者を見ながらも、
「この子は、普通の魂が行く場所には行けません……あの方の元へ戻ります。我が主の元ではなく」
龍は、それを聞きながらも、
「ならば……その者に気に入って貰えれば良いのだな さすれば彼女を手に入ることができるのだな」
どうやら……諦めが悪いようで、私はその光景に微笑みながら、原初が目覚めた時にどう対応するか気になった。
「さぁ……あの方はとても厳しい方だが、貴方の動き方によってはね」
龍は修復者を抱きしめながら眠っていた。私はその光景を見つめながら次の試練を考えていた。




