策略(盲目視点)
私は堕落の王に、原初の神が人間の体に転生したと耳打ちをする。
「それは真か……これで俺の時代が来たもんだ」
彼はすぐさまに他の王たちに修復者を襲うように仕向くと、私は先回りして会いに行く。
「お久しぶりですね……だいぶ視えてきたようで」
彼女は振り向く……しかし修復者は今世は女になっていたとは。
「どうすればいい……友人は天使で守られてるし、私は何も出来ない」
私は修復者に近づきながら、
「貴方はこれから起きることをやるのですよ……大丈夫です」
現代社会と言うべき時代に、修復者は生まれ、あまり霊能力がない器に入ってしまったが故に、本来の力さえも引き出せない……ならば窮地に追い込むまでだ。
「そうですね……3日後に、上級悪魔を降参させなければ貴方の負けですね」
彼女は固まりながら……怖がる……実にいい。
「それって死ぬって事ですか?」
私は赤い蛇の姿になりながらも、
「まぁ……猶予はないですから。私はこれで」
大丈夫……貴方は昔から対処を知っていますから、魂は覚えているはずです。眷属……貴方も修復者の魂の中でいらっしゃるのも。
「さてと私は、色々と魔界を掻き乱さないといけないな……一度修復者を魔界の王として君臨させることを」
今の魔界はかつての魔界とは違い、人間たちが堕ちていく所を見かけることが多くなった。それでも天界までには及ばない……元々の力の差があるからだ。悪魔になりたいと言う人間が増えてきた事に、正直に言うと、いらないし私たちの餌になるだけだ。
「それでも実際に知らぬ人間もいるということだな……」
魔界の在り方を、修復者に直してもらい、新たな王の育成を私がやらなければならない事も。私は、弟子であった熾天使に会いに行く。
久々の天界は色んな種族を見かけるようになった。戦乙女や龍等、かつてはありえなかった事が起きている。
光と闇が混ざり、翼の色が多様な天使たち、龍の鱗が輝く姿──天界が、変わり始めている。
「盲目、いや師匠、お久しぶりです」
私は成長した熾天使を見る……他の天使とは違う闇を扱うことを許されている事に。
「成長したな……記憶が戻った。主に報告しに来たよ、修復者を見つけた。お前たちも見失っていただろう……東方の神が守りに着いている」
熾天使は頷きながら、
「貴方が記憶を失っている間に、修復者は一度暴食と戦っております。勝ち続けてますが、流石に成長しないと考えて暴食に気づかれないように一度魔界に転生させて悪魔として暮らさせていましたよ」
私は驚くが、まさか悪の魔術師が関与していたことに騙されたな……あの者は息子しかいなかった事を思い出した、ここ最近(300年)は娘が表にいたが修復者だったとは。
「全くだ……修復者は悪魔になってたとは気づかんかった……」
熾天使は笑っていた。私は天界の門を潜り、かつての弟子と共に天の主へと歩いた。




