第4話 モネ晩年の大作が尊い、尊すぎる......。
パリ観光の初日、午後はオランジュリー美術館に予約を入れました。
オランジュリー美術館は、ルーブル美術館から隣のチュイルリー公園を通って歩いて行ける場所にあり、モネの「睡蓮」やルノワールの「ピアノを弾く少女」で有名です。
なので、鷲生も印象派の絵がたくさんあるものだと思って訪れたのですが……。
しかし……。
建物自体がこじんまりとしており、フロアも地下と地上の2フロアだけ。
そして地下では、印象派ではなく、ポスト印象派や、より現代に近い画家の作品が展示されていました(写真はnoteに投稿してます)。
鷲生はアンリ・マティスやピエール・ボナールなども好きですので、それらが見られてよかったですが、印象派を期待して訪問した人には肩透かしだったかもしれません。
ちなみに、鷲生がマティスが好きだというと、リアルに鷲生を知っている人は「意外!」と驚きます。
まー、鷲生自身は着る服も身の回りの品も地味というか落ち着いた色でまとめているので、鮮やかな原色遣いのマティスを好きだとは思われないのも分かります。
(でも、年取って白髪も増えてきたことですから、顔の周りに身に着けるものはもう少し明度と彩度の高い色にしたほうがエエかもな~と思ってるんですよw)。
さて。
上のフロアは楕円形の部屋にモネの睡蓮の大作がどーーーーんと展示されています。
ものっすごい迫力です。
モネ80歳前後の、最晩年の作品だと思うとより胸に迫るものがあります。
よく知られている通り、印象派は日本の浮世絵の影響を受けており、モネも自宅の庭園の池に日本風の太鼓橋を架けて作品に描いてもいます。
日本を愛してくれた画家の、最晩年の大作、尊い……尊いです……。
日本人だけではなく、世界各国からの観光客にも人気でモネの睡蓮のための楕円の部屋(2部屋あります)はたくさんの人がいました。
ちょっとお喋りする人が多く、「美術鑑賞の場」にしては空気が弛緩してるかな~と思ったところで、フランス語のアナウンスが。
鷲生はフランス語が分かりませんから内容はさっぱりだったんですが、その直後、水を打ったかのように静まり返ったので、「私語は慎むように」という内容だったのでしょう。
いやあ、さすが芸術大国。
日本の美術館でもちょっと真似してもいいんじゃないかと思います。
この睡蓮は横に何メートルもありますから、写真一枚で収まりません。
鷲生は真ん中のベンチに座って、端から端まで動画で撮影しました(noteで動画を投稿するにはYouTubeを使わないといけないらしくて。鷲生のXアカウントに投稿しております※2)。
そのためカメラを横に動かしていると、隣の席に座っていた女性が映り込まないように身をのけぞらせてくださいましてね。
お互いに言葉で会話はしなかったんですが、撮影後顔を見合わせて、どちらからともなく「ふふふ」と笑いあいました。
これもエエ思い出です。
真ん中で座るだけではなく、絵に沿って歩いていると、モネの庭に入り込んだ気がします。
今流行りの「没入感」ってやつですねw
一時期モネは過去の巨匠として忘れられかけてた時期もあったそうですが、もったいない。
本当に充実した鑑賞ができました。
とはいえ、オランジュリー美術館のハコ自体が小さいので、2時間くらいで鑑賞終了。
時間が余ったので、チュイルリー公園を北に進み、オペラ座近くのパサージュ・ショワズールまで歩いてきました。
パサージュっつーのは、ガラス屋根で覆われた商店街みたいな通りです。
フランスの哲学者の著作に「パサージュ論」というものがあり(※3 鷲生もこの方面不案内で題名しか知りません)、また、アート業界を舞台にした漫画「ギャラリー・フェイク」(※4)にも登場したので、見てみたかったんですよね。
日本の商店街がそうであるように、ちょっと寂れかかってる気もしましたがw
その分落ち着いた雰囲気がある印象です。
ちょっとレトロな感じがあって、それはそれで趣深いもの。
フランス滞在最終日にフライトまで時間が余ったので別のパサージュにも行きましたが、この時はランチ時で、飲食店では外にテラス席が設けられていました。
一人旅でなければ、こういった場所でお食事を楽しむのもアリなんじゃないかなーと思います。
(鷲生は一人で飲食店に入るのが大の苦手なんですよw)。
気取らない、お手頃そうなお店が多い印象がありますし、これからパリに観光に行かれる方で、特にグルメなこだわりがないならココで食べてみられてもいいんじゃないかと思いますよー。
この近辺はオペラ座が近く、中には入りませんでしたが遠くからオペラ座正面の外観の写真を撮りました(もっとも修復工事か何かで、絵で覆われてたんですけどね)。
また、この辺は日本関係のお店がちょくちょくありました。
「メガネのパリミキ」のお店をパリで見つけて、ちょっと嬉しかったですw
あと、京都の辻利のお店もありました!
もっとも、この時の鷲生が買う必要に迫られていたのは「化粧水」。
日本から小容器に入れて持ってきたのに、蓋をちゃんと閉じてなかったせいで、全部外にでちゃったんですよね。
ジップロックに入れてたので、その中に残ってましたが。
ジップロックを傾けて何回かはしのいだものの、残りの日数を考えると現地で化粧水を買わなくてはならなくなったのです。
確か、このあたりにスーパーがあるはずと思ったら、ちゃんと見つかったのでそこで買いました。
さて。
このオペラ通りにある「ピラミッド」駅からメトロでホテルに帰ろうとしたのですが。
そこで改札が通れなくて、フランス紳士がとっても親切に世話を焼いてくださいました。過去記事の、後半に出てくる紳士ですよー(※5)。
オランジュリー美術館で笑いあった女性や、この紳士。
今回のフランス旅行は心があったかくなる経験が多かったように思います。
鷲生も今後、京都で鷲生から外国の方にそんな思い出を作ってさしあげられるようになりたいものです。うん。
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※1 パリ観光1日目午後オランジュリー美術館を中心に
https://note.com/eagle9052/n/n73eb981fd962
※2 モネの睡蓮大作の動画です↓
https://x.com/washu72802210/status/1986298956683575679
https://x.com/washu72802210/status/1986299415553081512
※3 『パサージュ論(一)』(全五冊) 岩波書店
ヴァルター・ベンヤミン 著 (翻訳者は多いので割愛します)
https://www.iwanami.co.jp/book/b548852.html
※4 『ギャラリーフェイク』 細野不二彦 小学館
https://www.shogakukan.co.jp/books/09183021
※5 「第2話 パリの皆さん、なんかやたら親切なんですけど⁈」
https://kakuyomu.jp/works/822139838279286558/episodes/822139838450274858




