未知の植物
私はあの子と話す事にした。
「なぁ……覚えてる事とかないか?」
あの子は首を傾げながら、
「うーん、ここに目覚めたときに、この石に声が聞こえてあの方を知ったのね。生まれた理由は分からない」
私は、この集めた欠片を与えていくことにした。
「これを食べてみないか?」
集め続けた欠片を見せる。これは眷属が集めているものであり、次元を上昇する際に使ったものの災厄を起こしたものでもある。
「いただきまーす」
私は様子を伺うが、何も起きなかった。この量では記憶回帰はできないと。
「何か思いだせるか?」
あの子は首を傾げながら、
「うーん、あんまりかな。とりあえずさ! 遊びに行こ!」
私は、あの子に手を引かれながら色々回る事に。
「この辺は懐かしいな」
あの子は小さいから見失いそうになる。
「この果物美味しいのよね ほらあなたの分もってきたよ」
私はかつてこの果物を模倣したものがあった。それを食べると、
「この味だ……」
懐かしい。あの子と一緒にいた頃の、光の欠片のような甘さ。
あの子は私に抱きついてくる。
「眠いの……」
私は巨木に赴きながら静かな森を歩いていく。私がここにいた前よりも知らない植物が生えていた。
森の奥、巨木の根元近くに、奇妙な植物が群生していた。
茎は黒くねじれ、葉は紫色の脈が浮かび、触れると冷たい霧のようなものが立ち上る。
実の一つは、宝石のように赤く輝き、割ると中から黒い粘液が滴る──甘い香りがするのに、舌が痺れる毒の気配。
もう一つは、青白い花を咲かせ、花弁の縁が溶けるように腐り、汁が紫の毒々しい色で染み出す。
蔓のような植物は、触れると棘が刺さり、血を吸うように赤く変わる。
私はこれらを採取し、味わってみる。
甘さと苦さ、痺れと熱──毒が体を巡る。
「毒だなこれ……この辺の果実と実……植生を分体たちに探索して調べようか」
私は分体にここの探索を命じて、今は分体たちが調べていく。
「総帥様~この毒飲んでみてくださ~い」
私は禍々しい飲み物をもらうと……そのままそいつの口に突っ込み飲ませる。
紫と黒の混ざった汁が、喉を焼くように流れる。
「私に飲ませる度胸は褒めてやるが、責任持ってそれを飲め」
もがき苦しむ姿を見てほっこりしながら、果物を食べる。やはり元々ここにあった巨木の実は美味しいものだ。
「総帥殿? 検査終わりました」
怯えた目で、私を見てきた。なぜだ? 普通だろうに。
「おはよう」
あの子も起きたようだ。
「ああ おはよう……また付き合ってくれ」
これからは試行錯誤が始まる。




