第十二話「はぷにんぐ」
週が明けて月曜日、今日は朝から青空が覗くいい天気だ。
今日は身体検査の当日……俺は自分の部屋で登校の準備をしていた。
「制服で行こうかな……それともこういう機会は滅多にないし体操服で行くのもありか?」
身体検査は一日丸ごと使う行事であり、常に体操服を着ている必要がある。
なので今日だけは特別に体操服で登校しても問題ないし、普通に登校して学園で着替えるのもありだそうだ。
「二年生とか三年生は経験あるから迷わないだろうけど、一年生はなぁ~……」
どうしよう……いつも通り制服で行く? 体操服で普段とは違う登校気分を味わってみる?
遠足みたいで楽しそうだな……でも俺一人だけ体操服だったら恥ずかしいし。
「そうだ。みとせはどうするんだろう」
自分の部屋を出てみとせの部屋の前までやって来た。
「いるかな?」
驚かせるといけないので控えめにドアをノックしてみる。
コン、コン。
「……………………」
返事がない、居ないのかな?
俺はドアノブに手をかけ、自分の部屋へ入るように自然とドアを開け放った。
「ふぇっ!?」
「あ……」
部屋の中には、下着姿で自分の身をかばうように腕を回しているみとせがいた。
薄水色のブラジャーとパンティが白い肌によく似合い、鬼灯のように赤い髪とのコントラストもあって、より下着姿が強調されていた。
「な、なんでいきなり入ってくるの!?」
「ああ、ご、ゴメン!」
勢いよくドアを閉め、ふぅっと一息つく。
そして視線を上げた先には、まだ下着姿でたたずんでいるみとせがいた。
「どうして中に入ってくるの!?」
「えっ、あれ? ゴメン! 焦ってて……」
とにかくこのままいるのはマズイ。
俺は早々に部屋を立ち去るべくドアノブに手を伸ばした。
「あれっ、なんで? 開かない……」
「あの……早く出ていってほしいんだけど……」
背後から聞こえてきたみとせの声に反応し、俺は振り返った。
「なんかドアが開かないんだ」
「きゃあああっ!? ここ、こっち見ないでよッ!」
相手を非難するような鋭い視線で睨みつけてくるみとせ。
あの目つき、ちょっとキレてるよな……。
とりあえずもう一度ドアノブをひねってみる。
しかし、開かない……。
「ねぇっ、まだ?」
背後から聞こえてきたみとせの声に振り返る。
「いや、だから開かないんだって」
「いやあああッ! 見ないでよ!」
どうすりゃいいのさ……。




