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いつかまた会えたならば  作者: 旅人


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56/89

迷い(修復者視点)

俺は、苛立ちのままに宿から飛び出した。

「イライラする……何もかも壊したい」

俺が何か壊そうと探していると、

「そこで何をしてますか? その苛立ちは芸術で表しませんか?」

俺は振り返ると、あの時にあった四人の天使の一人だった。

土のような重厚な気配、穏やかで深い目の地の天使。

「芸術? そんなものでこの気持ちが抑えられるのか?」

俺は地の天使に聞いた。

「心が安らぎます……まずは私と共に人間界に行き、風景を見ていきましょう」

そして俺は彼と共に人間界に降りて風景を見ていた。

夕暮れの空が赤く染まり、星空が無数に輝く。

森の木々が風に揺れ、川の流れが静かに歌う。

見る前はあまり気にしてなかったが、地の天使から出る話を聞きながら、この風景の織り成す美しさに見とれていた。

「では戻りましょうか」

天界に戻ると、地の天使が住む屋敷に入ると筆を渡されると、

「では絵の具を作りましょう。まずはこの土と石を細かく潰しましょうか」

言われたとおりに潰したり、混ぜたりすると色鮮やかな液体が出来上がる。

赤い土の炎色、青い石の空色、緑の草の森色──自然の色が、手の中で生まれ変わる。

俺はイライラが忘れたかのように絵を描き始める。

印象に残ったあの風景を壁に描く。

苛立ちの筆使いが、荒々しく、でも次第に優しくなる。

怒りが色に変わり、壁に吸い込まれていく。

「終わった……」

そこにはまるで俺の怒りが壁に吸い込まれたかのように、美しい絵があった。

夕暮れと星空、森と川──静かに描かれている。

「完成したようですね……絵を描き終わった。貴方は、成長しました。今の貴方なら大丈夫でしょう」

地の天使は、壁を小さくして俺に渡す。

「ありがと……」

俺はその絵を持って急いで宿に戻ると、慎重に扉を開ける。

「……これは」

目の前には御馳走が立ち並び、眷属は俺を見ると抱きついてきた。

「ごめん……もう二度とあんなことはしない」

眷属は俺の言葉に驚いていた。笑顔を見せる。

「いいよ……僕も悪かったからさ。それよりご飯食べる前に水浴びしよ?」

俺は水浴びをしながら体を綺麗にすると、新しい服に着替える。

白を基調とする服で、汚れを一切受け付けない代物である。

「眷属も新しい服着てるじゃん……というかお揃い?」

眷属は微笑みながら、

「風の天使が一緒に服選んでくれたの」

俺は今回……天使たちは見捨ててないと気づくと、恥ずかしさを隠すように料理を食べる。

「ちょっと! いきなり食べないでよ!」

他愛のない話をしてふざけて、有意義な時間を過ごした。少しこの穏やかな時間の中でこのまま続いて欲しいと願った。

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