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【第2章 第4話】クロックバンディットの牙
倉庫の中は異様な静けさだった。
無数の機械と、リングを拘束された人々——寿命を“搾取”されている光景が広がっていた。
「っ……これが、“新しい市場”……」
セレネが顔を歪め、クロは一歩踏み出す。
その瞬間、天井から機械音とともに複数の影が飛び降りてきた。
「侵入者か。ライフリング保持者の反応を確認……」
無機質な声。だが、動きは鋭く、刃のついた武器を構えて迫ってくる。
《警告:特殊な寿命収奪機構を持つ集団、“クロックバンディット”です》
ノアの声が緊迫する。
「……タイムロスの名残か」
クロが身構えると同時に、セレネのリングが再び光る。
「クロ、下がって……私も戦える!」
「いや、支えてくれ。俺は《時蝕》を使う」
クロの瞳が深紅に染まる。
「《時蝕》——発動」
リングが赤く発光し、空間が歪む。
刹那、最前列のバンディット一体が寿命を吸い取られ、灰のように崩れ落ちた。
セレネが顔をしかめる。クロの腕も微かに震えている。
《寿命波動に異常。リングが高負荷状態です!》
「っ……まだ、いける」
だが、敵の数は多い。一体倒しても、次が現れる。
(これが、“牙”か……)
クロは奥歯を噛み締めた。
この市場——ただの場所じゃない。
牙を剥く“意思”が、そこにはあった。




