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【第2章 第9話】“共鳴”の閃光
赤黒い光と歪む空間の狭間で、クロは膝をついた。
「はぁ、はぁっ……くそ……全然届かねぇ……!」
指先が痺れ、足元が揺れる。
“時間”が狂った世界の中で、彼の寿命は容赦なく削られていく。
ノアの警告が鋭く響いた。
《寿命残量、九分を切りました——クロ、もう限界よ!》
そのとき——。
「クロ!」
セレネの声が、空気を割るように響いた。
次の瞬間、セレネの身体から光が放たれる。
彼女のリングが輝き、クロのリングと共鳴する。
《命響——深層共鳴を確認。寿命の共有率、臨界値を突破》
セレネの瞳が震える。
「私が、クロの命を支える……っ!」
赤と銀の光が交差し、空間を照らす。
黒衣の男が初めて眉をひそめた。
「……なるほど。それが、君たちの“答え”か」
その一瞬の隙を、クロは見逃さなかった。
「行くぞ——《時蝕》!!」
全身を焦がすほどの痛みを伴いながら、クロは手をかざす。
時を裂く赤黒の閃光が、空間の歪みを突き破り、男の術式を粉砕した。
「ぐっ……!」
男の身体が吹き飛び、空間の歪みが一気に崩壊していく。
クロとセレネの光が、空間の中心に残った“闇”を貫いた——。




