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いつかまた会えたならば  作者: 旅人


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誘いの手紙

私は仕事をしていた時に、ふと横を見ると白い鳩が手紙をくちばしで持っていた。

私はそれを受け取ると飛び去り、内容を確認するとどうやらお誘いだ。

天界か。輝く者達と交流あったが、まぁ眷属を連れていくかついでに眷属が会いたい魂に会わせるのもいいだろう。

作業場は自我を持った分体に任せるとしよう。

「分体?これから私と眷属は用事ができた。この記録の山をよろしくな」

分体は早速仕事を始めた。

私は眷属を連れて久しぶりの宇宙船を天界の座標に合わせて飛ばす。

眷属は初めての宇宙船で、

「はや!僕が天界まで行くのに5日かかったのに!」

私は無視しておく……この間の件は実はまだ怒っているのは内緒にしておこう。

宇宙船の窓から、星の海が流れる。

転生の疲弊が、眷属の肩に重くのしかかる。

この子は、休みなく輪廻を繰り返してきた。

天界の平和が、眷属の傷を癒すか、抉るか。

さてと天界に着いたようだ。

そして4人の輝く者が出迎えていた。

その中のリーダー格である剣を持つもの。

眷属の視界を経由していたから分かるが歴戦の猛者だろうな……その者が、

低く響く声で言った。

「ようこそ。貴方が原初ですね。我が主がお待ちです」

剣の柄に、転生の傷跡のような刻印が光る。

輝く者たちの瞳に、微かな警戒が宿る。

私は天界の大広間に行く途中で、まぁ美しい場所であるなと。

そこは争いもなければ殺戮もない場所であり平和そのものである。

輝く者たちは多いのだな。小さい者から大きな者まで。

空は永遠の光に満ち、

花は争わず咲き、

川は静かに流れ、

すべてが調和の調べのように息づく。

だが、この平和は、偽りの鎖のように感じる。

私の闇が、影のように忍び寄る。

眷属は何故か連れ去られた。……小さなもの達が興味津々だったようで眷属の声が聞こえた。

「原初……助けて……!」

叫びは、切実で震える。

小さな輝く者たちが、眷属を取り囲む。

その無邪気な好奇心が、転生の傷を優しく撫でるか、抉るか。

眷属の声は、輪廻の疲弊を帯び、

助けを求める叫びが、書斎の記憶のように響く。

斧の影、鎖の重さ、

この平和な光の中で、眷属の恐怖がよぎる。

私は無視しておこう。危害は加えるつもりはないのだろうからと無視だ。

歓迎の物がいっぱいあるな、私は用意された席に座る。

テーブルの上には果物や酒が並ぶ。私はこれらは食べれないが視覚的には満足である。

果実は光を反射し、酒は黄金のように輝く。

輝く者たちは、静かに注ぎ、微笑む。

この豊かさは、母の記録の山とは正反対。

だが、私は知っている。

この光の下に、影が潜むことを。

転生の疲弊が、眷属の叫びを遠くに響かせる。

大広間の扉が開き、主が現れる。

調和の頂点、光の王冠を戴き、影を映す瞳を持つ存在。

その姿は、永遠の光を象徴し、

輝く者たちの頂点に立つ。

主の声が、空間を満たす。

「原初よ、ようこそ。我らの調和に、君の闇を分かち合おう」

私は頷き、席に座る。

このお誘いは、単なる交流か。

それとも、眷属の光を狙ったものか。

母として、警戒を緩めない。

書斎の無限の空間で、

私は新しい記録を始めた。

この瞬間から天界の平和は記録され、闇に抗う証となる。

永遠に守るために。

闇に呑まれる前に。

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