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クジ引きで勇者に選ばれた村娘。後に女神となる。  作者: ふるか162号
一章 勇者編

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17話 返り討ち

一章の大詰め開始です。


「へへへ……見つけたぜぇ……」


 リュウトは、口角を釣り上げ、嫌な顔をさらに歪ませながら近付いてくる。

 僕はゆーちゃんだけを僕の後ろに隠れさせる。

 リュウトの頬が若干腫れている。あのお爺さんに殴られたのか?

 今、こいつがここにいるということは、お爺さんから解放されたのだろうし、見つけたと言っていることから、僕達に用事でもあるのだろう。碌な用事じゃないだろうけど……。


「僕達に何か用?」


 正直な話、こんなクズとかかわりたくもないけど、無視するとまた大声で怒鳴り散らしそうだから嫌々相手をする。

 用事があるのなら、さっさと要件を言って欲しいものだ。


「おい。その金髪を一晩よこしな。それで今回の件はチャラにしてやる」


 今回の件? 

 こいつは何を言っているのだろうか?


「今回の件って何? なんで僕達があんたに迷惑をかけたみたいになっているの? あんたが勝手に騒いで、勝手にギルドの偉い人かどうかは知らないけど、怒られただけでしょ? ただの自業自得だよ。それに殴られたおかげで少しだけ見れる顔になったね」

「黙れ……俺は勇者だ」


 また勇者(それ)か……。

 勇者と言っても、ただ運が良いのか悪いのかは知らないけど、たまたまクジ引きっていう方法で選ばれただけの勇者なのに、なぜ自分を特別と思うかなぁ……。

 しかも、それを作っているのは国だよ? 女神様が作ったわけじゃないのに……。

 そもそも、勇者というのは称号でも職業でもなく、何を成したかだと思うのだけど……。

 でも、一応僕も勇者という職業だからね。言い返しておくかな。


「そうだね、あんたは勇者だよ。でも、僕も勇者だね。しかもあんたのランクはミスリルでしょ? 僕達はオリハルコンだから格も上。だからあんたに屈する必要もない」


 女神のランクなんて、僕からすれば何の意味も持たないけど、それを盾に文句を言ってくるのなら、僕もランクを使って言い返すだけだ。

 僕がそう答えると、リュウトの肩が小刻みに震えだす。怒っているのだろうな。今までは、言い返す奴もいなかったのだろうが、僕は言い返す。

 本音を言えば、僕はこいつの人間性が大嫌いだ。


 受けたくなかったとはいえ、僕はじいちゃんから勇者教育(強制)を受けていた。

 勇者は傲慢になってはいけない。勇者は見返りもなく救う者だ。これがじいちゃんの言っていた勇者像だ。

 まぁ、僕も報酬なしでは人を救う気にもならないから、じいちゃんから言わせれば勇者じゃないんだけど、一応、勇者を名乗っている以上、リュウトのような下衆と同じ勇者と思われたくはない。

 リュウトからすれば、今までは強く言えば、相手は立場上文句も言えないし、強さで押さえつければ、弱い物は逆らうことは出来なかったのだろう。

 今回も、いつものようにいくと思ったのだろう。そう思っているからこそ、一応格上の僕達をも好きにできると思ってここに来たんだろうな。

 でも残念。

 力や権力で何かを押さえる者は、いつか手痛い仕返しを喰らうと僕は思っている。こいつにとってのそれが今だ。


 だけど、当の本人のリュウトはそれに気づいていない。


「ガタガタ抜かすな!! てめえ等愚民は、勇者である俺の言う事を聞いておけばいいんだよ!!」


 自分の都合通りいかないと癇癪を起す……まるで子供だな。

 この声で、町の人達もこの騒ぎに気付いたらしく野次馬が集まってくる。


 はぁ……。傍から見れば、勇者同士のいざこざだ。また勇者の評判が悪くなってしまう。

 僕は新人なので、まだ顔がそこまで知られていないが、リュウトは町でも有名人だ。有名と言っても悪いほうのだが……。


 そういえば、身柄を要求されたよいやみはどうなんだろうか? もし、受け入れるというのなら止めるつもりはないが……って、よいやみの顔が物凄く不機嫌になっている。

 よくよく考えなくても、受け入れるわけないよね。


「よいやみ、あんたが答えてやったら?」

「あしっすかぁ?」


 よいやみは心底嫌そうだ。というよりもこんな馬鹿と会話をするのは僕でも嫌だ。


「一言だけ言うっす。お前みたいな屑は嫌いっす。死ねっす。みつきの方が数万倍魅力的っす」

「ゆーちゃんもみーちゃんすきー」


 え? こいつ何言ってるの? いつの間にかゆーちゃんも横にいるし……。今の発言で、リュウトの怒りが僕に向くじゃないか……。

 ほら睨んでやがる……。

 リュウトは真っ赤な顔になり、僕を指差した。


「そんな糞チビに何の魅力があるって!!」

 

 そう怒鳴り、剣を抜くリュウト。

 こんな町中で剣を抜くなんて、正気か!?

 僕は野次馬を下がらせ、そのうちの一人にギルドに報告に行くように頼んだ後、リュウトを睨みつける。

 

 こいつの狙いは僕一人だろう。


「てめぇも痛めつけた後に、たっぷり楽しんでやるよ!!」


 リュウトが斬りかかってくるが、遅いので一瞬で懐に入り込んで腹部を殴る。


「ぐぼぉ!!」


 リュウトが着ていたライトメイル? は砕け、その場に倒れ込んだので、顔を蹴り飛ばして気絶させておく。僕だって、闘気を使えば鎧くらいは砕けるよ?

 しかし、喧嘩を売ってきた割には拍子抜けすほどに弱かったな。


 暫くして冒険者ギルドの人達がリュウトを捕縛して連れて行ったので、僕達は買い物がてらクエストのことを話し合うためにいつきさんのお店へと向かった。

前クジ引きよりもリュウトの話をかなり簡略化しました。だから、前クジ引きでいた女性取り巻き共はいません。

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