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位相  作者: 尚文産商堂
17/54

66°

 空から大粒の雨が降ってきていた。ようだ。というのも、朝目が覚めてみると、雨じゃなくて雹が降ってきていたからだ。だからこその、ようだ、という意味なのだが、問題なのは雹が降って来たという予報はなかったということだ。雨ならば確か昨日はなしがあったはずだ。そのバラバラと屋根に当たる音で起きたらしい。

 日付を確認すると、7月4日月曜日。今日は登校をするはずだったが、確か、創立記念日か何かで休みなっていた。そんなこんなで、時計を確認したところで、ただ天井を見上げてボーっとすることしかない。先週まではパソコンをしていたが、今は修理に出している。グラボがいかれてしまって、表示がおかしくなってしまったためだ。それもこれも、あのゲームが悪い、と考えた方が精神的に安定する。

「あーっ、こんにゃろ」

 言いながらも、ベッドから飛び上がる。腰のばねを利用して、びょんと撥ねると、ベッドのスプリングがへこんで、反動で浮く。その途端、下半身をひねってベッドのふちに座るようにして着地。最近できるようになった技だ。誰にも見せたことはないし、見せるつもりもないが。

「……ったく、どうしたものかなぁ」

 やることがないというのは、思った以上につまらない。今のご時世に珍しく、スマホを持っていない俺にとっては、パソコンが唯一の外界との恒常的な接続窓口となっていた。それすらなくなったとなれば、やることはない。勉強はしたくない、それが普通だろう。

 しかし、起きなければならないというのが、人間のつまらないところだ。少なくとも、俺はそう思う。永久に寝て過ごせれるのであれば、それはそれでいいのかもしれない。そう思うと何か、胸がキュッとする。なんでかはしらない。ただ、そうなっただけだ。

「起きないとな……」

 ともかく朝トイレに行きたくなる。生理現象だ仕方ない。ともかくベッドから離れて、トイレにいくことにしよう。それが最初にするべき行動だから。

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