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 どうやらこれで一連の事件は収束すると言う。


「どうしてあんな綺麗な人が道を踏み外しちゃったんだろう。

 だって、料理人の人が恋人だったら、別に皇太子殿下と婚約断ればいいのに」


「権力さ。

 帝国の皇后ともなれば優雅に思った通りに暮らせると思っていたのだろう。

 それにあの姫様の身分で料理人との色恋はきっと一族の中ではスキャンダル以外何者でもない。

 だが、覚えた快楽と享楽の味は止めることができなかった。

 彼女の中ではただの火遊びだったんだろう。

 美しいからと言って、中身も同じかと言えば人間そうはいかない。

 おそらく色欲と権力に執着した結果さ。

 凄いぞ。あたしが招かれた日の茶菓子の毒の量は、おそらく皇太子や公爵の体格の男なら死なずにずっと意識不明のままの量で計算されていた。

 それは、ずっと今の皇帝の一人息子のオスカーの看病をして一族に取り入るため、という計算だったわけだ」

 

アルマはクロエにそう語った。


「ひどい。

 でも、オスカーはどうしてあんなに冷静だったの?

 好きじゃなかったってこと?」


「彼女をめぐってラキュリス王子やウィンバーの貴族達と張り合っていたっていうのは本当らしいが、結婚までは考えていなかったようでな。

 まだ身を固めたくなかったというのが本音か。

 あと、ちょっと変わった方だから結婚は難しいと言う噂もあるが。

 まあ、それよりも、学院で再び教鞭となると、体がもつかねえ」


 これ以上は詮索無用と話を打ち切ったアルマにクロエは何も言わなかったし、知ろうとも思わなかった。

 


読んでいただいてありがとうございます。次回で最終話です。

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