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【第2章 第6話】ノアの警告【寿命限界まであと○○分】
薄暗い通路を走り抜けながら、クロの視界が霞んでいく。
「っ……」
足元がふらつき、壁に手をついた瞬間、リングが赤く点滅した。
《クロ、寿命残量が危険域に突入したわ。あと……十八分二十秒》
「っ、まだ……!」
クロの背中に、セレネの手が触れる。
彼女のリングが光り、クロの負荷がほんの少しだけ軽くなる。
「……さっきからずっと、クロの身体が冷たい。お願い、少しは休んで……!」
「休んでる時間なんか……ない」
クロは顔を上げる。眉間に皺を寄せながら、それでも前を見据えていた。
《リングが熱暴走の兆候を示している。これは限界を超えてる証拠……!》
ノアの声に混じって、わずかに“焦り”が滲む。
セレネが息を呑む。
「リングが壊れたら、クロも……?」
「……壊れる前に、終わらせるさ」
その言葉に、ノアもセレネも返す言葉を失った。
沈黙の中、ふたりは再び走り出す。
目指すは、この地獄の“心臓部”。
寿命という名の時間が、確実に終わりへと近づいていた。




