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日本は異世界で生き抜く  作者: 亜細亜
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JAXA


 普段ならば、同僚と会話してシフトが来たら、帰れる筈が


「全ての衛星との反応が消失がしたままです!」


「太陽風の周期はまだきていない!地上でも電磁パルスを観測していないのだから、壊れた訳では無いはずだ。他の方法も試せ!」


「各地の天文台から星図がおかしいと報告が!それと、大気の揺らぎが普通では無いため、十分な観測が出来ないと!」


「今は、少しでも情報が欲しい。そのままで良いから、続けるようにと!」


「駄目です!完全に衛星との接触が出来ないです!」


「軍に連絡を!」


 例え戦争が有っても此処まで忙しく成らない筈だが、事態があまりにも異常な為、大荒れしている。

 何も自分の担当時間で起きなくても、良いだろうと云う想いも込めて。


「何なんだ一体!何が起こっているんだ!」


消防指令センター


 戦場と化していた。室内ではひっきりなしに届く要請と、救急車だけだけでは手が足りない為に、駆り出された消防車に出される命令が飛び交っている。


 これがまだ、災害の直後であった直後ならば納得出来たが、そんな事は起こっていなかった。その上、恐ろしい事に要請の殆どが、搬送先の病院で死亡が確認されている。


「センター長!他からの応援は無いんですか。このままだと、遠からずパンクしてしまいます!」


「残念だがそれは無理だ。」


「何故ですか!このままだと、要請数との差が広がる一方で!」


「各地でも此処と同じような状態だからだ。警察にも協力を求めるが、多分、ここと同じ用になっていると思うが」


 職員の悲鳴を聞きながら、警察に協力を求める為、受話器を取る。


警察 通信指令センター


 ひっきりなしの通報に、職員が声無き悲鳴を上げていた。通報の数もだが、現場の警官とのやり取りでもだ。


 一つの現場が終わる前に続々と入る要請にキレられ、通報者も時間が掛かり過ぎるとクレームが入り、ならどうしろとこっちだっていっぱい何だよと、どうしようも無い思いを持ちながら対応する。


 センター長は、悪寒を感じていた。理由は、通報の内容の殆どが突然死で占められているからだ。例え非常時でも、有り得ない数である為だからだ。


 既に一部の回線では、パンクしている状態になっており、消防も同じ状況のようで、協力を要請する電話を受けている。


「GPSが使えない?警察ではなく、携帯会社にしてください!」


 またか。そう思いそっと溜め息をついた。突然死の他に来る通報の中に混じるのが、お悩み相談なのだ。しかし、GPSの恩恵を受けらんない為、現場の到着時間が長引いていると、地味に響いている。


「宿泊客の外国人観光客が居なくなった。荷物もですか。室内は触らずにしてください。」


 突然死の次に多いのは、外国人の行方不明についての通報。宿泊施設からの連絡が多いが、基本的に後回しになっている。


「軍に出動を要請するかもしれないな」


金融市場


「駄目だ!ロンドン市場に繋がらない!」


「こっちもだ。ニューヨーク市場と繋がらない!」


「何だ?サイバー攻撃でも有り得ないぞ」


「取引所は閉鎖を。システム障害と告知しておいて」


 あまりにもおかしい。言葉にせずとも全員が共通する思いだった。 株の動きは何時も変わらず、どこかで市場に影響を与える程のテロが起きたことも無く、新たな戦争も紛争も確認されていない。


「何が起きたんだ?厄介事は勘弁だぞ」


国防軍


 突然、普通では無い報告が上がってきた。隣国との仲は悪いが、武力行使するほどでは無く、例え先制攻撃を受けても此処までの酷い混乱は無かった。


「国外からの電波が拾えません」


「在日米軍からの連絡が途絶しました!」


「呼び掛けを止めるな!それと、近くの駐屯地から人を出して確認をさせろ」


「全ての衛星からの反応が途絶えました!」


「JAXAと協力して何としても見つけるんだ!攻撃された訳じゃないんだろ。なら、一つ位は見つけられる筈だ」


「硫黄島や沖縄の部隊との連絡がつきません!」


「どうなっているんだ」


 もし、先制攻撃なら致命的な段階の報告を受けて、現実逃避になりかけながらも上層部に連絡をする為、受話器を取った。

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