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遅くなりました。ネタがないのでかくのがたいへん。
読んでみて、こんな展開が欲しいとあれば、ぜひ下さい。
反映するかは、話がおかしく無いレベルであればしていきたいです。
かが ミーティング室
初の異世界人との接触から、現場の外交官や軍人が改めて判明した事実を纏めたものを、外交官の萩原が総理や幕僚達にモニター越しで伝える。報告を聞いた各人は、嬉しいようで厄介そうな表情を浮かべており、モニター越しのはずなのに、謎の威圧感というべきものが感じれた。複雑な表情を浮かべていた土御門総理が、口を開いた。
「そうか、報告ご苦労。言語の問題が無いことは嬉しいことだ。接触した隊員たちも、今のところ問題が無いようならばこのまま続行してくれ」
「分かりました。接触方法は、先程の提案通りで宜しいですか」
「ああ、構わない。基本は平和主義でいってもらいたいが、相手が覇権主義だったなら、それ相応の対応してくれて構わない」
「分かりました。吉報をお待ちください」
いくつかのやり取りを交わした後、通信が切れる。室内から退出する事無く、最後の打ち合わせをする萩原は、今までに無い程の興奮と不安が渦巻いていた。自分達は日本の歴史に必ず残り、今後の国家方針にも影響を残すからだ。残り少ない時間で、良い成果をだすための交渉方法を同僚と最後まで、考えあった。
ロドロ王国 ヤウキャルス
ロドロ王国最大の港があり、諸外国との貿易や海軍基地を擁していることから、王都の次に栄えている。至る所で市場が開かれており、様々な品物が溢れ人々が生活していた。人々は何時もと同じ日常が続くと思っていた。
ソレが来るまでは。初めに気がついたのは、入港していた貿易船の見張り番であった。
「なんだ?この変な音は、船の音じゃないな。上からするけど、なんだ?」
その者の疑問に答えるように、海から轟音を起こしながら剣のような形をした大きなものが、今まで見た事も無い速さで街の上空を飛ぶ。その光景に唖然としていたが、街からここまで聞こえてくる怒号や混乱した声で我に返る。しかし、あまりに非常識な上ソレは飛んでいる事から、どうしようもなくただ見ている事しか出来なかった。
暫くして軍が出動して混乱を鎮めたが、その頃には既に飛び去った後であり、王都の上空も飛んだようで航空隊が追い払ったと言われているが、実際に目にした人々は信じていなかった。一体どんなものなのかと人々が噂していると、すぐにその正体が分かった。
ロドロ王国 王城
「『ニホン』?そんな国、外海にあったか」
「そんな事は今は関係ない!重要なのは、我々は『空飛ぶ剣』に手出しができないことだ!」
「東側がきな臭いそうだ。こいつらはその原因ではないか?」
「絶対に敵対すべきでは無い!魔法か科学は知らないが、アレを実現する技術を持っている所と戦っても負けるだけだ!」
「ならば、連中が国をよこせと言ってきたら素直にわたすと言うのか!」
「それを何とかするのは、外交の仕事とだろう!」
『空飛ぶ剣』の騒ぎに対する会議がすぐさま行われた。ただ、遅々と有効策が出てこず、煮詰まっていた会議に『ニホン』と名乗る国家から外交の申し入れと『空飛ぶ剣』に関する説明が入ってきた。
『空飛ぶ剣』は偵察行動の一環で、敵対行動でないとした説明がされた。しかし慣習法では、他国の空を通告も無く飛ぶ事は敵対行動とされるもの。それを信じるか信じ無いで意見は別れ、信じたとしてもそこから軍事的圧力とするしないと意見が別れた。
罵声も飛び交うようになったところで、一段高い場にいた50代の人物、ロドロ王国国王ロドロ・オイゲンが手を挙げた。すると、先程の騒がしさが嘘のように静まり返った。そして、伝令を伝えにきてた者の方を向くと。
「その『ニホン』の者は、今どうしている」
「現在、上陸して来た者はヤウキャルスの庁舎に囲っております。乗ってきた船は沖合いに停泊しているとのこと」
「その船についてどんなであったか、此処で述べてみよ」
「それでは、『ニホン』の船は全てで15隻。大きさは最低でも150メイル、もっとも大きいものでは270メイルあるそうです」
「ふざけるな!ここは、冗談を言う場では無いのだぞ!」
「黙れ。報告はまだ続いている」
あまりの現実離れした報告に、閣僚の1人が憤慨したのだが、宰相のカングー・ヤルに威圧されると小さくなった。
「続けよ」
「はっ。15隻のうち9隻には大砲が備え付けて有りました。しかし、どれも一門だけと。また、『空飛ぶ剣』をいくつも載せてる船も有りました」
その後も幾つもの報告を聞いた。意見を求められた同席していた海軍の者は、やれというのであればやるが、かなり難しいと答えた。結果として、未知の国『ニホン』と外交をする事を決めた。
ヤウキャルス庁舎
「うーん、暇だ」
「しょうがない。アポなしなんだから」
案内された当初は、緊張感から固かったがなんの音沙汰が無く、身内だけで固まっていたら余裕が出てきた。
「でも、やっぱり現実なんだよな」
「どうしたんだ。そんな事言って」
「いや、動物の耳と尻尾を女性だけでなく、オッサンもついているのを見たら衝撃を受けてな」
「ああ、確かにあれは衝撃的だったな」
庁舎内で案内されといる際に、職員とみられるハゲたオッサンを見たのだ。その時に外交官達が受けた衝撃はかなり大きかったのだ。
コンコンと扉をノックされた為、空気がひき締まった。
「どうぞ」
入室してきたのは一段と身なりが整った職員だった。
「あなた方の要請を王が受け入れました。なので、3日後に会談をこの場で行います」
この事は、すぐさま旗艦を中継して本国に伝えられた。これにより、異世界国との外交が本格化する事になるが、公務員のデスマーチの始まりでもあった。