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位相  作者: 尚文産商堂


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59/60

305°

はじめの間は、ただ沈黙だけだった。

「……ねぇ」

黙々と食べているのにも飽きてきた、ちょうど弁当も半分くらい食べたころに、あんずが俺へと声をかけてくる。

「どうかしたか」

俺は橋を上げ下げしながら、ゆっくりと弁当を食べる。

「あの箱、どうしたの?」

「ああ、開けたよ」

ひょいと一口おかずを食べ、それからご飯を食べる。

「……どう思った」

「どうって言われてもなぁ……」

ある意味、答えに窮する質問だ。

きっとあんずが欲しい答えはただ一つだけだし、それはどんな内容かはわかっている。

でも、その正しい回答以外を、思わず言ってしまいそうになってしまっている自分がいた。

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