——百足——
——あれ?なんで自分起きてんだ?
別に起きることして無いし起きるはずないのに。
いつものお布団。
周りが暗い。
なんでずっと枕見てるんだ?
「む……」
「か…」
な、なんだよ、なんで自分で言ってないのに、、
__かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさ
な、なななんだよこれ!?
蜈蚣…?
何故か自分は枕に手を置いていて、枕から…
這いずり出ている…?
やばい、やばい、これはやばいなんだよこれ、なんなんだよ、夢だとしたらリアルすぎる。
__カサッ
なんだよ…一体なんなんだよ…
「……で……」
やめろ、来るな、来るな、来るな…っ!
意味不明な状況だが説明すると何故か枕からムカデがぞろぞろと出てきていて……
手に…自分の手に…
やめろ、やめろ、来るな…っ!
来るな来るな来るな来るな来るな…っ!
とうとう自分の手に「蜈蚣」が行き着いてしまった。
あああ、やめろ、来るな、来るなっ!
ムカデ、見る限り10匹ぐらいだろうか。指先から手の甲に登った。
この感覚は嫌いだ。
そういえば、昔もこういう"夢"を見た気がする。まるで現実の出来事のように。
その時母親がいて、気のせいだと言ってたっけか。
じゃあこれも夢なのか?
と、ムカデは俺の手首を鋭いアゴでガジガジと噛み砕く様に攻撃してきた。
いってぇ…
血は赤黒い血から鮮明な真っ赤な血に変わりそろそろやばくなってきた。
とても痛いのだが体が動かない…
いつの間にむかでは手首から皮膚が薄い関節の所まで来ていた。
あ、死んだなこれ。
もうどうすることも出来ず凄く熱い火に炙られている様な強い痛みに、毒がまわるような痛み。苦痛しかない。いっそ死にたい。
また蜈蚣はもう一方の腕にも攻撃してきて、もう数はだいたい...わかんねぇが、取り敢えず増えている事は分かる。
夢だと、いいな…
[その後意識を失ったのか、眠りについたのかは不明であった]
「むかで…」
ありがとうございました。