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「……明晰夢ってことかしら」
あんずがスタディンに尋ねる。
「おや、その通りだよ」
またカップをソーサーに乗せ、こんどは向きも整えず、あんずへと答えた。
「よくご存じだ。さすがは学校でもトップ3に入る秀才なだけはある」
ソーサーごとテーブルへと置くと、ゆっくりと、あんずへと向いていく。
まるで人形のような不気味さがある。
でも、たしかにスタディンはここにいて、生きている人間のようにふるまっていた。
「……さて、ここにきて一つ、君らに聞かなければならないことがある」
「なんですか」
俺がスタディンへと尋ねた。
「君らは元の世界へと戻りたいかね」




