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【2巻も準備中!】転生皇女はセカンドライフを画策する  作者:


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72 リボンと守り


「国王様、正妃様!ありがとうございます!大切にします!」



メーアブルグへの遠出のお土産を食後に渡したら、メイドさん達に声を揃えてお礼を言われた。


侍女にご下賜品やお土産はあっても、メイドにお土産なんて聞いたことがなかった3人はアデライーデに「皆にお土産があるの」と言われた時は耳を疑った。揃いのクリーム色のリボンを見た時はお互いに頬をつねりあったほどだ。



とても喜んで3人はどうやってつけようかと盛り上がっていた。



店主さんの言うように揃いにして良かったようだ。多少強引な印象だったけど見立ては間違いないようで揃いのメイド服には揃いのリボンが似合っていてかわいい。マリアもハンカチを嬉しそうに受けとってくれた。




気になるのはアルヘルム様で…

城に戻ってきた時には大分普通の笑顔に戻ったが、食後は「今日は遠出したからお疲れでしょう?私も部屋に戻ります」と紅茶を飲むとそそくさと、おやすみの挨拶をして帰って行った。



--お父上って言われたのが余程ショックだったのね。見た目は14のティーンエイジャーとアラサー男子(?)…確かに現代なら職質ものよね。

でも貴族の世界では年の差婚って普通じゃないのかしら。基本的に貴族の結婚は政略結婚みたいだけど…。


アルヘルム様はアデライーデを気遣って仲良くしようとしてくれているのよね。その仲良くって速度が急過ぎだけど…。





マリアに、今日は初めての乗馬での遠出でしたから早めにお休みをと言われベッドに入って今日の事を思い出していた。


二人で乗馬で遠乗りやあの青の花畑での出来事も思い出すだけで顔が熱くなる。恋愛偏差値が常に低空飛行だった陽子さんにとって、アルヘルムの言葉や行動は海外ドラマや映画の中でしか見たことがないことばかりだ。



それなりに恋愛してきたが、相手も典型的な日本人なので人前でのキスや抱擁なんて一切経験がない。それだけで心臓がバクバクする。



今日も広場でなん組もの恋人同士が仲良く寄り添って自然にキスをしていたのを見て、驚いていたのは自分だけだった。ありふれた光景なのかみな普通にしていて微笑ましく見たりもしてなかった。



--親子もよくキスしていたから、ここではキスや抱擁は挨拶なのよ。そう!あれは普通普通…。挨拶挨拶。気にしない気にしない…。



念仏を唱えるようにぶつぶつ言いながら、陽子さんは眠りについていった。




穏やかなほんのりとうすーい甘さの経験値しか持ってない陽子さんにとって、自分に向けられるアルヘルムの高濃度の甘さは衝撃的だった。



高濃度の甘さにパニックを起こさないように、あれはここでは普通と自分に言い聞かせないと慣れない出来事に大失態をやらかしかねない。上手くあしらうなんて高等技術は持ち合わせてないし、平常心よと陽子さんは自分を落ち着かせていた。



恋愛偏差値が低い陽子さんの守りは鉄壁だ。

少し短いお話になりました。

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― 新着の感想 ―
[一言] まぁ、アデライーデが離宮に行っちゃったらそうそうデートすることも無いでしょうから、いい思い出だと思えば……思えば……。 ……うん。
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