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いつかまた会えたならば  作者: 旅人


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38/85

何億という時を過ごして

私は、盲目と共に彼らの住処である神社という場所に来ていた。

初めて見る景色に、私は思わず立ち止まった。

「なんだ……この赤いものは!」

入口の道にそびえ立つ、鮮やかな赤い門──鳥居と呼ばれるものらしい。私の世界にはない、鋭く切り立った形。まるで血の色のように鮮烈で、でもどこか神聖な気配を放っている。私は本能的に近づき、匂いを嗅いだ。木の香り、土の湿り気、そして微かな……祈りの残り香?

盲目は苦笑しながら、

「それは建物の一部ですよ、鳥居といいます。失礼になりますから、嗅がないでください」

私は渋々離れたが、心の中で驚きが渦巻いていた。私の世界では、神聖なものは光か闇か、プラズマの輝きか影の深淵だった。こんなに鮮やかな色で境界を区切るなんて……不思議だ。

さらに進むと、水の入った石の鉢──手水舎。鈴の音が響く賽銭箱、屋根が反り上がった建物。屋根の上に座り込む神が、黒い鳥を肩に乗せてこちらを見ている。

「屋根に神が気楽に座っている……私の世界では考えられない」

盲目は前に出て、丁寧に言った。

「太陽の女神にお会いしたいのですが……お時間いただけないでしょうか?」

屋根の神は微笑みながら、黒い鳥を飛ばした。

「伝達はした……この地図を渡そう。そこに行けばあの方がいる」

道中、私は周りの静かな調和に目を奪われていた。あの子の残骸が通り過ぎたような、懐かしい波動を感じながら。

ついに、その神社に辿り着いた。

ここは……本当に懐かしい。あの頃に似ている──二人で生きていた、遠い遠い頃に。

「ここは……懐かしい」

盲目は少しだけ浄化されていたせいか、影の部分が薄れていた。

「とてつもない浄化能力ですね」

すると、空気が変わった。

柔らかく、しかし圧倒的な輝きが辺りを包み込む。

現れたのは、長い黒髪を優雅に流し、白く清らかな衣を纏った女神だった。

頭には玉のような飾り、腰には鏡を思わせる円い宝玉。

その瞳は穏やかで深く、まるで朝日が昇る前の空のように静か。

でも、全身から放たれる光は強烈で、周囲の木々や石灯籠まで優しく照らし出している。

焼けるような熱ではなく、すべてを温かく包み込む──まさに太陽そのもののような存在。

「あら? 貴方たちが私に何の用でしょう?

それに……初対面なのに、なぜか懐かしい気がしますね」

その声は優しく、鈴のように澄んでいた。でも、どこか底知れぬ威厳が込められている。

私は気づく。あの子の欠片が強い……近づいて匂いを嗅ぎ、輝きを確かめる。

「匂いも……輝きも、あの子と同じだ! 太陽の女神よ……何か知ってるのか?」

太陽の女神は、私(小狼姿)を優しく撫でた。

その手は温かく、まるで母親が子をあやすように柔らかかった。

「可愛い子狼……あの方は、貴方を待っていますよ」

私は本来の姿に戻る。女神は変わらず微笑んでいた。

その表情に、慈悲と、少しの哀しみが混じっているように見えた。

「あの子を本当に知ってるのか……嘘ではないよな……」

盲目は、何故か休んでいてお茶を飲んでいる……。

太陽の女神は私に言った。

「あの方に会うためには、黄泉の国に行かなければなりません。

あそこであの方は封印されています。しかし、道のりは厳しいですよ」

私は、それを聞き、後には引けないと感じた。

もうここまで、何億という時が過ぎたというのに、探すことを諦めなかったからだ。

「少しだけお話がしたい……黄泉の国について聞かせて欲しい」

太陽の女神は、私を屋敷へ案内してくれた。

そこには大勢の神々がいる。もはやこれは共存なのだろうと、盲目はすでに席に座っていた。

「原初様……私も聞けるのは、なかなかにない経験ですよ」

私は頷きながら、太陽の女神は玉座に座り込み、話を始めた。

──あの子……ようやく、会えるのか。

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