40°
雨は激しく降り注いでいる。一歩外に出ること自体がためらわれるほどだ。目覚ましはまだ起きる時間じゃないことを示している。いつも起きる時間よりも2時間は早い。二度寝するかとベッドで布団を被っても、外の雨音があまりにも気になるうるささで寝付けようもない。時計を再び確認すると、7月4日月曜日、それもさっきから10分と経っていない状態だった。
結局、2時間ほど何もする気が起きず、ベッドで右へ左へとゴロゴロ転がっているぐらいだった。警報でも出れば良いのにと思いつつ、消し忘れた目覚まし時計がようやく起きる時間になったことを告げる。スヌーズが働くよりも先にかちりとボタンを押して、目覚ましを眠らせた。
「ふぁ〜」
あくびを一つ、そして思い切り両手両足を伸ばして、眠気をできるだけ吹き飛ばそうとする。限界があるのは分かっていたが、それでも学校へ行けるぐらいの元気はでた。ヨイショとベッドから降りると、今日も一人きりの家で、簡単に朝食を食べた。
食べながらテレビを見ていると、テーブル上に置いたスマホがメールが来たことを教えてくれる。確認すると、同級生からだ。久崎あんずといって、高校の入学の時に横並びになったのがきっかけに仲良くなった。なんだかんだといって世話を焼いてくれていて、何かあればすぐに連絡をくれる間柄だ。そして、今日は先生が学校に来れなかったため休みになったということを知らせてくれた。
「あー、この雨だもんな」
外を眺めると、さらに雨が激しさを増しているように思えた。ともなれば、今日はもう寝ることになるだろうか。さっき2時間ベッドでごろごろしても寝れなかったが、ともかく自由時間ができたことを喜ぶべきだろう。そう思って、自室へと戻ることにした。