【第2章 第2話】ノアの警告
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廃ビルの屋上で、クロはリングを見つめていた。
「……ノア。さっきの波は、間違いなく寿命の流れだったのか?」
リングの内側から、少女の声が応える。
《あれは間違いなく、寿命の“搾取”反応。しかも、通常の倍速で減少していたわ》
「倍速……?」
《寿命を一斉に吸い上げる装置か、あるいは“儀式”のようなもの。クロ、これはただの市場じゃない。組織的な実験場かもしれない》
その言葉に、クロの背筋が冷たくなる。
セレネが静かに歩み寄ってきた。目は伏せられたままだ。
「……また、誰かが……私と同じ目に遭うの?」
クロは、拳を握りしめた。
「させない。……そんな場所、今度こそぶっ壊す」
ノアが一拍置いて告げる。
《ただし、注意して。あなたの《時蝕》、このままだと暴走する可能性がある。リングの反応が“熱暴走域”に近づいているの》
「熱暴走……?」
《限界を超えた使用でリングが焼き切れる。つまり、命ごと壊れるってことよ》
クロは目を伏せたまま、ゆっくりと手首を覆うリングを撫でた。
「大丈夫だ。……まだ、行ける」
その言葉に、ノアは応えなかった。
沈黙の中、夜風が屋上を吹き抜ける。
闇の向こうに、新たな“戦場”が蠢いている気配があった。




