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烏の王のフロールヴ  作者: 生値命
第一章
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血の雨 フロールヴの初陣

 農場の主、ケビンは納屋にいるはずの妻と義理の娘の安否が気がかりだったが目の前の闘いに集中するしかなかった。左手の盾で敵歩兵の攻撃を受け止め、右手で持っていた剣の先で敵歩兵の兜と鎧の隙の首根っこを突き刺した。即死を確認したケビンは剣を死体から抜き、当たりを見回して状況を確認しようとする。突如衝撃がケビンを襲った。敵の騎兵が馬上から槍で彼を突き刺そうとしたのだ。幸い槍の先は彼の鎧に向かっていたが衝撃でケビンは地面によろめいてしまった。鎧の重さのせいで上手く立ち上がる事が出来ない。

 頭上の騎兵は兜の面を開けて素顔でケビンの顔を良く確認しようとする。


「よし、キャラハンだな!手柄を貰う!」


(ブリジット!ヒルダ様!無事に逃げてくれ!)


 二人の娘の無事を祈りながらケビンは敵の攻撃に身構えたが結局騎兵の攻撃は来なかった。この騎兵が手柄を取ろうと確認した事が彼に取って命とりとなった。


 気づくとケビンの前には上半身裸の青年がいた. 長い金髪をたなびかせながら敵騎兵の顔面目掛けて勢い良く両手斧を振るった。斧の刃がめり込んで顔が醜く歪んだ敵騎兵は糸が切れた様に馬上からずるりと落下した。フロールヴがケビンを救った形となった。


 騎兵の死に気付いた近くの敵歩兵達がフロールヴに気づきその内の一人が向かって叫んだ。


「お前!こんな事してタダで・・」


 叫び終える前に斧の先が胴鎧と兜の間の首根っこにめり込む。斧が首から引き抜かれると勢いよく血がその敵歩兵から流れ出てきた。


「囲め!この金髪を殺せ!」


 慌てた敵歩兵の隊長が槍先でフロールヴを示しながら歩兵達に命令する。四人の歩兵達が急いでフロールヴを囲もうとするがフロールヴの方が早かった。一人目の兵士の槍の突きを横にかわし、近づき今度はベルトに固定していた短剣を抜き出して胴鎧の隙間の脇を刺した。

 近くで槍を構えようとする二人目の兵士は、鎧を着けていなかった足の付け根を狙われて斧で斬られた。慌てていた三人目と四人目のどちらもは鎧を纏ってはいたがどちらも兜は被っていなかったので躊躇なく斧で三人目は頭上から、四人目は顔の右からかち割った。


「この餓鬼!殺してやる!」


 敵歩兵の隊長が握りしめていた剣をフロールヴに振ろうとする。両手を斧でふさがれているフロールヴは剣先の方向とは別の方向にかわすしかない。息を整えながらフロールヴはこの歩兵隊長を殺す算段を考えるが先ほどの雑魚達とは違いこの歩兵隊長は剣と盾を慎重に構えスキをみせない。

 何か石でも投げて気をそらせないものか。

そう考えていると突如納屋から黒い小さな影が宙を飛び出て歩兵隊長を襲った。

中々にバイオレントなフロールヴ。

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