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日本は異世界で生き抜く  作者: 亜細亜
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次はいよいよ異世界初の国家との接触を書きます。

八丈島周辺


 一隻のフリゲートが航行していた。転移と星の大きさの影響によって、ゴミになった軍事情報の再収集を命じられた一隻が、かげろうであった。現在、外洋に派遣された艦以外の動ける全ての艦艇と同じ様に、観測機器を積めるだけ積んで情報収集の任務を遂行している。


「調子はどうだ」


「問題ありません。各艦、順調に航行しています」


 様々な機器が所狭しと並んでいる臨時の無人艦統制室で、上官が複数のモニターを見ている部下に声を掛ける。その理由は空から見ると分かり易いのだが、かげぬいを中心に広大な範囲に観測機器を搭載した無人艦が多数展開されている。かげぬいの能力を一時的に拡張しただけでなく、既に幾度となく各種無人機による観測・調査はされていたが、何らかの不足の事態による破損の確率が高い為、些か神経質になっている。


「交代の時間です。何か問題はありましたか」


「いえ、問題はありません。そろそろ派遣艦隊が通る事ぐらいです」


 その後、二、三言葉を交わし交代する。モニターから解放された隊員達は遅れた昼食を取りに食堂に向かう。ある程度あった緊張感から解放された事により、あちこちで会話がされる。


「どっちの派遣された連中、結局何も見つけられなかったらしいぞ。何をしに空母まで引っ張ったんだが」


「今回はお試しだろ?外の海でも無事に航行出来るを試すのと、自分達と同じ様に調査や観測してるんだから」


「今日は何月の何日で何曜日でしたっけ?」


「急だな、確か6月10日木曜だけど何でだ」


「いや、季節が1ヶ月ぐらいズレたのにまだなれてなくて」


「まだ、一月のズレで済んで良かったじゃないか。これで真夏か、真冬だったら目も当てられない。今の所、前とそう変わらない位置と言われているしな」


「地球よりデカいのは確かなのに、1日の時間が変わらないのは不思議だな。助かるけど」


「不思議と言えば、転移?した時の事はっきり覚えているか?俺は気付いたらこの状況で何も覚えて無いんだよな」


「今頃は、派遣の連中はホッとしてるか、苛々しているんだろうな。何せ、民間船と同じ位の低速かもっと遅い速度しか出させてもらえなかったらしいからな」


「今回は予行で、次が本番みたいらしいわ。未知の海を一番に走れて羨ましいけど、怖いわね」


「設備が整ったから、ビッグバードの戦略偵察機が外のに参加するらしい」


「衛星は後数年は打ち上げが出来ないらしくて、暫くは飛行船からの支援だとさ」


「観測の為とは言え、海保や民間船の大量投入よくできたな」


「安全の保障が出来なきゃ海運業界は、保険料の爆上げで潰れるからな」


 そんな話があちこちの船の中でされていた。


日本列島上空


「各飛行船及び中継機に飛行修正プログラムの送信を完了しました。にしても、かなり広くなりましたね。空中空母が必要になるのでは」


 E-767は本来の任務とは別に、収集した情報から無人機に最適化された飛行プログラムを随時送信する任務も請け負っている。現状、飛行可能な航空機を全て使用している為、同じ様な管制機能を持つ機は重宝されている。


 しっかりとローテーションを組まれているとは言え、下手な戦時下よりもキツい為、乗員の疲労が見て取れる。戦闘空域での疲労とは違う緊張状態で苦労したが、人間とは慣れるもので、軽口叩ける程の力の抜き方を獲得していた。


「ロマンでしかないな。例え造ったとしても、予算や設備、人員、墜落、防御、その他諸々の問題、第一何と戦うんだよ。それなら、もっと安価で高性能なAWACSを大量に配備した方が良い」


「けど、それも同じくらい出来ない事では。間をとって、レーダーサイトと空中給油の機能を持つ飛行船なんてどうですか?まだ、現実的では」


「そう言うのは、上が考える事だ。また変に迷走したバカ高い兵器が造らない事を祈ろう」


「異世界と言えば、ドラゴンとか空飛ぶ城とかでは。ファンタジーな奴はいて欲しいですね」


「バカ、いざと言う時にそれと戦うのは俺達だぞ。簡単に倒せるならまだしも、そうじゃなきゃ地獄だ。そもそも魔力とかの不思議パワーは確認されていないんだろ。なら、地球と同じ可能性の方が高い」


「夢を見たって良いじゃないですか。誰の迷惑にもなって無いんですから」


「嘘からでた真になったら困る。ただ、全く知らない技術体系とぶつかる可能性は高いがな」


 雑談に気を取られ、管制業務が疎かになったことを同僚に注意された。業務を行いながら、次の休暇はいつになるのかと隊員達は思いを馳せる。


在日米軍基地


『この基地の備品チェックリスト作成及び封印作業、完了しました』


「分かった。後は警備隊が引き継ぐ予定だから、ゆっくりと休んでくれ」


 返答を聞き、通信が切れた事を確認したらパイプ椅子の背もたれに寄りかかった。転移してから一月と数日が経って、漸く終わった作業に人心地着いたからだ。


 事の始まりは転移とされる現象の直後だった。


 国外からの交信が切れた緊急事態に、すぐさま国内に存在する外国駐留軍の在日米軍に連絡をした。しかし、何度連絡をしても一向に応答する事がなく、不審に思い近くの駐屯地から人を出して確認をさせた。すると、驚く事に基地内には人っ子一人居ない状態であった。火器・弾薬が無防備になっているメアリー・セレスト号状態の報告に、状況把握に一杯な司令部は泣きそうになった。それでも何かの間違いがあっても困る為、割きたくもない人員を基地警備に回さざる得なかった。


 周囲の状況がある程度把握がされると、いよいよ米軍基地の調査に乗り出した。この時未知の島も調査もされていたが、特殊部隊が専門的に行っている為、普通の部隊は手持ち無沙汰であり可能であったからだ。ただ基地内を見て回るだけでなく、備品のチェックや武器・弾薬の一時的な封印をする為、ある程度専門的知識を必要とされるためそれなりの時間が掛かった。


「次は使える物資の選定と運び出し、全部終われば此方の機材を持ち込む。いつになったら終わるのやら」


 一部のお行儀がよろしい頭でっかち集団からは窃盗だとされるが、世間様は暇人めと勝手に圧をかけるので特に問題ないとされている。そもそも訴える人がいないのだからと言う話に落ち着く。

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