ぼくの命、君にあげるね!
ぼくには、助けたい女の子がいるんだ。
その子の名前はね、【ミチルちゃん】
産まれた時から、心臓が悪くてずっと病院にいるんだって。
ぼくは、そんなミチルちゃんと同じ病院で出会ったんだ。
ぼくは、急にお家で倒れてしまったらしい。
急に貧血を起こしてね、倒れる前は鼻血が勝手に出たんだよ。
ぼくは、救急車に運ばれてこの病院に来たんだ。
病院の先生がね? “脳の検査が必要だから1週間は
病院に入院することになるけど、大丈夫かな?”とぼくに聞いたんだ。
ぼくは、迷わず病院の先生に“いいよ”と答えたんだよ。
先生もぼくのママも、元気に返事したぼくを見て笑ってくれた。
・・・ぼくは、この病院でミチルちゃんと出会ったんだ。
ミチルちゃんは、病院で仲良くなった女の子と嬉しそうに何か
話していたんだよ。
ぼくは、そんなミチルちゃんが何故だか凄く気になっていたんだ。
勇気を振り絞って、ぼくはミチルちゃんに話しかけたんだよ。
そしたらね? ミチルちゃんもぼくと仲良くしてくれたんだ。
『ねえねえ、君はどうしてココに入院してるの?』
『わたしはね、生まれつき心臓が弱いんだ~だからココにずっと
居るのよ! 貴方はどうしてココに来たの?』
『ぼくは、家でね急に倒れて! それでココに運ばれてきたんだ』
『・・・じゃあ、直ぐに退院するんだね!』
『来週の月曜日には、退院すると思うよ! 君は何時、退院するの?』
『・・・わたしは、ずっと先かな。』
『ふーん、そうなんだ! 早く君も退院できるといいね。』
『・・・ううん。』
ぼくは悪気もなく、彼女にそんな事を言ってしまった。
今日、初めて会った彼女の事をぼくはママに話すと、、、?
『ねえねえママ! 今日ね、ぼくと同じぐらいの女の子とこの病院で
話したんだよ。』
『あらあら? そうなの、どんな女の子だったの?』
『その女の子は、心臓が悪いんだって! 』
『・・・・・・』
『凄く、顔色も悪かったな~』
『・・・ねえ、櫂? もうその子とは話さないで!』
『えぇ!? どうして?』
『どうしてもよ! ママの言う事聞いてね!』
『・・・ううん、』
ぼくはその時、何故ママがあんな事を言ったのか
あの時のぼくには、まだ分からなかったんだ。
でも、その意味がぼくにも分かる時がくる。
朝5時頃、急に病院の中が慌ただしくなった。
看護婦さんや先生たちが、ある病室に駆け込んでいったんだよ。
ぼくは、こっそりと一人で見に行くと......。
あの女の子の周りに病院の先生や看護婦さんたちが必死にあの子を
助けているところだったんだ。
『おい! 心臓マッサージだ!』
『先生! 心臓が止まりました!』
『急げ急げ! 心臓の電気ショックだ! 直ぐに用意して!』
『ハイ!』
・・・あの子の心臓が止まってしまったみたいだ。
ぼくは、目の当たりにして、涙が勝手に流れてきた。
死なないでほしい! 生きていてほしい!
まだまだ、人生は長いはずだよ! いい事もいっぱいあるはずだ!
死なないで! 生きてって何度も何度も心でぼくは思った。
そしたらね? ぼくの願いは女の子に届いたみたい。
また、心臓が動き出したんだよ。
『先生! 心臓がまた動きはじめました。』
『よし! これで大丈夫だ!』
『お疲れ様でした。』
『・・・後は頼む。』
『はい!』
ぼくは、彼女の本当の病気の恐ろしさを知らなかったんだ。
あんなに、胸が締め付けられる思いは初めてだった。
・・・でも、ぼくはまた病院で倒れてしまった。
検査の結果! ぼくの脳に腫瘍ができているらしい。
しかも? 取り出す事は不可能だと医師がぼくとパパとママに伝える。
ぼくの命は、もって1ヶ月だと言われた。
だからね、ぼくは彼女に“ぼくの心臓をあげることにしたんだ”
ずっと彼女は、この病院でドナーを待っていたらしいけど。
なかなか、彼女に合った心臓が見つからなかったらしい。
だから、ぼくは【脳死】になったら? 彼女にぼくの心臓をあげる
約束をしたんだ。
ぼくの両親は、大反対だったけどね!
『櫂! 何を言ってるの? 貴方は絶対に死なないわ!
ママがそんな事させない!』
『・・・ママ、』
『パパも反対だ! ドナーだって、お前の心臓を女の子にあげるなんて!
その前に櫂! 今は生きる事だけを考えるんだ!』
『・・・分かっている、でもね、』
『櫂は、何も分かってないわ! ママとパパの言う事を聞いていたら
間違いないのよ!』
『そうだ! ママの言う通りだぞ!』
『・・・ううん。』
・・・ママとパパの気持ちはよく分かるよ。
ぼくは、一人っ子だし! やっとふたりの所に産まれてきた子供だ!
でも? お医者さんが言ったように、ぼくの命はもうそんなに長くない。
それなら、ぼくはぼくの心臓をあの女の子にあげたいんだ!
ぼくの分まで、生きてほしい!
あの時、僕が祈るようにあの子に思ったように。
今度は、ぼくがあの子の為に何かしてあげたいんだ。
*
・・・この1ヶ月後。
ぼくは亡くなってしまった。
でも、ぼくは生きているよ。
彼女の心臓になったんだ! ぼくも彼女と一緒に生きている!
【ドクンドクン】しっかりとぼくは、彼女の心臓を今日も動かしている。
パパママ、ぼくの腎臓の音を聞いて!
ねえ! ぼく、ちゃんと生きてるでしょ!
最後までお読みいただきありがとうございます。




