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位相  作者: 尚文産商堂


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8/64

18°

ベッドの上にいる。そう思う。

それがそう思うとしても、本当にそうなのか、ということについては全く理解ができない。

手を動かそうとしても動けず、足も止まったまま時を止めている。

だが、今までの話を考えると、交通事故で撥ね飛ばされて、それから病院へと送られてきたのだろう。

そうか、ようやく今の状況に頭が追い付いてきた。

――それで息子はどうなんですか

声が聞こえるが、顔まではわからない。

何かぼんやりしているように見える。

――手は尽くしています。手術も終わりました。最悪は脱したといってもいいでしょう

――そうですか、よかった

母親の声をこうして聴くのは耐えがたい。

でもこれで相手の予想がついた。

きっと母親と話しているのは俺の主治医だ。

――ただ

――ただ?

――まだ意識を取り戻していません

おいおい噓だろ。

今もこうして君らの会話は聞こえているんだが。

確かに、表から見ると、きっとわからないのだろう。

だが、意識がないわけではない。

――いったいどうすれば

――実は開発中の技術があります

驚いた声を出したのは母親だ。

――どんな技術なんですか

――まだ開発中ということで治験にも至っていないものです。危険ですが、昏睡状態の患者向けのものになります

――ですがもしも息子が戻ってくるのでしたら、試してみたいのです

ため息のような声がする。

――では準備をいくつかしていただければなりません。また多額の資金も必要になります

――主人と話してまたお話ししますが、きっと用意できるでしょう

母親はそれだけいうと失礼しますといってどこかへと歩いていく。

医者だって意識不明の昏睡患者のもとでずっといるわけにはいかないようで、同じようにどこかへと行ってしまった。

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