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池畔の黎明

作者: 緋和皐月

 

 見渡す限り、覆っているのは深い闇。

 春も夏も秋も冬も関係無しに、闇夜は何故か肌寒い。


 ぶるり、と震えながら。それでも私は見つめ続ける。


 私の心の中に巣食う、暗く恐ろしい気持ちを見つめ続ける。



 私を見つめているのは誰だ。

 赤い門をくぐった向こうに佇む気配が、ひとつ。

 気配の主はどこにもいない。なのに気配はそこにある。

 人ならざる者が、そこにいた。



 ふわり。


 明るく美しい陽光が一筋、世界を照らし始めた。


 先程まで見えなかった大きな池の水面をすべり。

 青い空の下を、緑の草の上を駆けて。

 世界を明るく照らし始めた。


 闇の音はしなくなり、夜の寒さも消えていく。

 たった一筋の陽光が、私の闇まで溶かしていった。



 池畔の黎明。







挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 緋和さんは「ふわり」という表現がお好きなのですね。 私も大好きです。 憂いを帯びながら夜明けを待ち、やがてその時を迎える。 素敵な絵に負けないくらい、素敵な光景を描いた文章でした!
[一言] こんばんは! つぶらやこーらです! 拝読しました! よい、夜明けの光景でした! 闇の音、という形容がお気に入りです! そして、見事な挿絵! 特に雲の影がグッド!
[良い点] ずるいや、ずるいや。 こんなんムッチャ、かっこいいじゃん。 最後にカッコいい詩で締めるなんて [一言] 次くるのは再来年の夏でしたっけ。 はみめの上達ぶりを見てビビるがよろしい。 っても…
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