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あやかし専門うらのつかさ  作者: 日向こなつ
6/8

6話

小鬼が消えた後、叔父は来ていた捕縛部隊に現場を片付けるよう指示を出していた。


「朝霧様、殺生石はどう致しましょうか?」


捕縛部隊の1人が叔父に声をかける。


「とりあえずこの殺生石をここに置いとくわけにはいかない。安全な場所に私が移しておくよ。」


そう言って懐から出した風呂敷に包みしまう。


「叔父さん…。」

どうして此処に来たのか、何でそんな格好をしているのか色々聞きたいことはあるが言葉が出てこない。


「蒼、どうして此処にいるんだい?しかも妖なんかと一緒にいて、あれだけ関わるなと言っただろう?」


「それは……あまりにもしつこかったから……。」

叔父が優しく声をかけてくれるが答えれない。

叔父に厳しく言われ、関わりを持たなかったが全くではない。妖に気づかれないように助けた事は何回かある。それを叔父には言えなかった。


「本当にそれだけかい?まぁ、いいだろう。ともかくここで話すよりも、場所を移したほうがいいだろうね。付いておいで。」

確かにこの場で話すことはないだろうと思い叔父について行く。


叔父は部屋から出て行き、社務所の方へ向かう。

扉の前に立ち、懐から鍵を取り出し差し込み開ける。

社務所の室内で話すのかと思っていたが、目の前に広がった光景は玄関ではなく赤い鳥居が建っており、その奥に大きな門が見えた。


「驚いただろう?この鍵は陰陽寮の施設へと繋がっているんだ。」

石畳の道を通りながら叔父は説明する。

石畳の周りには彼岸花が咲き誇っており、この世の果てに来た気持ちになった。


「陰陽寮ってあの安倍晴明が勤めてた?」


「そうだよ。歴史上では明治2年に廃止されたとなっているけど、秘密裏に活動しているんだ。この世から妖はいなくなったわけじゃないからね、不思議な現象とかまだ起きてるでしょ?それに今の世は妖は生きにくい、それを管轄するために陰陽寮は存在してるんだよ。」


「妖を祓ったりするってこと?」


「いいや、その逆だよ。妖を人間の身から守るんだよ。視える人間はいなくなったわけではないからね、化学が発達して捕まえて解剖しようと企んでいる人もいる。その為にも妖と共存しようと活動してるわけだよ。さぁ、此処が妖専門の陰陽寮だよ。」

門を潜るとそこには、色々な人と妖が行き来していた。

人でも日本人だけでなく、外国の人もいる。着ている服も様々だ。

妖もいろんな妖がいた。


「驚いただろう?此処は十二神将が守っている清明神社の地下にある本部なんだ。色んな国から人と妖が来ているんだよ。そうそう、部外者は通行証がいるから受付で貰わないといけないんだった。」

叔父は受付の所に連れて行き、巫女服を着た女性から長方形の板の通行証を受け取る。


「しっかりと首から下げといてね。もし無くしちゃたら、警備員の鬼が侵入者とみなして喰らいに来ちゃうからね。」


「え……?笑顔で怖い事言うなよ。」

今すぐに引き返したい気分になる。


「半分は冗談だよー。さぁ、私の執務室まで行こうか。」

叔父は笑顔で僕を中央にあるガラス張りのエレベーターまで誘導していく。

叔父は地下9階のボタンを押した。地下10階までボタンがあった。


「陰陽寮はね、部門が3つに分かれてるんだ。

開発部門、隠密部門、陰陽師部門、そして全部を纏めて監督する陰陽頭、この私、朝霧なのだよ。」


「陰陽寮が存在してて、叔父さんがそのトップなんだね……。」

叔父が得意げの顔して話してくるが不安でしかない。陰陽寮が存在していた事までは受け入れれるけど、あの叔父が組織をまとめる人間だなんて……。


「そうだよ!私は偉い職についてるんだよ!

それと此処ではなるべく本名を控えた方がいいから、いつも通り叔父か、朝霧と呼んでね。」


「叔父さんは出勤時間が不規則だし、休みもまばらだからアルバイトで生活を繋いでいるんじゃないかと思ってたよ。」


「……。そんな気がしてた。仕事行く度に目線がイタカッタ。」


チンっと音がしエレベーターの動きが止まった。

降りた場所は一本道であった。足元は赤い絨毯がひいてあり、両壁には日本絵が飾られてあった。

奥に大きな扉があり、陰陽寮頭執務室と札がかけてあった。


「さぁ、此処が私の陰陽頭、朝霧の執務室だよ。」

扉の先には雑多になった光景が広がっていた。

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