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位相  作者: 尚文産商堂
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 チュンチュンと雀の声が外から聞こえてくる。それが朝日と共にやってくるとあれば、今日はとても早起きしたという証拠にもなるだろう。いつもならばやはり時計がなるかならないかの瀬戸際、やや鳴る側の時間だというのにも関わらず、今日早起きしたのも、きっと見た夢のせいだろう。今日は雨の予報だったが、今のところは晴れているらしい。

「ふあぁ……」

 ベッドの中であくびを一つ。さらにいえばグーンと全身を一本の線のようにして背伸びもした。時計を見ると7月3日の月曜日。起きる予定の時間よりも2時間も早い。

「しかし2度寝もなぁ……」

 完全に頭がさえてしまっている。こういうときにはたいがいはパソコンを付けてゲームでもするか、あるいは知らないサイトをサーフィンしていくか。よし、と気合を入れてベッドから起きる。パソコンは土日以外はスタンバイ状態だ。今日も当然のように電源を付けると10秒かからずに起動して操作する準備ができた。


 暇潰しにするものだ。特に目的も意味もなく、あてどなくさまよう思考の塊だ。しかし、それでも面白そうなニュースというのはいくつかヒットする。宇宙が複数の層状になっていて、ここ以外にも行き来することができること。手野武装警備が新しい戦艦を今日竣工させること。海外では脳死になっていたはずの人が突然生き返った。などなどなど。

 ピピピッという電子音で、その考えは全て消え去る。ようやく本当に起きる時間がきたようだ。

「さあ、おはよう俺」

 言いつつも、今日を過ごすために部屋を出た。どうせ今日も相も変わらない世界が続いていく。そう信じているからだ。

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