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いつかまた会えたならば  作者: 旅人


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34/87

融合の果てに

私は、二人を少し休憩させてから、本題に切り出すことにした。

原初「二人一組で転生してほしいと思ってるんだけど……」

予想通り、猛反発が返ってきた。

修復者「なんでこんな奴と一緒に転生しねぇといけねぇんだよ! 俺は却下する。同じ肉体にすみたかねぇ!」

眷属も首を激しく振りながら、私の魂を軽く叩く。

眷属「原初様……僕も反対です。獣と一緒に過ごすのは地獄です」

私はため息をつき、二人を落ち着かせる。

原初「二人は性格が正反対だ。互いの弱点を補い合える。それに、足して割った方が、ちょうど落ち着くと思う」

二人はお互いを睨みつけたまま、黙り込む。

修復者「ふーん……原初様の考えはいつも当たるけどさ。どうせ俺たち、逆らえねぇしな」

相変わらずだ。可愛いと思う。特にこういう尖った子は、しつけがいがある。

原初「修復者……また反省部屋に行こうか」

私は修復者を掴み、引きずりながら反省部屋に投げ込む。

眷属は、もう何も言わなくなった。これで良しとしよう。

次に、司令官を呼ぶ。

司令官の正体は、眷属が可愛がりすぎて最初に自我を得た子。

私が一番最初に作り出した存在で、私の性質を強く受け継いでいる。だから考え方も似ている。

書庫の管理を任せているのも、そのためだ。

修復者は、司令官から派生した分体。人間で言えば、私からすれば孫に当たる。

司令官「お呼びでしょうか? 総帥様」

私は、司令官に尋ねる。

原初「聞きたいことがある。修復者は、どういう経緯で派生したんだ?」

司令官は私を見上げ、静かに答えた。

司令官「原初様が5日間いなくなった時ですね。あの時、私は絶望という感情を初めて覚えました。そこから負のエネルギーが集まり、あの子が生まれたんです。自慢の息子ですよ」

私は苦笑した。

まさか、私の不在が負の感情を生み、それが修復者になったとは。

これからは、あまり負荷をかけないようにしよう。

原初「そうか……任せるときは、仕事が楽な時期を選ぶようにする」

司令官は頭を下げて仕事に戻っていった。

反省部屋から修復者を出してやる。

反省した様子は見せないが、眷属と少し話し合っている。

しかし、進展はしない。

眷属は相手を恨まないし、傷つけることさえ難しい。

修復者はその逆——恨むのも傷つけるのも簡単だ。

もしかすると、実戦で一緒に苦しめば、お互いの弱点を補えるようになるかもしれない。

私は、転生装置の前に二人を立たせた。

原初「君たち、転生していけ」

修復者は目を剥き、眷属は青ざめる。

修復者「待てよ、本体! 冗談だろ!? こんな急に魂を一つにすんのかよ!」

眷属「原初様……お願いです。僕たち、まだ心の準備が……」

二人は後ずさろうとしたが、装置の周囲に張られたプラズマの障壁が、逃げ道を塞ぐ。

私は静かにスイッチを入れる。

装置が低く唸り、淡い光が二人を包み始めた。

修復者「くそっ……離せ! 俺はこんな奴と一つになるなんて嫌だ!」

彼は必死に抵抗し、魂の輪郭を歪めて光を弾こうとする。

だが、プラズマの流れは容赦なく修復者の負のエネルギーを引き剥がし、眷属の穏やかな光へと絡みつける。

眷属「やめて……原初様……痛い……!」

眷属の声が、初めて震えた。

普段は恨むことすら難しい彼が、魂を強引に引き寄せられる痛みに、悲鳴を上げる。

二人の魂が、装置の中心でゆっくりと近づいていく。

修復者の黒く尖った負の渦が、

眷属の柔らかな白い光を、

無理やり飲み込もうとするように絡みつく。

修復者「離れろ……お前なんかと……混ざりたくねぇ……!」

眷属「嫌だ……こんなの……僕じゃない……!」

二人の叫びが、重なり、歪み、

最後に一つの声になる直前——

融合が完了した。

装置が静かになり、

一つの魂——まだ不安定に揺らぐ、光と闇が混じった塊——が、人間界へと射出される。

私は、静かに装置を止めた。

まさか、これがとんでもない事になるとは、

この時は思わなかった。

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