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【2巻も準備中!】転生皇女はセカンドライフを画策する  作者:


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348/429

348 ウォードの箱と蝶

【祝 書籍化決定】


‐‐確か大航海時代、ガラスの箱に入れて新大陸の植物をヨーロッパにもって来てたって、テレビの特集で聞いた覚えがあるのよね。

なんだっけ…。テラリウムのご先祖で、何とかの箱って言ってたわね。



陽子さんがテレビで見たのは、『ウォードの箱』である。

18世紀初頭くらいからちらほら出てきたヨーロッパのプラントハンター達は、いかに新大陸の植物をそのまま持ち帰るかに苦労していた。長い航海の間に乾燥や塩分に弱い植物はそのほとんどが枯れてしまう。


種で持ち帰るのは簡単だが、本国に持ち帰っても必ず生えるとは限らない。それに花が咲いている状態をパトロン達に見せる方がインパクトは大きい。


ちなみに日本から欧州に持ち帰られたのは多岐にわたるが、有名なのはシーボルトが持ち帰った愛妻お滝さんの名がつけられた紫陽花オタクサと椿。

特に「冬の薔薇」とロマンチックな名で紹介された日本の椿は花木の貴族と讃えられ、当時のヨーロッパで一大椿ブームを起している。


そう、ココ・シャネルのカメリアコレクションは日本の椿に由来する。


‐‐他の大陸から植物を持ってくるのに使えるかもってのは、まだ言わないほうがいいかな。話しちゃうと『じゃあ、それも』ってなるわよね。今回ガラスペンや蝋燭カバーとか作ってもらってて、テラリウムとかもでしょ。職人さん達の負担大きいわよね。


蝋燭カバーを見て、わいわいやっているフィリップ達と違い、ニンマリと黒い笑顔で蝋燭カバーを見つめるタクシスの顔をちらりと見ながら、陽子さんは考えていた。



「ん? なにか? 他にもございますか」

目が合ってしまったタクシスが、にこやかにアデライーデに声をかけたが、アデライーデは慌てて「いいえ、もう何も…」と答えて、ティーカップを手に取った。


‐‐危ない危ない。いま目が合うと、喋らせられそうだわ。



その後は、和やかに話が進みお見送りの時間となった。いつもなら離宮で晩餐をと誘うのだが、本日はフィリップの初めての他家正式訪問の練習も兼ねているので、晩餐の時間前にお開きとなった。


何事も詰め込みは良くない。


「フィリップ様、『お別れの挨拶』を」

ホールでレナードに促されたフィリップは、頭の中で何度も練習した挨拶を口にした。



「本日は楽しい時間をありがとうございました。夢のような時間で、あっという間に過ぎてしまったのが名残惜しいです。また夢の続きを見にお伺いしてもよろしいでしょうか」

日本人にとっては、後朝きぬぎぬの別れの挨拶のようなちょっと艶っぽい挨拶だが、これがここでは定番らしい。


「私も楽しい時間でしたわ。どうぞ、花の枯れないうちのお越しをお待ちしております」

と、アデライーデも教わった定番の返事を返す。


アルヘルムにもテレサ達にも別れの挨拶をし、フィリップには、ビーズのソリテールと塔の形を模した蝋燭カバーを。メラニアにもソリテールと塔の形をした蝋燭カバーを土産に持たせて、アデライーデは一行を見送った。



「はぁ〜、楽しかったわ」

居間のソファのクッションに、寝転ぶように体を預けると、テーブルにソリテールや蝋燭カバーを並べていたマリアから「お行儀がお出かけしてますよ」とお小言をもらった。


「ちょっとだけよ」

そう言ってお小言を流すアデライーデに、やれやれという顔をしたマリアがお茶を入れて戻ってくるのと一緒にレナードが銀のお盆をもった侍従を従えて居間に入ってきた。

もちろん「お行儀」もレナードの姿をみて、すぐに帰ってきた。


「アルヘルム様からでございます」

「なにかしら」


お盆の上には小箱があり、蓋をあけるとそこには工房見学をした時に作ったエマーユ(エナメル七宝)の蝶のブローチがあった。


「まぁ…工房見学の時に作ったブローチね」

「はい、本日お手渡しする機会が無かったからとの事でございました」


蝶の体には細長いブルートパーズが嵌められ、蝶の羽根は淡い青から濃い蒼のグラデーションが美しい。

左の羽根の下の濃い蒼が少しはみ出しているのはご愛嬌だ。


「綺麗でございますね。この大きさなら普段使いにもよろしゅうございますわね」

マリアもブローチを褒めてくれた。


‐‐エマーユを初めて作った記念のブローチね。

アデライーデは、キラキラと輝く蝶のブローチをしばらく眺めながら今日の出来事を思い返していた。


【一迅社様から書籍化決定しました!】


これもひとえに、ここまでアデライーデを支えてくださった読者様

そして、誤字訂正をしてくださった皆様のおかげと思っています!


みなさまに、ありったけの感謝を込めて!

ありがとうございます(>᎑<`๑)♡


そしてイラストは、あの有名な【アオイ冬子】様です。

先日大ラフを見せていただいたのですが

女性陣、みんなカワ(・∀・)イイ!!


文字だけだったアデライーデ達に、顔と体が与えられたということに、作者的にとても感動しました!


発売日は、本作の中でも出てきたネモフィラの花の盛りの頃の予定です!

(すごい偶然)

正式日程が決まりましたらリンクとともにお知らせしますね(〃∇〃)



以下、某日の出来事-------


家事が終わってのメールチェック中


最近また詐欺メール多くなったわねぇ。春だからかしら。。。

こんなサイトに登録してないわよ。


バサバサとゴミ箱に突っ込む作者。


-ん? 

件名 企業様からのご連絡

送信者 株式会社ヒナプロジェクト


-ヒナプロジェクト? はて、どっかで聞いたような。。


……

………


( ゜д゜)ハッ!


パタンっ(パソコン閉じる)


-いやー(ヾノ・∀・`)ナイナイ

最近の詐欺メールはバリエーション豊かだからねぇ。

詐欺師も色々社名を勉強しているのよね。うん。



-コーヒーでも淹れよう。。

o口(・ω・`)ゴクゴク.


-でも、小説家になろう様のサイトのメールボックス、見てみてもいいわよね

|•ω•,,)チラッ 【スマホ】


コーヒーを飲み終わってスマホを手に取る。

そして、なぜかフローリングに正座。



すぐになろう様のサイトを見れず

yahooのニュースサイトを2.3件見て心を落ち着かせる。


(º ロ º๑)ホヘッ!?(変な声出る)



-ホントのメールだっ

痛たたたたっ


立ち上がろうとするが、足がしびれて動けない作者を

冷めた目で見守るうちの猫たち。。(ΦωΦ)(ΦωΦ)


-------------------------


そんなこんなを経て、一迅社様からの書籍化と相成りました。


どうぞ、これからもよろしくお願いします

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― 新着の感想 ―
書籍化おめでとうございます。 発売が楽しみで待ちきれません。絵になったキャラクター達、お部屋の様子見たいシーンが多過ぎて妄想が止まりません。 そろばん弾いてる宰相様、あまり欲を出すと書類の山がエベレ…
>「ん? なにか? 他にもございますか」 目敏いな、悪徳商人(笑) 多分誤魔化せてはないですよ、陽子さん(・・;) そういえば、椿の英語名のカメリアはどこかの修道士の名前から来ていると聞いたことが……
書籍化決定、おめでとうございます! 陽子さんの活躍が、あらためて挿絵入りで読み返せるのは大変嬉しいです。発刊されましたら直ぐに購読させていただきます。 アオイ冬子先生の絵を、コミックシーモアで検索して…
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