日常
朝四時。起きるには早い時間に目が覚めた。
「だるい。」
僕は呟いた。
双子の弟の僕、峰本獅子は中3の3学期から、同級生による集団いじめを受けていた。周りに気付かれないところに痣を作るだけ殴られ、周りから孤立していた。
僕は二段ベッドの梯子を上ってそいつを見た。
「すぅー…ぐぅー…」
上で寝ているのは僕の双子の兄の虎々だ。
「爆睡かよ…能天気だな。」
フッと笑い、自分の布団に戻って横になり、もう一度目を瞑った。
「…子‥獅子〜?おい、獅子〜!」
今は…六時?もう起きないと。
「おはよっ!」
「‥おはよう。」
「なんだよ〜テンション低いな〜」
「虎々が高すぎるだけだよ。」
そんなことを言って笑う。でもそんなところがこいつの良い所だと知っていた。僕は元気をくれる虎々の笑顔が大好きだった。そして虎々もまた、僕の笑顔が好きだと言っていた。
「行ってきま〜す!」
「‥行ってきます。」
「行ってらっしゃ〜い!」
母さんに送り出されると僕たちは一緒に僕たちの高校へ向かった。
(今日も頑張るか。)
「おい!獅子〜おいてくぞ〜!」
「うん、今行くよ〜。」
僕は微笑んで虎々のもとへ走った。
「じゃーな!」
「うん。」
そう言って、虎々がB組の教室へ入っていったのを確認すると僕は教室のドアを開けた。
「おっはよ〜獅子〜!」
うわ、早速面倒くさいのにつかまった。聞こえないふりをして自分の机へ足を向けた‥途端。
「あ…っ!」
ガシャァァンと机に倒れこむ。足を掛けられた。
「い‥っってえ‥」
「ぎゃっははは!大丈夫かぁ?」
無視。ガン無視…していると奴らの態度が急に変わった。
「てめえ、HR終わったらいつもんとこ来いや。」
僕にそう囁くと教室を出て行った。
in B組教室 虎々side
「おはよ〜!」
俺はいつものように教卓で話していたクラスメイトに声をかけた。
「あ、おはよ〜虎々。なあ、お前なんか話聞いてる?」
「へ?何が?」
「お前の弟がいじめられてるって話」
「は?何だよそれ。嘘つくなよ〜そんなわけねえだろ。」
「いや、それが本当らしいんだよ。なんかA組の奴が言ってた。」
〇〇はこんな下らない嘘をつく奴じゃねえ。という事は本当に…?
「は?ちょっと聞いてくる。」
「いや、待て。もうそろそろ先生来るぞ。」
「っっ‥おう。」
In A組教室
(あ、HR終わった…今日は何されんのかな…。…っ少し……怖い。)
「行こうぜ獅子ぃ〜」
「…‥」
僕はゆっくりと立ち上がると重い足取りである場所へ向かった。