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LAST GAME〜楽しいゲームの世界に転生して〜  作者: あき
狂気のデスマッチ編
76/86

76.陽動

 最近始めたゲームにどハマりし、全然更新できませんでした。

 ごめんなさい。

【邪神を封印していた結界が破られました】

 抑揚のない落ち着いた声でもたらされた、衝撃の言葉。


ーーーそんな発言の3時間前。ーーー


「なあ、なんかおかしくないか?」

 腰の剣を何時でも引き抜けるように手を添えながら、周りにだけ聞こえるような声でタンザーが呟く。

「ああ、モンスターと魔力の濃い気配を感じる...」

「なのに...モンスター、野生動物、何にも遭遇しない」

 シルバーとエメリアが、タンザーの感じた違和感に補足を加えていく。


「ディアナさん、結界の様子に注意ーー」

「なにか来るぞ!」

 タンザーの声を、シルバーの鋭い声が遮る。

 そして木々をすり抜ける音。

 その音が近づいてくる。


 パーティーメンバーは一斉に警戒態勢に入った。


 人に踏み締められた獣道、その傍らにある草むらから飛び出してきたのは、青く長い髪の美しい女。


「助けてください!」


 彼女の体は小さなかすり傷と、泥が着きボロボロで、シルバー達を見つけると、縋り付くような目を向ける。

 

「あっちに魔族が!」

 女が来た方を指差す。


「何?」

「行くぞ!」

「ちょっ」

 魔族と言う単語を聞いた瞬間、シルバーは一目散に駆け出し、他のメンバーも急いでついて行った。




「ふぅ、演技には自信なかったけど、上手くいったみたい」

 青い髪の女はその鋭い目をシルバー達に向け、笑った。




ーーーーーーーー


「さっきの女の人.....」

 アガットはうっすらと魔法陣を内包した目を細め、呟く。

「どうしたの?」

 その少しおかしな様子に気づいたのはメーガンだった。

「あの....さっきの女の人、凄い不思議な魔力を纏っていました...それが、その.....上手く説明できないんですけど凄く気持ち悪くて....」

「......そう......」


 違和感はあった。

 

 魔族に追われてあんな軽い傷で済んでいる事、迷わず子供に助けを求めた事、それに、メーガンは先程の女性に強者特有の何かを感じ取っていた。


 1度芽生えた疑念は膨らんでいき、安直に、今ある情報を繋げていく。

『人間に化けた魔族がいるかも』

 信頼度の低い、普段のメーガンなら馬鹿げていると切り捨てていたオニキスの助言が、繋がっていく。


 

(ならこれは...罠?!)


 最悪のケースを想像し、思わずメーガンの足が止まる。


「メーガン?」

 メーガンのすぐ前を走っていたエメリアが振り返り声を出すと、他のメンバーも次々と足を止めていく。


 メンバーの視線を一斉に浴びるメーガンの身体が硬直する。

(この違和感に気づいているのは私だけ)


「.......皆さん少し落ち着きましょう」


「罠の可能性も高いと思います」


 息を整えたメーガンの冷静な意見は、メンバーの胸に深々と突き刺さり、ちらほらと息の詰まるような音が聞こえた。


「そうですね、ここからは私1人で行きます」

 ディアナはそう言って体に銀色の魔力を迸らせた。


「なっ!1人では行かせられないだろ!」

 タンザーがディアナに反論する。


「落ち着いてください」

 荒れかけていた場をメーガンの冷静で力強い声が収めた。

 

「私はさっきの女の人に詳しい話を聞いて来ます、ついでに応援も呼んできます」

 メンバーは何も言わず頷く。


「皆さんはエメリアさんの指示に従って魔族の偵察を、あくまで偵察です、本格的な戦闘は応援を待ってください」

「応援を呼ぶって...派手に動けば気づかれるぞ?」

 落ち着きを取り戻したシルバーが冷静に質問を投げかける。

「腕輪の追跡機能があれば少数なら気づかれずに応援を呼べると思います」

 メーガンの返答にシルバーは頷きで返した。

 


「エメリアさん、後は任せます、罠の可能性には十分に注意してください」

「分かった」


(エメリアさんは指揮能力は同世代とは思えないくらい高い、それに私ほどではないけど、優秀な回復魔法が使える)


(私が居なくても、エメリアさんがいれば大丈夫)


「では、ご武運を」

 メーガンが後ろを振り返り走り出した。



ーーーーーーーー


「見つけた」

 来た道を戻り、踏み荒らされた植物の痕跡や、魔力の気配を追い、メーガンはようやくあの女の人を見つけた。


 その女性の体には先程まであった傷が無くなっており、嬉しそうな顔で歩いている。


(やっぱり罠だった...)


 メーガンは息を潜め様子を伺う、向こうはまだこちらに気づいていない様子なので、不意打ちでの制圧にプランを設定する。

 


 バレないように、ジリジリと距離を詰めるメーガン、できるだけ音のならないように植物を避けて追跡する。


 すると、青髪の女がピタリと足を止めた。


 追跡がバレた、訳ではない、女が足を止めたのはその場所が崖になっておりそれ以上進めなかった為だ。


 崖の下には銀色に輝く結界。


「ふぅ、え?もうちょい待った方がいい?えぇ、いいでしょ、始めよ」

 一人、大きめの独り言を言っていた女が胸に埋め込まれた宝石に手をかざす。


 女の周りに魔力が渦巻く。


 最初は青かったその魔力は、紫に、そして黒に、その色を変えていく。

 それに合わせ、女の髪色も魔力と同じ黒に、変わっていった。


(魔力の色が変わった?!)


 それはメーガンの経験豊富な人生で始めてみる、そして、聞いたこともない現象だった。



 黒い髪の女の足元には大きな黒い魔法陣が、そして手元に紫色の魔法陣が組み上がる。



 魔法が発動する。



 

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