知らぬ間に
長い旅路の末に、辺りは黒い土と灼熱の炎に囲まれるようになる。
炎の渦が土を焼き、ますます炎が激しくなる。
「あと三日で辿り着きますね! 頑張れ! 頑張れ!」
この疲れないという妖精たちは実にいいな……この体力お化けが!
「体力お化け……聞こえてますわよ」
顔を逸らしながら、忘れてた。こいつ心の声聞けるの……
「何のことか」
ベシベシと叩かれながら、近くの洞窟に入り込み、休む準備をする。
「また休むの?」
私はため息をつく。
「いくら私も二年間エネルギー消費を回復はしたいよ。それと書斎を任した子に連絡を取りたい」
妖精の女王は私の頭の上で乗っかり、寝てる。
小さな体が温かく、悪戯っぽい寝息が聞こえる。
私は意識を分体に向ける。
司令官「総帥!? お疲れ様です! 緊急の連絡が!」
私はそんなに何かあったのかと思い始める。
原初『何があった? そんなに慌てて』
そして聞きたくないことを聞く。
司令官「実は盲目は堕ちてしまいました……眷属と修復者の連絡が取れません……場所も探してますが」
私はついに堕落の王が動き始めた事に、盲目は厄介だ……彼を止められるのは天の主と織天使、私のみだ。天の主はあれから仲が良くなり交流などしていた。
原初『もしかすると織天使の元にいる可能性がある。盲目が仲間ではない可能性も考えられる。今はなるべく眷属と修復者の探索活動を控えろ……』
私の言葉を聞き、分体は
「分かりました……いつも通りに作業を開始します」
私は連絡を取り終えて、直ぐに悪の魔術師に意識を向けた。
「おや? 原初……どうかなさいましたか?」
悪の魔術師に聞くことにする。
原初『盲目は……どうなっている』
悪の魔術師は少し怯えていたが、
「ここではお話は出来ませんが、実は監視されてるので……盲目の件は天の主に聞く方が確実です」
私はそれを聞き、今の魔界の状態は悪いと分かった。
原初『わかった……もし話せる時間ができたら連絡してくれ』
私は魔術師が安全な場所に行くまでは、天の主に連絡をとるため意識を飛ばす。
「どうした? 最近連絡とらんから 余は心配したぞ」
私は苦笑しながら、
原初『私の配下はいるか?』
天の主は頷くかのように、
「いるぞ……匿っている。赤い蛇が最後の力を使ってな……二人を天界に送ったさ。今は己を忘れている、目を覚まし記憶が戻るまでは敵だろう」
私はやはり盲目は堕ちたことを確認して聞く。
原初『今後については、次連絡するときに話すよ』
天の主は微笑む。
「二人の事は任せとけ、こちらで試練を課しておく。修復者は特に可愛がりがいがあるしな」
私は本当に彼に対して安心する。
原初『お願いします……じゃあ私はこれで』
私は意識を戻して寝る準備をする。
「連絡取り終わったの?」
妖精の女王が聞いてきた。
「ああ……」
私は短く返事を返して眠った。
眷属たち……無事か。
盲目の堕落、暴食の影が迫る感覚…
知らぬ間に歯車がまわりはじめた。




