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【第11話】光の先に、少女はいた


死角ルート——


雑多な廃材を抜け、クロと少女は地上へと通じる細い抜け道を駆け抜けていた。


「はぁ……っ、まだ……っ?」


「あと少しだ、頑張れ!」


リングにはまだ赤い光が残る。限界の警告は鳴り止まない。


≪寿命残量:00:05:44≫


《時蝕》を一度使った影響は大きい。


「こんな子どもに……無理させてごめん……!」


少女は泣きそうな声で言う。


「……お前が謝ることじゃないよ」


クロは笑った。


「俺が、助けたいと思っただけだ」


やがて、光が差し込む。


「出口だ……!」


鉄格子を蹴破るようにして飛び出したその先は、朝焼けに染まる外界。


空が、眩しかった。


「助かった……!」


少女が涙を溢れさせる。


「名前は?」


「……セレネ。兄のこと、助けてくれて……ありがとう」


「クロだ。こっちこそ、ありがとう。お前のために動けたことで、俺……また、生きられた気がする」


言葉に詰まるセレネ。


そのとき——


「無事ね。よかった……」


ノアが廃ビルの影から現れた。


「ノア……!」


「セレネさん、あなたに負わせた責任は私たちが取る。身の安全も確保するわ」


セレネは、小さく頷いた。


クロは、空を見上げた。


寿命は減っていく。それでも、今日一日を、生き延びた。


——たった五分が、永遠のように尊かった。


彼の中で、何かが強く芽吹いていた。

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