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LAST GAME〜楽しいゲームの世界に転生して〜  作者: あき
狂気のデスマッチ編
51/86

51.守りたい

「そろそろ終わりにしようか」

 エメリアが空中を舞うパーティメンバーに声を掛ける。

 キラキラと光る魔力の粒子を撒きながら飛ぶ彼等はまるでファンタジーの妖精の様に綺麗だった。

「そうですね、流石に疲れました」

「ごめん、僕が下手なせいで予想以上に時間がかかっちゃったね」

 タンザーが申し訳なさそうに答える。

「いやいや、他の皆さんが優秀過ぎるだけで、タンザーさんは別に下手じゃないですよ!普通です!普通」

 アガットが可愛らしい笑顔で励ますが、タンザーは少し複雑そうな顔をしている。

 ちなみに飛行魔法の習得が1番早かったのはアガットだった。


「皆様、集まって頂けますか?」

 メーガンが上品で柔らかな口調でそう言うと、彼女に周りにパーティメンバーが集まる。

「眠りの質上昇の魔法を掛けます、3時間程の睡眠で疲れを殆ど取れますよ?」

 メーガンが優しく微笑む、まるで聖女の様に。

「へぇーそんな魔法があるんですね!流石聖女様です!」

「それはありがたいな」


「では始めます」

 メーガンから真っ白な魔力が立ち上り、魔法陣を織り上げた。

 魔法陣から幾度も光の波動が放たれ、仲間達の身体を通り抜けていく。

 真っ白な光の波動生まれる事に、周りが光で照らされる。

 

 その時、タンザーは視界の端に何かが映るのが見えた。

 メーガンの魔法が止まり、辺りが暗くなる。

「メーガン、明かりをくれ」

 タンザーが森を睨みつけながら、腰の剣に手をかける。

 メーガンは声を出さずに頷いて、魔法で光を作り出した。


 彼女が光を灯す。

 すると、タンザーが見つめる先に人影が現れた。

 その人影が徐々に近づてくる。そして、メーガンの光が届き、その人影の正体を照らし出す。


 それは、女性だった。

 妖艶、と言う言葉の似合う大人びた美しい女性だ。

 髪も、その体も銀色に光っている。 

 そして、その身体は半透明に透き通っていた。


 アガットが悲鳴を上げながら逃げ出す。他の者も、驚きで、動けずに立ち尽くしていた。

「幽霊?!」

「ゆっ、い、いや、タンザーさん、アガットちゃんを追いかけてください、ここは私達に任せて」

 エメリアがそう言い剣を構える。

 タンザーは少し考える素振りを見せた後、アガットが逃げた方に走った。


「待って!」

 透明感溢れる女性が声を上げながら手を伸ばす。

 すると、彼女の身体から銀色の鎖が幾つか飛び出し、タンザーへ襲いかかる。


 その鎖をシルバーとエメリアが剣で叩き落とした。


「な?!、それは...」

 しかし、驚いているのは、シルバー達の方だった。

 驚いた原因は、その女性の魔力。


 彼女が身体に纏っていた魔力は銀色だった。

 同じ銀色でもシルバーとは違い、ダイヤモンドの様にキラキラと光っている。


「銀色の、魔力....」

 シルバーが呆然と呟く。

「それって....聖剣?!」

 銀色の女性もシルバーの剣を見て驚いていた。


ーーー


「私の名前はディアナ、600年程前、勇者をやってました」

 落ち着きを取り戻した彼等は、改めて自己紹介を始める。

 アガットとタンザーも呼び戻した。


「ディアナってもしかして、封魔の勇者ですか?!」

 アガットが驚き、思わず声を上げる。他の皆を驚いていた。

「はい、この地に邪神を封じ込めて死んだあの勇者です」

 そう言ってディアナは明るく笑う。


「じゃ、じゃあ、本当に幽霊なんですか....?」

 アガットが恐怖に顔を引き攣らせながら質問する。

「いいえ、今ここにいる私は、邪神の封印を守るために魔法で作った人形、私のコピーです」

 ディアナの衝撃の告白に、再度、皆絶句していた。

「貴方が今の勇者ですか?」

 ディアナが慈しみを込めた声でシルバーへ話しかける。

「はい、シルバーと言います」

「そっか、近頃はようやく平和になってきたと思ってたのに....」

 ディアナが悲しげに呟く。

「あの、貴方達に少し手伝って欲しい事があるの...

 最近、私の封印にちょっかいをかけてる人がいるの....見つけて欲しいとも倒して欲しいとも言わない、ただ、怪しい人が居たら教えて貰える?」

 彼女は申し訳なさそうに頭を下げる。


「そんな...世界を救った大英雄がそんな簡単に頭を下げないでくださいよ...」

 タンザーがオロオロ慌てている。


「もちろん協力します」

 シルバーそう答え、周りの皆も頷いた。


「ありがとう...こんな姿だからかみんなあまり話を聞いてくれなくて....」

 ディアナが目に少し涙を溜めて嬉しそうに笑う。

「こんな遅くにごめんね、おやすみなさい」

 そう言って彼女はまた森の中へ帰ろうとする。


「あの...」

 その背中をメーガンが引き止める。

「世界を救って頂き、ありがとうございました」

 そして頭を下げる、周りの皆もそれに習い、頭を下げた。


「ふふっ、ありがとう、でも未来にこうして面倒事を持ち込んでしまったんだもの、ちゃんと救えたとは言えないわ」

 そう言って、ディアナは森の中へ消えた。

 彼女の言葉の後半には、強い決意や覚悟が篭っていた。



ーーーーーーーーーー


 実技試験3日目の朝。


「な?!もう朝?!」


 オニキスは森の中で突然目を覚ました。

「クソ!寝落ちした!幽霊は何処にいるんだよ!

 あんなにわかりやすいフラグ立ったのに!

 ゲームの世界なんだろ?今日出る流れだったろうが!

 今日出ないで何時出るんだよ!」

 

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