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パリの京都人 京都のおばちゃん、おフランスを旅行します!  作者: 鷲生 智美


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17/17

第17話 ノートルダム大聖堂のミサの後に帰国です。

 パリの観光名所の有名どころの一つ、ノートルダム大聖堂。

 もちろん鷲生もふつーに観光する予定でしたとも。


 ちなみに。

「あれ? パリのノートルダム大聖堂って火事になってなかったっけ?」とご記憶の方も多いかと思いますが、2025年11月現在、修復されています。


 さて。

 ノートルダム大聖堂は入場料は無料なんですが、観光客が多いため事前の予約を強く勧めてらっしゃいます。

 実は前々日の午後に行く予定でした。

 行く前の何時間か前からでOKとあるので、前々日の午前中(ギメ東洋美術館にいました)スマホで予約を取ろうとしたのです。


 しかし。


 公式ウェブサイトのフランス語をスマホで日本語表記にして予約をしようとしても、なかなか画面が変わらない。

 ようやくなんか返事が出てきたと思うと、日本語なのに意味不明な回答。


 次に、公式ウェブサイトの表記を英語で選択すると、画面が移りましたが……"Sold out".


 売り切れ……ですか。売り物ではないですが、ともあれ空きはないってことなんでしょう。

 ここでアテが外れて動揺する鷲生。


 その日と翌々日の予定と入れ替えてみたんですが、その日程でも"Sold out"。

 そりゃないでしょう……と涙目になる鷲生。

 ルーブルやオルセー美術館ほどでなくても、やはりパリに来たからには訪問しておきたかったのに……。 


 しばし呆然としてから、ふと思いつきました。

「信者向けのミサを、やってない?」


 鷲生はカトリック信者なんです。

 できればフランス旅行中も、日曜日にフランスのどこかのカトリック教会でミサにあずかることができればと思っていました。

 日曜日はモンサンミッシェルに行く予定があったので(干満差が最大になるので)、あきらめたのですが、鷲生の所属する京都の河原町カトリック教会が日曜以外にもミサを開いていらっしゃるように、ノートルダム大聖堂も日曜以外にミサをあげていらっしゃるのではないか。


 やってました!

 さすがはカトリック教国の首都の大聖堂。

 毎日朝8時からと正午時からやっておられます。


 まあ、信者としてミサ目的に入ったら、観光ルート(宝物館)とかには入れないかもしれませんが。

 でも、鷲生としては、大聖堂のバラ窓のもと、聖体拝領できる方がありがたいです。


 というわけで。

 フランス滞在最終日、朝8時からのミサに出席しました。


 参加者は20人くらいでしたでしょうか……。

 最初に聖堂に入ってすぐの床に置かれた大きなオブジェを取り囲み、神父様がなにかフランス語で何かお話をされ、そこから上方にある木製の像を指さして何かおっしゃっておられました。

 ただ、鷲生はフランス語はさっぱり……。


 そこから全員で中央を祭壇に進み、着席します。

 鷲生は祭壇に向かって左のバラ窓の下に座りました。


 聖書音読はありましたが、略式なのか1つ少なかったように思います(ふつうは2か所だと思います)。


 そして、献金のための籠が回ってきます。

 驚いたのは、籠の持ち手に電子決済用の機器がちょこんとついていること。

 そして、いましたよ! スマホでピッと電子決済で献金する人も!

 これからの教会もこうなっていくんでしょうね……。


 神父様から聖体拝領がありました。

 壮麗な大聖堂でいただくご聖体は格別でしたわ~。


 全部で30分くらいだったかと思います。

 鷲生の左の席に座っていたフランス人らしき人は、これから出勤のサラリーマンといった風に見えました。

 出勤前にミサに出席される習慣なのでしょうかね。


 鷲生はノートルダム大聖堂で、京都のカトリック教会での代母さん(※1)にお土産を買おうとしたのですが、まだ開店前。

 それで帰ろうとし、建築の外の写真を撮影しました。

 あ、内部のバラ窓なども含め、写真はnoteに投稿しております。

 https://note.com/eagle9052/n/ne6c244cacf01


 正面の装飾も美しいですが、鷲生が興味あったのが、側面のフライングバットレス。


 鷲生の西洋美術史の本『美術の歩み』(ゴンブリッチ著。最近『美術の物語』として新訳が出版されました。名著です)にゴシック建築の典型として、このパリのノートルダム大聖堂のフライングバットレスの写真が掲載されていたのです。


 そのフライングバットレスの写真も撮影し、いったんはメトロ駅に向かおうとしたんですが……。

「やっぱり代母さんにお土産を」と思って引き返しました。

 というのも、観光客用の行列もほとんど人は並んでなかったんですよ(あのネットの予約受付でソールドアウトと言われたのはなんでなんでしょう?)。

 

 なので、今度は観光客として入場しました。

 じっくり見て回って、お土産も購入(2026年の小さなカレンダーでかわいい品でした。現物はもうお渡ししましたが、写真は撮ってあります)。


 まだフライトまで時間があったので、パリ市内のパサージュを見て回りました。

 ランチ時で、通路にテーブルを出しているお店が多かったです。


 アート関係のお店も多く、日本の絵も売られています。

「あ、これ、いいな」と思って写真を撮って、帰国後調べたら「河原崎奨堂」さんという作家様のものだそうで。

 好きな画風なので、ちょっと追いかけてみたいと思います。


 そこからメトロに乗り、そのメトロ駅がバスティーユ駅で地上に出るので、そこの風景を写真に撮っています(マルタン運河がのぞめます)。


 そしてホテルに預けていたスーツケースをがらがらとひきながら、シャルルドゴール空港へ。


 行きでエスカレーターが止まった因縁のある乗換駅(※2)。

 今回はスムースに乗り換えできました。

 その下りエスカレーターで、タイミング的に他のスーツケースを引いた人と乗る瞬間がかち合いそうになったんですが、視線と笑顔を交わして互いに譲り合い、そして先に乗せてもらいました。


 また、もう鷲生はシャルルドゴール空港行きの電車に乗ってほっとしてたんですが。

 この路線、空港の中のどのターミナルを利用するかで降りる駅が違うんですよね。

 慌てて車内で自分が降りる駅を確認はしましたが、次は今、電車がどの駅を通過してるのかわからない。


 ええい。

 もう、最後まで乗って、そこから別のターミナル駅に折り返そうとしたところ。


 ある駅で、若い男性が、これから降りようとする初老の男性に「ムッシュー、ムッシュー」と呼び掛けています。


 初老の男性は大きなスーツケース以外にも大きなショッピングバッグ(外国のって大きいですよね)を持っていたんですが、そっちのほうを車内に置き忘れかけていたんですね。

 それを若い兄ちゃんが「お忘れ物ですよー」と声をかけてあげた、と。初老の男性も

 お礼を言ってはりました。


「フランスの人は親切だなー」と、その情景を微笑ましく他人事だと眺めていたんですが。

 次にそのお兄ちゃんが話しかけてきたのが、この鷲生。


 真剣に「降りる駅分かってる?」といったことを心配してくださっています。

 そして「ここが最後の駅だよ?」と。


 ターミナル2か3かを互いに確認し、最終的に鷲生もここで降りればいいのだと分かりました。

 最後の最後までフランスの方の親切に助けていただきましたw


「シャルルドゴール空港での日本航空のチェックインカウンターは日本人スタッフだよ」と家人が申しておりましたが、フランス人でした……。


 スマホのバッテリーが切れかかっていて、紙にプリントした搭乗券が欲しかったのですが、鷲生のたどたどしい英語でもすぐ意をくみ取ってくれて、“Thank you!"には"Welcome!"と愛想よかったです。


 その後行く方向がわからなくてウロウロしてたら“Madame!”と指で方向を教えてもらいました。

 ──そう、フランスでは「マダム」って呼ばれるんですよw  (上でも述べたように男性はムッシューです)


 定時から30分ほど遅れましたが、いよいよフランスから日本に出立です。

 雨があがって、虹が立ち上っていました(写真ありますよ~)。

 鷲生は飛行機で眠れないために、長期のフライト(特に西から東)が辛くて不安だったのですが、少し慰められた気がしました。


 飛行機に乗ると、そこには日本人のフライトアテンダントさんたち。

 フランスでたくさんの人たちに親切にしていただきましたが、美しい日本語での、日本人らしい細やかなサービスが心に沁みました。

 やはり異国での旅行で緊張してたんですね。それが機内ですうっと解けていきました。


 それもあってか、帰りのフライトは眠れて、元気に日本に戻ってきました。


 行きのフライトは北極回りでしたが、今回は黒海や中央アジアの上空を通ります。

 シルクロードを辿っているようでわくわくしてたんですが、それは眠っていたのが少し残念(とはいえ、飛行機から現地が見えるともかぎりませんが)。


 ロシアのウクライナ侵攻まではロシア上空が飛べてもっと少ない時間で行き来できました。

 今後、中国関連で何かあれば、この中央アジアルートも使えなくなります。


 鷲生はたんに物見遊山ですがw

 ビジネスや留学で空の便が必要な人も多いはずですし、またそうやって日本から外とつながりを保つべきです。

 今後も、空の旅ができる平和な日々が続いていくことを祈っています。


 今回で、フランス滞在〇日目という形での記事は終わりますが、いくつか書きたいトピックもあります。

 どうぞもうしばらくお付き合いくださるとうれしいです。


*****


 ※1 代母というのは、カトリックの教会に所属する際に、教会への紹介者という役割を担ってくださる方です。

 鷲生の場合はプロテスタント教会で洗礼を受けていたので転会となりますが、その転会式にも付き添ってくださいますし、また京都の教会では伝統的に代母さんからヴェールを買っていただきます。


 鷲生の日記エッセイに、経緯を投稿しています。

「京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記」

https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107

「カトリックのベールについて」

https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107/episodes/16818622173858762880


 鷲生は女性なので女性の代母さんですが、男の方なら代父です。

「ゴッドマザー」や「ゴッドファーザー」というのが、代母・代父です。


※2 当エッセイの中で、行のRER(郊外高速鉄道)駅のエスカレーターが止まり、フランスの若いお兄ちゃんがスーツケースを運んでくれた話を書きました。

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