堕落の王の子
私はふと監視している時に目を疑うほどの
とてつもなく邪悪な存在がいた。
私はその者を悪の根源と呼ぶとしよう。
そうだな、堕落の王と。
堕落の王は盲目を警戒しており、
戦いに挑まない。
堕落の王は知っておるのだろう。
何とは言わないが、しかし興味深い事に、
眷属と少し似ているような?
いや、紛れもなく眷属の父親だろう……。
堕落の王は、天に住む主を敵として認識しており、
戦争をふっかけていた。
おそらくは眷属は天に受け入れて貰えず、
強制的に捨てられたと私は気づく……。
堕落の王は知らないのだろう。
自身の子が形を変えて生きていることを。
私は監視ツールを拡大し、
堕落の王の姿を凝視した。
その瞳に、眷属の面影が重なる。
転生の輪廻で、形を変えても、
血の残響は消えない。
眷属の斧の記憶、兄の涙、
それは、父親の傲慢から生まれた呪いか。
私はため息をついた。
この階層の争いは、
母の愛すら飲み込む闇だ。
堕落の王の過去を、記録から呼び起こす。
かつて、天の座から落ちた時、
堕落の王は主を裏切り、
影の者たちを率いて反旗を翻した。
「我が力こそ正義だ」
と傲慢に宣言し、
子を犠牲に鎖を鍛えた。
その鎖は、血と裏切りででき、
今も子を遠ざける。
堕落の王は、自身の傲慢が子を捨てさせたことを、
永遠に認めない。
堕落の王は、眷属を見つけたようだ。
そして声を荒らげる。
「我が力をなぜあやつが持っておる!」
堕落の王は、配下のもの達に叱責した後に、
気に入らないものを食べていた。
その光景を見て、私は思う。
眷属はまさかの父親である堕落の王に狙われ続けることになった。
堕落の王は、影の者たちを引き連れて眷属の元へ行った。
眷属は転生中であり、人間になっている。
私は眷属が記憶を消しているが故に戦えない。
ならば策を作る。
それはこれだった。
【危険察知】【能力解放】【無我の防御】
これは眷属が人間として生きている間、この能力により、
意識がしていなくても反撃できるようにした。
堕落の王は、眷属の前に現れた途端に3つの能力が襲った。
危険察知が堕落の王の影を捉え、
能力解放が無形の障壁を張り、
無我の防御が闇の爪を跳ね返す。
堕落の王はあっけなく敗れてしまった。
堕落の王は信じられないという顔をしていた。
それはそうだ。普通の人間にはそれがないからだ。
堕落の王は一旦退いた。
だが、その目は諦めていない。
傲慢の塊は、子を奪い返すために、
さらに深く潜むだろう。
私は知っている。
この策は、一時しのぎ。
堕落の王の鎖は、永遠に伸びてくる。
堕落の王は一旦退いた時に、何かいた。
いや影のものであっている。
そいつは堕天使という類いだろう。
私は彼の記録を解析すると、どうやら知識とずる賢さ、誘惑、快楽など彼はどうやら眷属が気になるようだ。
私は彼をこう呼ぶとしよう。悪の魔術師と。
悪の魔術師は眷属にくっついた。
眷属の能力からは危険を感じてないようだ。
私はその者を気になり会うことにする。
私は別の姿になり人間で言う狼で、現れた。
悪の魔術師は、驚きながらも少しだけ眷属と私を見て、
「この子の主でしょうか?あの暴食を追い払えるほどの力をお持ちとは……。どうか、受け入れてくれませんか?」
私は静かに答えた。
「私は狼だ。私の眷属に近づくな」
悪の魔術師は、低く笑い、眷属の周りをゆっくり回りながら、
「この子を気に入ってしまったのです。どうか、取引を。どの道、天国にも地獄にも落ちぬ魂でしょう?私の元なら、永遠の安らぎを与えられます」
私は首を振り、断った。
「断る。我が眷属はどちらにも属さぬ。私の元に帰ってくる」
悪の魔術師は、私の前に跪き、目を細めて囁いた。
「どうか……あの暴食は執念深いものです。私の元に置けば、襲われぬ身になります。メリットは多い。私の知識は、無限の誘惑……快楽の果てに、真実を差し出せます」
私は考える。
確かに、言う通りだ。
眷属がこのまま行くと、天と魔の争奪戦が起きる。
母として、守らねばならない。
だが、この取引は新たな鎖を生む。
堕落の王の傲慢を、
悪の魔術師の誘惑で封じるのか。
私の胸が疼く。
この子を守るために、
私は何度でも闇を呼ぶ。
「分かった。了承しよう。だが条件がある。私の眷属は今からお前の子になるだろう。そして堕落の王の子であることを認識しておけ」
悪の魔術師は静かに微笑み、頭を下げた。
彼は眷属の守護者となった。
「これからはこの世界に産まれたら私が守り、死んだ魂は私が誰にも奪わせません。どっちにも落とさないことを約束します」
私は悪の魔術師に少しだけ権限を与えることにした。
「ならばお主は、この世界の知識にアクセス出来る権利を与えよう。人間でいえば全知である。これが私からの報酬である」
悪の魔術師は、その膨大な知識に目を細め、
静かに答えた。
「これは……この知識の量は、決めた。全力を尽くして守り通します」
私は眷属を守ってもらう存在ができて満足して去る。
だが、心の奥で、
私は知っていた。
この取引は、
新たな闇の鎖を生むことを。
堕落の王の傲慢がこれほど厄介だったのは私は侮っていた
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