日記形式の異世界物
一日目
気づいたら森の中にいた。どうしてここにいるのかわからないが、とりあえず無軌道に動くと変なのに襲われた。
命からがら逃げ切ったが、一体あの生物は何なのだろうか。あんな化け物見た事も聞いた事もない。それに、この様に木が生い茂っている場所を私は知らない。
混乱を収めるため、今日から毎日日記を書くことにする。少しでもこの世界について情報を蓄えなければ。
二日目
今日も変な化け物に追い回される。だが、体が大きくても二足歩行なので、そこまで速くない。
だが厄介なのは普通に木を薙ぎ倒しながら進んでくる所だ。これには参った。必死に走ったおかげで体中傷だらけだ。
良かったのは飲み水が確保できた事だ。動きまわるのに水が無いとなると死活問題である。
三日目
腹を下した。水のせいだ。今日は動けない。
四日目
さすがにその辺りにある雑草を食べて生きるのにも無理が出てきた。そろそろ死ぬかもしれない。
家族はどうしてるだろうか。五日前に何をやっていたのかも、既によく思い出せない。末期だ。
七日目
熱が出ていた私を誰かが保護してくれたらしい。とは言っても牢獄の中である。
ちなみに番人は変な怪物であり、言葉が通じない。出される食事も食べられない。
アレは人に食べる物じゃない。せめてもと思い水だけは飲んだ。
それにしてもメモ帳とペンを取り上げられなかったのは幸いである。
言葉も通じなければ相手は異型の存在。しかも食事はろくに取れない。いまや文字を書く事が精神を落ち着ける唯一の方法だ。
八日目
食事がスープに変化したので口をつけてみる。戻しそうになるが我慢して飲み込んだ。
何日も食事をしないと胃が受け付けなるとは言うが本当の事らしい。だがいい加減飲まないと死ぬ可能性もあるので全部飲んだ。
九日目
牢屋から出される。化け物みたいな人達がいっぱいで話しかけられるが言葉がわからずに四苦八苦。
一応身振り手振りで一つ一つ確認していくと、要するに仕事が出来るのか?と言いたいらしい。
ここに来る前は仕事をしていたし、それなりに働けると言われたら本ばかりの部屋に連れていかれて文字を一つずつ教えられた。
幾つかを絵で表現しながら説明してくれるのだが、どう見ても私についてない人体の場所を説明されても困る
十日目
語学の勉強。そして数学の勉強も追加された。語学に関しては毎日触れてればわかると判断されたのかもしれない。
数字が独特すぎて頭に入ってこない。ただ、凄く簡単な計算なのでノリでやると大体当たってる。
が、文字をどう書こうか悩んでそこでつまずく場合もある。面倒な事だ。
十一日目
語学の勉強。召喚なる儀式があるらしい。もしかしたら、それで呼ばれたのかもしれないのでは?とかたことで聞いたら笑われた。
どうやらそう言う事では無いようだ。じゃあ何で私はあそこにいたんだ。謎は残るばかりだ。
十二日目
ようやく耳で内容を聞き取れるようになってくる。毎日、それもずっと外国語を聞き続けていればそうなる。いずれ慣れる物なのだ。そう言う物だ。
それと、どうやら本格的に仕事も始まったようで幾つか書類を回された。読むのに時間がかかったが、要するに内政に関する物らしい。
治水工事が云々と書かれていた。どうでも良いがこんな重要そうな書類を回してもらって大丈夫なのだろうか。
十五日目
言葉がわかるようになって来たので一部の文官さんと仕事に関して打ち合わせをする。どうやら、ここは貴族領の一部だったらしい。
とは言ってもそんなに大きい領地では無く、文官が足りてなかったとか。
そこに、どうやらそれなりに知性のありそうな種族である俺がいたので利用したらしい。
異型の者の多くは知恵ではなく肉体を駆使する者が多い故、慢性的な文官不足だったらしい。
どうやら元の世界が何処にあるのかもわからないようなので、ここで足場作りをしていつでも帰れるようにしておこう。
十八日目
治水工事に関する進捗が届いたので読んだが随分と作業が進んでいないようだ。聞くと、きちんと計測したり出来る人員が不足しているらしい。
設計図に関してもなく、川に対して石を積み重ねて対処してたりするらしい。意味がわからん。
仕方ないので少し適当な設計図を引いてみるが、私自身もそちらに詳しいわけではない。何度か書き直しながら進めていこう。
二十日目
文官に法律と言う概念があるか聞いたが無いらしいので説明する。
色々と驚かれた。どうやらあまり発展してない所に来たらしい。薄々は気づいたいたが。
法律に関しては本当に簡単な者を草案しておいた。もう少ししたら他の文官にも見せる予定だ。
二十五日目
治水工事の作業現場まで足を運ぶ。この治水の目的は川の氾濫を防ぐのと流れを抑えるのが目的らしいが、あまり上手くいっていないようである。
いっその事、一部を池にすれば良いんじゃないかと思い立ち、急いで戻って案を考えてみる。ちなみに地図を持ってきて欲しいといって持ってこられたのは凄く適当だった。
仕方ないので何人かの文官についてきてもらって川の横幅などを調べつつ、泉にするのは何処が良いか調べることになった。
二十七日目
集落などの問題も考えて治水工事の案を少し修正して他の文官にチェックしてもらう。皆から問題ないと許可をもらったので改めて予算編成を行う事になった。
今までの作業は災害用ではあるが、私の考えたのは活用法なのでまた別の予算がつくことになった。
問題なのは土を掘るアイテムが木製だった事だ。金属はあるが、何でも貴重品らしい。なめてるのかと言いたい。
仕方ないので、鉄か銅を探しつつ山付近に中規模の鋳造場を作る計画を練る。
三十日目
災害防止用の設計図がようやく出来上がる。今までは何故か石を積み上げるだけに留まっていたわけだが、これからは溝を掘ってそこに石を積め、溝を掘ってそこに石をつめを繰り返して水を逃がし、最後に石の壁を作り上げる事にした。
作業量は増えるが、土地にとっては損なし。
それと、木を切った後に植林させるよう進言しておく。安定して水を確保したいなら木を植えるべきなのだから。
それと間引きについても説明しなければ。森と共存。良いじゃないか。
三十五日目
暦に関して少々あやふやだったので色々と突っ込んで聞くが、誰も明確に答えられなかった。
仕方ないので元いた世界の方式を取ろうかとも考えたが、もしかしたら気候変動のサイクルが別かもしれないので文官の一人に天体の動きを目で確認させる事に。ついでに、星を星を繋いで何か表してみて欲しいとお願いする。
この方法は古代ギリシャの天文学者の用いた方法で、実際、目視でわかる事が多いと後の世で評価されていたりする。毎日スケッチして欲しかったが紙が貴重品なので諦める事に。スケッチは七日に一回という事になった。
三十九日目
ため池の出来は順調との事。ただ、それに関して書類が増えてしまったので少々難儀した。二日も机に向かいっぱなしで他の文官さんに心配された。
それと、集落が細々と過ごしながら生きる形態は何処か古代ギリシャのポリスに似てるな、と思った。そしてソレを代表的な町が、と言う形だ。
ちなみにうちは一応代表町の一つだ。これでも大きい町だったらしく、人口は8000人程度いるらしい。残念ながら私から見ると小さいの一言なのだが。
四十一日目
貨幣制度は一応出来ているので、ガンガンこれを利用することに。何をするのかと言えば、要するに他国に対しての金貸しである。
とは言っても鉱物が大量に取れるわけではないので大量には貸せないが、ゆっくり利子で儲けることを企ててみる。
それと、ギリシャのデロス同盟に肖った軍事同盟を模索中。あと、何処かに銀山や金山が無いかとにかく探させる事に。
出来れば鉄か銅も欲しい所だ。それらを探すための捜索隊のための予算を頼むが、お金が足りないと却下された。
仕方ないので農作物や牧畜に関する物々交換を出来るだけ避けさせることにする。貨幣を使うって事を頭で理解して無いと、他国からお金を借りる時に少し困った事になる。
四十五日目
集落に対して交渉し、一部別の居住区へ移ってそこで生活してもらう事を計画。
ただ、これは時間をかけないと意味のない政策。それなりに手を打っておく事にする。
五十日目
どうしても鉱山が欲しいので五日ほど暇をもらって探しに行く事に。護衛の人もいるので問題なかった。
書類もきっちり片付けた。休みをもらうために凄く頑張った。
それと、最近文官さん達が優しい。仕事を頑張ってるからなのか、それとも現場で成果が上がってるからなのか。
恐らくは両方だろう。この度、雇われ文官は皆良い感じに昇給した。もちろん私もだ。
五十五日目
残念ながら鉱山は見つけられなかった。と言うか思わず地図作成に乗り出したのがマズかった。
それでも周辺地域の状態を知れたのは良い事だ。今後休みをもらったら、今度こそあの山に行って地質を調べてやろうと思う。
五十六日目
そう言えばこの世界には魔法がある。召喚もその一つらしい。
だが、彼らは魔法が使えないとか。残念な話だ。種族的な理由によるそうだ。
六十日目
治水の効果が出るのは少し先の話なので今の所は人口を伸ばす方法を模索中。それと領地の拡大計画。
ここは田舎だ。余っている土地が多い。灌漑を教えれば人口爆発を起こして余った領地を埋め尽くせると判断する。
と言うわけで治水工事の新しい計画書を申請。川を作るという考えはなかったらしく仕事を一任されてしまった。忙しくなりそうだ。
六十四日目
灌漑のために地図を作るべく10人ほど人を雇い入れる。簡単な工作で一回り1メートルの一輪車を作るべく奮闘するが数学知識に乏しいため四苦八苦する。
完成するまでは中世レベルの地図でも問題ないと判断して道を基準に地図作成。集落も場所をしっかりと書く記す。
それと、道の整理を急務にしなければ。つうか首都へ続く道を早く作りたい。交易をしないとか頭おかしいと思う。
六十七日目
地図に関しては完成はもっと先なので他の仕事も行う。何をするのか。戦略書の作成である。
要するにクラウゼヴィッツの覚えている部分だけを抜き書きするだけだ。別に難しくない。
更にわかりやすいように改定したかったが、そもそも覚えている所があまり無い悲しさ。
とりあえず戦争は政治の延長である旨とその理由だけは書き出しておく。
それについで戦術書の写しをもらえないか聞いてみると、頑張ってみると答えてくれた文官が数人。感謝しておく。
七十一日目
法律の草案がだいぶ完成した。お城には今までの裁判の記録なんかもあったので、それらを体系的にまとめた。
要するにハムラビ法典。過去の事例からどうすれば良いのかを事細かく記した初期法律書である。これを他の文官たちに見せて裁判について色々と語って案を練る。
それに伴い文官がもっと必要になる事を言って人員補充を提案。それに関して予算が出ないからひたすらチェックするはめに。書類の山に我がいる。
七十八日目
法律施行を巡って内部でめまぐるしく動き出す。今までこの発想はなかったらしく誰もが右往左往。もちろん私もだ。
集落単位でどう裁判役を置くかいろいろと議論がなされた。最終的には長老が兼任すれば良いという事で落ち着く。
八十日目
地図が完成する。とは言ってもお粗末な物だ。だが、これがあるとないとでは全く違うので兵隊の皆には感謝と特別給金をポケットマネーから出しておく。
現在は灌漑の企画書をしており、それに伴って水害用の壁から灌漑用のものを新しく設計図に引く。
八十六日目
設計図が完成した。やった、出来た。三日間ほど徹夜になったがやり遂げたのだ。
と同時に寝たのが昨日の話。他の文官に心配されてしまった。すまん、と謝っておいた。
八十八日目
灌漑路の設計図が出来上がったので今度は作る場所を考える事に。試験運用なので川から少し離れた集落で行う事にする。
その集落の長老に対して色々とお願いをして、こちらからも人員を何人か出しておいた。
完成はまだ見通せないけど、一区画は一ヶ月で出来るので、恐らくは4,5ヶ月くらいかかるはず。
それと海に面する都市に対してゆっくりと港の建設をさせて群島エリアを制覇する計画も建てる。
それと同時に、そこには先住民もいるので話し合いの場を設ける準備、…・・・一応、制圧行動も念頭において密かに準備しておく事に。
九十日目
どうにかして鉱山が欲しいとまたまた探す事に。期間は前回と同じ五日。とにかく、山に登ってみる事にする。
九十三日目
砂鉄を確かに発見。ついでに火山だったらしく、掘れば恐らく鉄は山のように手に入る。よし、これで農業改革が進む!隊員全員で万歳する。
九十九日目
暖めていた鋳造所寄り合い計画を申請。鉄の問題はほぼ完璧に問題ないので一発で通る。
やはり企画原案をするならロードワークが重要だ。職人は数少ないらしいが、遠くにドワーフがいるらしいので外交官を通して来てもらう事にする。
その場合に、かなり国庫がきつくなるらしいのでプレゼンを決意。鉄器の重要性を重鎮達にわかってもらうしかない。
百五日目
かねてより行う予定だったプレゼンが終わった。内容は上々で反対はゼロ。企画力の勝利だった。
何より、軍事力が向上し国での発言権が確実に増すと言ったのは大きかった。
実際、所領を見れば今ようやく鉄を扱いだした様子なので追いつく目は充分にある。
ここでドワーフ達がお金を得ても使えなければ意味が無いので徹底した貨幣制度の導入も進言しておいた。
さらに鉱山付近を鋳造所の場合のみ減税とした。来てもらうのだから当然。
優遇しすぎと言う意見がなかった訳ではなかったが軍事力の誘惑には勝てなかったらしい。
それに国内輸出なども行えば採算は絶対に取れると主張しておいた。鉄器がまだ珍しい今ならこの領地は絶対伸びる!技術革新を止めてはいけない。
百七日目
ドワーフの集落を作るべく人員を30人ほど割いて家作り。さらに海岸都市の港も順調の様子。その処理に追われる。
治水工事の進捗も聞きながら計算をする。それと次の立案も考えておかなければ。忙しい。
百十日目
外交官がドワーフの勧誘に成功したらしく、もう少ししたら来てくれるとのこと。ついで、鉄を扱うには水が必要なので鉱山まで治水工事を拡大することに。
が、予算を頼むが足りないと言われる。ゴリ押しするわけにもいかないので溜め池で我慢する事になった。くっ、私は少し焦りすぎてたのかもしれない。
百十一日目
森を守るプロジェクトを申請。予算が無いと言われる。が、コレに関しては現在の林業をしている人たちに対してドングリの一部を集めるよう呼びかけておくだけでも効果があるのでそうしておく。
この国、と言うか人、と言うか種族は力が強いので木の伐採速度が速すぎる。
さらに製鉄に木炭が必要になる。森がなくなってからでは遅いが、どうしようもないならドングリを保存するという事で解決する事にした。
百十五日目
予算が必要ない計画を練る事に。投資を回収するには時間がかかる。
製鉄だけでも大きな一歩だ。今は我慢しようと思う。
なので農業改革方面を推し進める事に。腐葉土や肥溜めなどの肥料対策を民間に対して行う案を考える。
これは農民に対しての独自行動なので私自身の仕事の合間にやれば少しは役に立つだろう。
百十七日目
書類仕事に追われて民間どころの話じゃなかった。来週までにはやる。
百二十五日目
ドワーフ移住開始。炉も一つだけ完成している。今の所、それを共用で使ってもらう事に。
それと、溜め池の場所に水を汲みに行く人やや砂鉄掘り専門などに分かれてもらって仕事させる。
ここから始まる製鉄産業。第二次産業の素晴らしさを国に叩き込んでおこう。
百三十日目
治水工事に関して少し効果が出てきた。既に3区画目に突入しているわけだが、農地が一気に拡大したらしい。
それに伴って農家に人員不足発生。貧乏集落の人達はそこに併合させる事になった。元々狩猟中心の生活をしていた人々だったらしいが、そう言うのは定住が難しい。
安心な生活を送りにくいとの事なのでこっちに来てもらう。遅くても来月には来るらしい。早くても二週間だそうだ。
農地拡大に伴って狩りをする人数もいなかったのでちょうど良いだろう。
それと農耕の良い所は女性を中心に据えられる事だ。何故かこの国ではあまり女性の仕事が盛んではない。
女性も労働力として素晴らしいのに嘆かわしい。コレに関してどうにかしなければ。
百三十三日目
福祉として学校を開くことにした。だが、学校とは言っても普通科目は国語と算数だけ。真の狙いは別にある。
特殊科目に農業、体育を入れるのである。要するに国語と算数を教えるついでに農業に従事させる。
ついでに兵士の訓練もしようと言う事だ。体力もつく上に兵士としても役立つ。最高だな、これは。治水工事が完了した辺りに創設しようと思う。
草案はまとめた。来年くらいになったら提出しようと思うが、まだまだ練りこみが足りない気がするので頑張ろう。それと予算が無い。税回収までもう少しなので我慢する。
百三十七日目
治水工事が完了した区域に人口集中がおき始めている。予想をしていなかったと言えば嘘になる。むしろ願ったりかなったりだ。
確かに、この城は立派だが商人少ないわ、立地が良くないわ、近くに鉱山無いわ、かと言って目ぼしい資源や農作物があるわけじゃないわ、と散々だ。
どうやら歴史も新しいみたいだしさっさと捨てるには良い機会だ。
城下町からも治水工事が完了した所に居を移そうとする人間は多い。ここは官僚と商人を集まる都市になれば良い。平安京みたいな感じだ。
貴族や官僚とソレに付き従う従者や財布を狙う商人が渦巻く政治都市になれば良い。政治の中心地なら結局は盛り上がるのだから農民は他の場所に移してしまった方が良いだろう。
ただ、道が荒れてるので農民全てがあっちに行ってしまう前に道路の舗装に乗り出そう。ふふふ、見ていろ。交易と製鉄が合わさるとどうなるか。
百四十日目
書類で計算をしている内に、不正を発見した。ただ、相手が有力な文官で残念ながらもみ消されるだろう。力が無いとは悲しい事だと思った。
百四十四日目
ドワーフの炉を三つまで拡張、更にドワーフの数も増えた。今作っているのは兵士に配るための剣だ。この剣を税が入り次第買い取ると伝えておく。
ついでに鎧と槍と兜と盾もお願いした。それと馬(の様な何か)を扱うために馬車建造も命じておく。要するにチャリオットだ。
高級仕官が乗るための物で指揮と居動力と威厳が上がると伝えると武官は大喜びだった。これで成功すれば鋳造所は高級仕官、もしくは土地を持つ有力市民達からの依頼で大いに潤う。こっちも大喜びだった。
ついでに安い馬車もお願いしておく。海岸都市にて三段櫂船やガレー船を作るために鉄を加工した部品が必要だ。それを頼んでおく。
百五十日目
武官からの信頼を大きく勝ち取った。これで少しは発言力が増したと思う。けど、次は文官を取り込まないといけない。
信用はあるが、信頼はされてないので難しいところ。恐らくは学校創設が効果を出せば、とも思うがどうなることやら
百五十二日目
森の妖精から文句が出たらしい。何でも森の木が伐採されて住処が奪われているとか。
予想してた事態なので上にドングリを集めていたのでソレを埋める植林プロジェトを申請。
担い手は森の妖精が、それと森の伐採に関して今後は森の妖精に一任して森が傷つかないようにするのはいかがかと伝えると了承が来た。
種族で敵を作ると、連鎖反応で敵対されるのが魔物の世界らしい。と言うか知っている幻想の生き物がいるわけだが、この世界は本当に何なのだろうか。ただファンタジーは嫌いじゃない。
百五十六日目
森の妖精と実際に会って間引きについての理解を促す。森の妖精もキッチリ理解を示してくれた。
実際、そう言う森を見た事があるらしい。それなので二人で色々と今後の森について話し合い、会談は和やかに進んだ。
百五十八日目
大規模農業と化した治水工事区画を視察に行った。人々は中々に活気付いているので問題無さそうだ。
それと同時にそろそろ酒を作る準備を始めることに。葡萄らしき何かがあるので、それで実験する事にした。と言うか、果実だったら大体出来るはずだ。企画を纏めておく。
百五十九日目
予算出た。やったのである。福祉の学校創設案を出した。更に治水工事の拡大、ドワーフの人口増加プロジェクト、女性労働力強化を促す条例、道路舗装プロジェクトの実地。
これら全てを出す。上はかなり混乱したらしく、全てのプレゼンを行う事に。任せろ、全部通して見せる。
百六十一日目
最初は学校に関する事。学校の必要性をまずは説いた。とは言ってもあくまで主流は軍事力の拡大、農業に関する知識の向上、さらに国語と算数を教える事により中から文官育成。
子供と言えど労働力になる事、いざと言う時に兵士として従軍させられる事、仲間意識の増大。これほどのメリットがあって行わない理由が無い!と力説。文官、武官共に大満足の結果に。予算は通るとの事。
だが、ここでは終われないので説明を続けた。どの様な人材が必要で、どの様な教育が必要かを説いた。
更に、才能があれば常備軍を強化できる可能性、才能があれば文官になれる可能性、有力市民や貴族の子供の成長用特殊学級。
ここまで言えば最早誰も反対しない所か拍手喝采にまで会議が盛り上がり、会議は大成功だった。予算は跳ね上がった。私はやり遂げた。ちょっと感動した。
百六十四日目。
ドワーフ人口増加プロジェクトのプレゼンは比較的スムーズに終わった。チャリオットは完成していない物の、兵士に持たせる剣、槍、兜、鎧、盾の出来栄えが予想以上に良かったのだ。
武官大興奮で予算を上げろと叫びまくり、文官も概ね同意。特に外交官は本国に対する発言権が上がると大興奮。少し前まで、ここは片田舎でパッとしていなかったのだから興奮するのはよくわかります。
百六十九日目。
治水工事の拡大も概ね問題なし。だが、難航したのは製鉄場への治水工事。現存の溜め池で問題ないのでは?と言う意見が圧倒的多数。
武官はチャリオットの完成を楽しみにしているが、これに関しては有力市民団や貴族達が欲しているだけで文官には利益なし。
仕方なく溜め池を広くする事で合意を取る。
百七十五日目
女性労働者強化を促す条例は大難航した。誰も女性をまともな労働者として見なかった。武官も文官もである。
だが、農耕に関しては女性でも出来ると確信してるので学校の農業授業だけは出させる事に成功した。
今までは女性は家の外に出る事の方が稀有な状態だったので、これで少しは改善されるだろう。
百八十日目
道路舗装プロジェクトに関しては群島を攻め取るために必要と言ったのだが双方に理解を示さない。今でさえ領地が余っているのに侵略して何になるのか、といった具合である。
だが、ドワーフ村、大規模農家群、行政都市の間は繋ぐことは理解を得られた。これ等が繋がれば商売も活気付くと説明したからだ。
実際、ドワーフ村と繋がっていれば工業製品がいち早く手に入るメリットがあるし、そこと大規模農家群を繋げば税の徴収がやりやすい。問題の方が少ないのだ。
……結果として全てを通す事は出来なかったが大体満足。忙しくなりそうだ。
百九十五日目
忙しいとかそう言うレベルじゃなかった。他の文官から恨みっぽい視線が突き刺さる。
そんな事は言っても行わなければ話にならないのだ。今日も書類を片付ける。
二百日目
道路舗装プロジェクト第二段。王都への道を申請。
王都へおべっか使いやすくなるし、外交官が王都とより深く繋がっていれば、ココは重要視されますよ?と言い了解を得る。
他の文官に書類が増えるかもと言うと泣かれた。
二百三日目
学校に必要な人材が集まりだしたので農業を手伝わせる人に土地を豊かにする方法を伝授。
半信半疑そうだったので、子供達を使って効果を確かめて欲しいと依頼。
更に、これで大人よりも良い作物を取れたら、あなたの今後の農業監督としての地位は揺るがないばかりか、他の人の指導をする立場になるかもというと快く引き受けてくれた。
もちろん、お金も渡してるからと言うのもある。
どうもこの国の人達は子供や女性を労働力として軽視している節がある。
女性の多くは子供に混ざって仕事をするのだから、これで女性の地位と労働力も手に入った。あの大規模農家群は圧倒的に生まれ変わる事間違いなしだ。
二百七日目
チャリオットが出来上がったらしい。馬(便宜上そう呼ぶ)の飼育に関してはドワーフでは無理だったので一部有力市民から借りることに。
その有力市民はソレに乗ると大はしゃぎだった。更に平野に出てみたりしながら乗り心地を確かめる。
最後には自腹で買って行った。ドワーフの責任者にお礼と特別手当を出した。お互い満足げである。
二百十二日目
チャリオットの注文が相次いでいるらしい。何でも有力市民がソレを自慢した所、あまりの応募殺到にドワーフ本人が驚いたとの事。
元々、ここの歩兵は歩くのが遅い。素早く移動出来るうえに体力をあまり使わないチャリオットに需要が集まるのは当然だと言えた。だが、こうなると馬が足りない。さて、馬育成計画案を提出するか。
二百十五日目
馬育成、繁殖プロジェクト申請。またプレゼンだと言われた。毎回プレゼンを行わなければいけないのは、予算が膨大になるからだ。
もちろん、その価値があるのでやっているのだが。もしも意味が無さそうだったら申請時点で却下だ。それだけ、私の事を買ってくれているのだと思う事にする。
二百十七日目
馬(こっちの世界の単語だとバライらしい。どう見ても馬だ)の繁殖の重要性を訴える。
これにより、土地を持つ有力市民は労働力が増し、更にもしも戦争となればチャリオットで出る事も出来ると訴える。
それと馬に関してはこの領内で大量に繁殖させて所領に買い取らせる手もあると語る。
重要性も利益が出る事も皆さん理解出来ているようだが予算の関係で悩んでいるらしい。
私も急かしすぎたと考え、今後製鉄、農業関係で税収が今の1,4倍ほど増えたら行えるのでは無いか?と提案。それに同意してもらう。
コレにより儲かったらバライのプロジェクトは再始動となる。
二百二十日目
14日ほど時間をもらい、群島の地質調査に出かける事に。交易しているが、平和な場所なので鉄や銅が出ていても利用していない可能性もある。
話に聞くと貨幣制度も整ってないらしい。これで銀を穀物で買えるならうちは丸儲けなので急いで調査する事にした。
二百三十日目
島を幾つか回ったがそういった事は無さそうだ。侵略する理由はなくなった。装備品が貧弱だし海軍も未熟。
しかも、奥には大陸があり別の王国が時々略奪に来るらしい。
……これは確かにいらない。
二百三十九日目
群島と港の視察が終わったので書類仕事に戻る。
新しい企画は今の所は無い。長弓を作れないか、とは考えているが。
二百四十六日目
交易の旨みを手に入れるために別の王国がある事を進言。そこと交易はどうかと提案したが、王に聞いてみないとどうにもならないと言われた。
この時のための道ですよ、と言うと苦笑いしながら必要性を理解してくれた。
ついでにチャリオットがあった場合も言おうと思ったがしつこくなりそうなのでやめておいた。今思えば言っておけばよかったと思う。
二百四十九日目
治水工事が10区域達成。さらに工事参加者にはこのまま畑を見るか、それとも今までのように公共事業に順ずるかを聞いておく。何人かは公共事業に残ったが、多くは畑を見るとの事。
ちなみにこの人員は元々はお金が欲しい集落の人間を集めた物だったので、これでまた集落が集中する事になった。
さらに人が増えたことによる人口爆発発生。第一次ベビーブーム到来。今やあの区域は妊婦だらけだったりする。人口は力だ。さらに学校も始まったので、今後文官や武官、兵士が多くなる事だろう。
……そう言えば商人はどうするかな。国営商を増強にするかな……。
二百五十日目
森の妖精に潰れた集落付近に木々を増やすようにお願いする事に。あっちとしても願ったり叶ったりらしい。それと山の斜面にも大量に木を生めるように頼む。これに関しては何人か人手を出しておいた。
さて、森の妖精の機嫌を取るための手段を講じておこう。森の木をこの領地から切り取るのではなく、他の領地から買い取るのだ。そうすれば他領も儲かるし、こちらとしても妖精を敵に回さずに済む。
製鉄には木炭かコークスがどうしても必要なので、木炭用に他領から木材を買い取らなければ。ただ、道路舗装が済んでからだが。
二百五十四日目
大きなプロジェクトは大体動き出し、順調に収入が増えていっているようだ。特にドワーフは凄まじい。
それに、ドワーフ村で人口増加現象が起こっているらしい。今まではあまり無かったそうだが、生活の向上によってこちらでもベビーブーム到来との事。
さらに別の山に住んでたドワーフが噂を聞きつけて住居を求める自体発生。上、大喜び。
だが心配ごとがある。食料、足りるだろうか。治水工事を更に広げて農作物をもっと増やし、蔵を建てる事を企画しなければならなくなってしまったようだ。
二百五十九日目
個人的な部下を雇い入れる。名前はポーロ。見た目狼みたいな種族だ。でも二足歩行が出来る。コボルトっぽいがそんな名前の種族では無いらしい。ドワーフいるのにコボルトいないとか変な話だ。
彼に頼むのは鉱山を探す事だ。とにかく鉱山を見つけて利用すれば、この領地は儲かる。なので探索をお願いする事にした。
ポールを中心に6人のチーム結成。ポケットマネーから探索資金を出す。結果次第で増額を約束して送り出した。
本当は鉱山探索プロジェクトを組みたいのだが、上層部としては農耕人員、製鉄者増強確保要員、治水工事、住居建造、学校の教師、行政官等の全ての場所で人材不足を引き起こしている上に最近では奴隷まで使って仕事をしている。
それでも足りない。なのでそんなプロジェクトを組む余裕が無いのだ。
だが、この広い領地にまだまだ鉱物が隠されていると思うので個人的に探索隊を出す事にしたのだ。平和なうちに技術革新は世の常なのだ。
二百六十日目
第一舗装路完成。行政都市にいた商人たちが大規模に行商するらしい。たのもしい限りだ。
第二舗装路も順調に進んでいる様子。さぁ、出来次第木材を大量輸入してもらうように頼み込むぞ!
二百六十三日目
ようやく酒に関する企画がまとまったので提出。即決定となる。元々、酒を定期的に生産しようとは考えていたらしい。
きちんと企画が練ってある上に果樹園計画も詳細に書いたのが幸いしたようだ。
場所も大規模農家の対岸で、そっちにも治水工事を施す事になった。
二百六十七日目
港で塩を作るプロジェクトを提出。我が国は岩塩しか知らないのでプレゼンを行う事になった。
二百七十日目
塩の作り方から必要な機材の調達まで詳細な情報を伝える。問題ないとされた、これを突っぱねるほど上は愚かじゃない。
塩は重要な物だ。細々と他領から買い取っていたが、ここで逆に売る側に回ろうという魂胆だ。
……内乱起きたりしないよね?
二百八十日目
ドワーフの人口が800人突破したらしい。職人をこれほど抱え込む事の凄さ、皆様にはご理解いただけるだろう。
しかも仕事はまだまだある。武具は粗方作り終えたので、今度は農具を作ってもらう事にした。これを農家に配ろうという話だ。
上も農業がここまで拡大したのなら、と許してくれた。今度、ドワーフ村を視察しようと思う。
二百八十二日目
ポールが帰ってきた。大理石の一番発掘所を発見したらしい。
しかも谷深い場所だったので、まだ誰も手をつけていないらしい。これを伸ばす手は無い。
すぐに企画を練って第三次道路舗装案と大理石採掘、加工のための人員を作らなければ。と言うか、もう他領から人を買えば良いんじゃないかな?それも打診してみよう。
二百八十四日目
ドワーフ村を視察。活気付きすぎ。びっくりした。100日前後で良くぞここまで。
ちなみに、妊娠して生まれる子供の数が凄いので人口爆発は人間の比じゃない。だから食料関係で困っているのだが。
二百八十六日目
ポーロ達の休暇が終わり、またお金を渡して旅立ってもらう。ちなみに、別料金もちゃんと払っている。
何でも貧乏集落出身らしい。この仕事を終えたら土地を買って暮らすとの事。願いを叶えてやりたいもんだ。
二百八十九日目
第三次道路舗装計画と大理石採掘、加工の人員確保条例を提出。プレゼン決定。
二百九十三日目
人員不足の解決が焦点になるのは確定だったので他領から奴隷を買う事を提案。それと、他領で落ちぶれた市民や貴族の囲い込み、兵士を用いた盗賊討伐による奴隷確保を提案。全てが受け入れられる事になった。
ちなみに兵士の新装備やチャリオットを使いたがっていた諸侯、諸将。盗賊の問題を解決したかった文官組みのどちらをも上手に囲い込んだ作戦である。
ただ奴隷を買うのは難しいとの事。人材、人員をとにかく集めなければ。道を繋げたのもそのためだ。これからは王都で落ちぶれた者や他領でのし上がれない貴族なんかをガンガン起用していこう。
……ただ、提案した時に貴族の一部は渋っていた。だが、収入が増えるのは事実。仕方なく受け入れてくれた。マズいな、敵を作ったかもしれない。
二百九十五日目
盗賊団討伐開始。多くの盗賊はなす術なく捕らえられてるらしい。装備が違うのだよ、装備が。
二百九十九日目
盗賊がいなくなったらしい。全て集めると大体40人の奴隷が確保できたとの事。
全て、第三次道路舗装案に組み込まれた。ついでに一部兵士も監視のために従軍させる。
ようやく製鉄技術の向上で武器が一新された事の効果が発揮された。改めて武官に感謝された。あと、有力市民のチャリオットは本当に役立ったらしい。
三百日目
先日完成した塩プロジェクトの設備から綺麗な塩が取れたので早速上に届ける。全員、満足げだ。
そこで塩と鮮魚を届けてもらうべく、第四次道路舗装案提出。即採用される。第三次が終わったら奴隷を酷使してすぐに第四次に移るとの事。
ついでに他領の盗賊も討伐して資金稼ぎと奴隷確保すれば良いのでは無いか?と考える。計画を纏めておこう。
三百四日目
国営商に頼んでもらっていた木材到着。そのままドワーフ村へ。ついでに木材を保管しておける蔵を増設する事にする。
他領の奴隷確保と同時に提出する。木材保管は採用。奴隷確保は外交官が駆けずり回る事となった。
三百六日目
企画原案ばかりしてたせいか書類整理が遅れてた事が発覚。既に私ではないと対処できない書類も多いので書類仕事再開。
毎日50枚は絶対にやっていたのだが、どうも少なかったらしい。猛省。
三百十日目
まだ終わらない。私は書類に埋もれて死ぬのかもしれない。
三百二十日目
練りたい企画があるのに練れない。そして寝たいのに眠れない。
この仕事が終わったら後継者を育てて簡単な仕事はたまらないようにしよう。絶対そうする。決めました、私は。
三百三十日目
終わらない。周りの文官から哀れな目で見られる。さすがに一ヶ月以上も書類で缶詰なんて異例の事態だったらしく上の人がわざわざ会いに来てくれたが、仕事が終わってないのでお帰りいただいた。
三百四十日目
消えたと思った書類が増えた。誰か助けて。
三百四十八日目
書類が終わった。文官が尊敬のまなざしで見ている。私自身も私を褒めたい。
上から直々に休みを取るように言われたので8日ほど休みを取った。
三百六十日目
職場復帰。書類が増えてた。まだ終わらないスパイラル。
三百七十日目
ポールが来たので仕事を中断して聞くと川で面白い石を発見したと言われる。
見ると翡翠だったので、報奨金を出す。それとポールに凄い顔で心配された。人に驚かれるほどやつれたらしい。
三百七十三日目。
さすがに前回のように一ヶ月以上仕事が続く事もなく、書類の山は片付いた。
第五次道路舗装案と翡翠採掘、加工の人員を企画し始める。それと同時に常備軍改革の届けを書き始める。
三百七十四日目
気づかないうちに農家の人口が10000人突破。第一次産業において他領どころか本土にさえ負けないようになった。
製鉄は二番手。軍事では一番手と優秀になる。しかも道を作ったので交易が盛んになり、人々の流入が激しくなった。
大理石による宮殿や行政都市の増強。石工発展の成果、城壁作成による入国管理の徹底など、凄まじいことになってきた。
ちなみに気づいたら大理石の運用が始まっていた。そう言えば書類でそんな事が書いてあったような気もする。だが、残念ながら忙しくて問題ないか考えるのに精一杯だった。
三百七十九日目
他領の盗賊討伐、没落貴族、市民の囲い込みにより奴隷、文官と武官強化。何人か人材を育成する事に。
とりあえず簡単な計算と企画立案、行政方法などを叩き込む予定。私の仕事の手が空いている限りにおいてだが。
三百八十一日目
学校制度の報告を受ける。子供と女性が中々の労働力になったと関心された。ついでに土地を潤させる方法が成果をあげたのであの農家全域で行う事に決定。これで食料問題は解決されたのではないだろうか。
ついでにお酒に関しても計画が進んでいたらしく、既に四区画の果樹園が出来上がっているらしい。もちろん、そのまま食べたりする事も出来るので旬の時期はそのまま流れる模様。
三百八十四日目
文官さらに増員。学校での成績優秀者を引っ張ってきたらしい。
とは言え、150日程度の勉強を終えた若造なので職場にいる文官全員でしごき倒す事にした。
何人残るか知らないが、とりあえず有用に使う予定。
三百八十八日目
上が奴隷を上手に使う案が無いかわざわざ聞きに来たので暖めていた第五次道路舗装案と翡翠採掘、加工の人員を提出。問題なく採用された。
ちなみに大理石、製鉄での収入や農耕力の増加で元々の収入の3,4倍の税が入ったので問題なくバライプロジェクト発足との事。
既に安い馬車は確保済みなので、問題なく増やして下さいと言っておく。これで国営商に荷運びや手紙運搬をしてもらえば、新たな産業を興せる。そう、第三次産業だ。
三百九十二日目
ポーロ帰還。何と銀山を発見したらしい。これでもう充分だ。ポーロを地質調査から地図作成へとシフトさせる。ちなみに銀山を見つけたので第六次道路舗装案と銀鉱採掘、加工の人員と独自貨幣精製の許可申請の旨を企画し始める。
ふふふ、これだけの力を持った上で独自貨幣を持てば鬼に金棒。さらに王族をこっちに持って来ればパーフェクト。王子や王女様とかこっちの上の椅子に座らせる事は出来ないものかな。
……いや、内乱起きるか……さすがに。
三百九十三日目
ドワーフに依頼して距離を測るための車完成させるべく動き出す。
意図を説明すると快く作ってやると言われる。明日にも届くらしいので楽しみにしておく。
三百九十四日目
頼んでおいた物が届く。それにしても一日で作れるとか技術の上がり方が半端ないと思う。ドワーフを連れ込んだのは大正解だ。
ポーロの休暇が終わったら渡して出発してもらおう。
三百九十七日目
上から聞いた話だが、何でも今一番お金持ちなのは私らしい。
人をあまり雇わないし、屋敷も持ってないし、チャリオットを持っているわけでもヒスイの首飾りを買うわけでもないし、嫁がいるわけでも無いので出費がほとんど無く、ついにこの国一番のお金持ちを越したらしい。
使い道が無かったので三分の一をドワーフ村活性化のために投入。
炉を変えたりツルハシを新しいのに作りかえる代金にしたり他諸々に使った。ドワーフの生産能力アップ。やったね。
四百日目
奴隷を使いたいと上が言ってきたので第六次道路舗装案と銀鉱採掘、加工の人員と独自貨幣精製の許可申請の旨を提出。
前者は問題なかったが後者は怒られた。だけど銀なんてほかに使い道ないと反論。
更に、現王の顔を形作った銀貨なら問題ないと説得しなおす。外交官がビクビクしながら王都に向かったらしい。
四百四日目
王から問題ないと言われたと驚きながら語る外交官。これで銀貨の出来さえ良ければ王から一番愛される領地はここになるのでドワーフに丁寧に説明。名誉な仕事だと張り切っていたらしい。
ついでに練りに練った軍事再編成案を提出。プレゼンと相成る。
四百七日目
軍事再編について語る。常備軍を歩兵、騎兵、弓兵、工兵、兵站、将兵と区分してそれぞれ独自の訓練場を設けて軍事力の効率化、増大を図る計画。訓練場は奴隷が作ります。
更に新兵器の長弓を説明して戦力強化について語る。文官はあまり興味を示さなかったが武官はそれぞれ考えこむ。
結果、多くが賛成した。再編終わったらまた国中の盗賊を奴隷にしようと冗談を言うと文官から是非してくれと言われる。ちょっと予想外だった。
四百十一日目
軍事再編が進んでいるらしい。歩兵課に関しては派閥を三つ作って重装歩兵、軽装歩兵、守護衛兵とわざわざ分けた。
攻撃は前者二課が、兵站護衛、要人護衛は守護衛兵が行うと役割分担をした。更に守護衛兵は敗走時に殿を務める部署であるため、装備が総じて豪華な上に訓練が厳しい。
少数精鋭部隊といえば聞こえは良いが、正直数を揃えられないだけだったり。
ちなみに行政都市には多くの守護衛兵が付く事が決定している。王や他領からの使者が来た時に見せ付けるためでもある。必要なのは権威なり。
四百十四日目
ドワーフ村を視察しに行く。銀貨を幾つか見せてもらったが、出来は悪くない。が、これではまだまだである。
上に対して精度アップ案提出。しかし今予算が無いらしい。仕方ないので上と相談して私自身が投資する事に。
成功すればぼろ儲けなので他の貴族の多くも投資。上も個人的に投資と相成った。普通の予算より凄い額になって少し複雑な気分だ。
四百十九日目
奴隷を使いたいと上が言ってくるが、さすがにもう策が無かったので娯楽提供のために奴隷拳闘士を提案。
さらに、そこから這い上がる為の企画を作るので少し時間が欲しいと言っておく。
どうやら奴隷拳闘士に関してはそれなりに興味が沸いたようなので、早く企画を上げないと。
四百二十八日目
企画完成。提出。さらに賭け事にして、なおかつ勝ち進んだ奴隷に対する2級市民権の保障。
ただし、兵士への入隊義務などの色々な制約から政府が儲かるように企画。
ついでに貴族達が個人的に奴隷を持って戦わせる所謂個人拳闘家制度も提案。特に問題なくOKが出る。
その為、コロッセウム建築を提案し、そこでも奴隷を使う事と相成る。奴隷はこれから忙しくなりそうである。
四百二十九日目
一部訓練場が完成。あまりにも早かったので聞いたら軽重装歩兵部隊、工兵が手伝ったらしい。
工兵に対しては訓練場を作り終わった後に、更に建築物作成に関する勉強もあったようで工兵の一部が機能麻痺を起こしたらしい。
休暇をあげるように武官に言っておいた。いう事を聞いてくれたが、今考えると文官である私がいう事ではなかったと思う。後で謝りに行く事にしよう。
四百三十日目
昨日の事を謝った。相手も許してくれたので良かった。ちょっと調子に乗ってたかもしれない。反省することに。
四百三十五日目
銀貨の精度を改めて確認。素晴らしい出来だったのでコレで本決まりになった。他の有力市民、貴族も大満足であり、出来次第投資額の1.2倍が返って来ることになった。
一時的に有力市民や貴族くらいにしか我が領地の銀貨は回りそうもなかったが、さすがにソレはマズいので一部を先に確保して外交官に王へ献上するように言っておいた。これなら、問題ないだろう。
四百三十九日目
外交官が帰ってくる。何でも王がわざわざ領地にやって来るらしい。貴族や有力市民、さらに1級市民が大慌てとなった。
それに伴い王を迎える準備のために緊急予算が作られる事になった上にドワーフに王のための銀の剣、銀と鉄と銅を組み合わせたチャリオットと最高級のバライが準備される事に。
ついでに大規模な祭りをするとか言い出した。それと村からも多くの代表者を集めるらしい。招待状の準備もする事になった。
更にスケジュールをあわせるために各地の秘書と外交官が話し合い、どうにか折り合いをつけることに。
しかも、行政都市で祭りをした後に王自らが港の視察もしたいと言ったらしく、そっちに対しても配慮しなくてはならなくなった。しかもそこでも色々と献上品や歓迎大勢の準備が始まる。
一連の流れで何となく理解出来るかもしれないが、そのせいで書類が多くなって一番てんてこ舞いになったのは文官である。明日から地獄だ……。
四百四十日目
私の腰にまで来るほどの書類が積み上げられた。他の文官もそうだ。
ひたすら計算、承認、確認などの作業を行う。今日一日で膝ぐらいまでは減らした。でも明日も増えるらしい。
四百四十五日目
ここ毎日本気で書類を片付けているが終わる気配が無い。文官も倒れる人が出てきた。
そのツケが平等に私達に課せられる事になった。死人が出るぞ。
四百五十日目
倒れたのが2桁に達した。と言っても倒れたのは新人だ。
他の主力がまだ落ちていないので保っているが一人で落ちたら本当に死人が出そうで怖い。
四百五十五日目
ついに主力の一人が倒れた。だが変わりに最初に倒れた新人5人が戻ってきたので、人海戦術で穴を埋めることに。新人が泣いてた。
四百六十日目
文官の3分の1が倒れた。戻ってきた新人全員がぶっ倒れたので学校の成績優秀者を引っ張り込んで仕事させる事に。
緊急事態なので特別給金も出ると言ったら多くの人が立候補したが、仕事が始まった瞬間皆が後悔に涙したという。
私はそんな物を見る時間も無いほどに忙しかった。主力の一人だったからである。
四百六十五日目
ついに主力で倒れる者が二人目となった。こうなると伝達や承認などの行為、さらに命令系統がだいぶズタズタになった。
私もいつ倒れるかわからない。それと最初に倒れた人物が中々回復しないな?と思ったら噂では妻と別荘で療養中らしい。殺したい。
四百七十日目
腐っても主力なので、さすがに一人目が戻ってきた。だが、現状を見たらこれから起こる仕事量を思って思わず泣いたらしい。泣く時間があるなら仕事をするんだ、同士。
四百七十五日目。
行政都市に関する仕事が終わった。どうにか全ての部族長との折り合いがつき、祭りに関するルールや特別条例の発布が完了。献上品の多くも準備が出来た。
……次は港街の書類である。小規模になるとは言え、気を抜く事が出来ないので頑張らなければ。
四百八十日目
文官がだいぶ落ち着けるようになった。新人の多くも復活し、学校の子供達も新銀貨を手に家に帰った。
そう言えばポーロが地図作りから帰ってきたわけだが、何でもまた銀山を見つけたらしい。
給料と特別報酬で新銀貨を渡しておいた。彼の夢にまた一歩近づいただろう。うんうん。
四百八十五日目
コロシアムが完成。まだ拳闘は始まっていないが、コロシアムに関しては皆が楽しみにしているようだ。企画した方としても満足だ。
ついでに第七次道路舗装案と銀鉱採掘、加工の人員に関する法案を作る。
更に果樹園が多きなって来たらしいので治水工事で新たな農地村を作る案を練る。場所は、ドワーフ村の奥地だ。
近くに銀山もあるので、工業農業と両方伸びるだろう。新都市開発計画も同時に練る、それにしても、この辺りは探してなかっただけで鉱物が豊富だな。うん。
四百九十日目
ようやく準備が出来たので十日後に王を呼ぶ事になった。疲れた。皆、疲れている。全員が三日ほど休日をもらう事になった。
四百九十三日目
三日の休暇から仕事場に戻ってくるとそこには山のような書類があった。何でも、今までは王の準備のために他の仕事は先延ばしにしてたらしい。結局、まだ書類仕事は終わりそうもない。
四百九十五日目
溜まってた書類がどうにか片付く。少し前の地獄のように増え続ける書類の山に比べれば何とも楽な仕事だった。我ながら仕事が上手になったものである。
四百九十七日目
氾濫防止のための防壁が脆くなっているとの報告があったので大規模な修理と防壁の増設、更に橋を作る事にした。
なので防壁を馬車が通れるほどの大きさに修正する事にする。今回はドワーフと工兵に相談して設計図を引いてもらう事に。こう言うのは専門家に任せるのが一番だ。
五百日目
ついに王がやって来た。と言っても文官で休みなのは新人だけでそれ以外は今日も仕事だった。
それと、守護衛兵の初の任務でもある。皆、緊張していたらしい。私も見たかった。
五百三日目
王が港へと旅立った。それに伴い事後処理のための書類が一気に増えた。
一応、少しずつ問題を解消していたので大きな問題は既に対処済みだが、小さいのはとにかく数が多い。新人を戻して今日もまた残業である。
五百六日目
王が王都へ帰ったらしい。本気で疲れた。もう何もする気が起きないが、税が手に入り、新しく予算が出来たらしいので新しい案の全てを纏めておかなければ……。
五百七日目
第七次道路舗装案と銀鉱採掘、加工の人員。新農地都市計画。氾濫対策の防壁修理、増設。橋作り計画。
さらに川沿いの道作りを提案。全部OKが出る。プレゼンなし。あぁ、後は書類をどうにかするだけだ。
五百十日目
ポーロが帰ってくる。地図が領地の分は完成した。お金を与えて契約を終える。ポーロの夢のための資金が出来たからだ。更に新農耕都市に移住するらしい。
……この場所でやる事はもう無さそうだ。帰る方法を探す事にする。上に言うと数人兵士を動かすからまだ仕事して欲しいと言われる。
……どうやらまだ仕事は終わらないらしい。あぁ、いつになったら帰れるのだろうか。
今見ればだいぶ荒削りと言うか何と言うか。例えば何で地方権力になってるんだとか、国王いてこんな事認めるわけないじゃんとか色々突っ込みどころは多いですね。
恐らく初期の構想では都市国家イメージだったのでしょうが、何故か帝国になっているし。
若かったなぁ、と常々感じられる作品ですな。