弐 ~雑音~
鴉「先輩、なんで無視するんすか?」
悠太「・・・」
鴉「一緒に夜を共にした中じゃないっすかー」
悠太「これ以上言うと殺すぞ。」
俺は高野悠太。
1話を読んでくれた方は知ってると思うが、
俺は変な噂を流されて困っている。
「で、その話をなんで俺にするんだよ。」
俺はこの話を友人、時雨零に話した。
「調べたらお前も似たような噂流されたことあったらしいから。」
「まあ、一回あったな。友達と変な関係だって。」
「そのときはどうやって、噂が無くなったんだ?」
「時間が解決してくれた。」
「いいよな。時間魔法使いのやつは。」
「いや、それは関係ねえよ。」
時雨は黒髪に左の横髪の一部が白。という変な髪の色をしている。
「でも、根も葉もない噂だろ。」
「・・・あー・・・うー・・・」
「その答え次第でお前との距離感が決まるんだが・・・」
「泊まらせたのは事実だが・・・」
時雨が俺から遠のいた。
「最後まで聞けよ。」
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「で、可哀想だと思って泊まらしたってわけか。」
「ああ、そうだ。」
「そいつの名前って、鴉だっけ」
「ああ、なんだ、手伝ってくれるのか。」
「まあな。その代わり・・・」
「分った。新聞部の部費を増やそう。」
俺らは固く握手をした。
「あと、桜会が集会するんだって。」
『桜会』とは生徒会に反抗する組織だ。かなり厄介な組織で、けが人も出ている。
「分った。場所は?」
「不明。」
「そうか・・・」
組織の中に記憶を操る魔法を持っている奴がいるらしい。それぐらいしか分らない。
「じゃあ、俺は新しい情報を探しに行くから。」
「おう。また頼むぞ。」
持つべきものは友人だな。
後ろから抱き付かれた。
「悠太さん!迷子なのです!」
振り返ると美雨がいた。
美雨は先生の使い魔で、元は猫だが、魔法で人型になっている。
「誰が迷子なんですか?」
美雨は人間で言うと14歳ぐらいだ。猫の耳と尻尾があって、愛らしい。
「美雨が迷子です!」
ピンクの耳が揺れる。か、可愛い・・・
「何処に行く途中ですか?坊ちゃん。」
「一に会うのです。」
「一先生は・・・職員室ですよ。お送りしましょうか?」
「はい!なのです!」
生徒によって美雨が拉致される事件が6回ほどあったのは事実だ・・・。
職員室についた。
「一!頼まれていたお薬です!」
美雨が走る。
一先生は俺のクラスの担任で、本魔法使いだ。
「美雨、走るとこけますよ。」
「ミュ!!」
美雨がふらついた。
すかさず一先生が美雨を抱き起こす。
一先生の長い後ろで一つに結んだ茶色の髪が揺れる。
「大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫なのです!」
「あ、そうだ高野君。」
「はい。」
「君に用がある人が来てるよ。えっと・・名前は・・・」
誰かに見られている気がした。
見回すと、黒髪の少年と目が合った。
こいつは確か・・・
「あ、鴉くんだ。」
つづく
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