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位相  作者: 尚文産商堂


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35/59

179°

「おや」

 そんな思考に割り込んできた、一人の人物。この真っ暗なところに訪れた唯一の光明。

「……だれ?」

 考えはまとまらない。あまりにも人と離れすぎていたからだろう。死んだと思っていたから、ここで出会ったのも人とは思えない。

「そうだな、私は人ではない。君の考えの通りだ」

 思ったことが聞こえる?

「ああ、君の考えの通りでいい。今、君がどのような状況になっているのか、ということについて興味があるんじゃないか」

 そうだ、しんで、ここに……

「いやいやいやいや、君は『まだ』死んではいない」

「まだ?」

 思考と口が同時に動く。

「そう、まだ、君は、死んでいない」

 地平線から光が差し込む。生きている?その感覚は徐々に強くなる。

「そうだ、君は、今、新たに生きようとしている」

 光は強くなる。暗闇はもう足元にしかない。地平線全部から一斉に太陽が昇ってくるかのように、ただ眩しさだけが、そこにはあった。

「今、君がいる。今、彼女がいる。今、どうなっている?」

 そしてその存在は、右手を軽く上げて、指をはじいた。

 瞬間、光の爆発が、体の全てを融かした。

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