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位相  作者: 尚文産商堂


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34/59

178°

 何もない空虚な空間。そういえばさっきから音も何も聞こえなくなっている。俺は死んだのか。そう錯覚するほどの静けさだ。

 何回も声をかけてみたものの、誰からも返事はない。単純に広すぎて誰とも会っていないからなのか。俺だけが異世界へと移ってしまったのか。予想だと後者だ。

 となれば、だ。ここで俺一人というのも納得がいくというものじゃないか。俺以外にここ世界にいないとなれば、当然、俺以外の誰かに会うことはない。俺しかいないからだ。考えれば、当然の道理だろう。

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