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LAST GAME〜楽しいゲームの世界に転生して〜  作者: あき
狂気のデスマッチ編
45/86

45.知りたい

 オニキスは朝食を済ませた後、何となく宿の前の公園に立ち寄った。

 すると公園のベンチには先にアミィが座って本を読んでいた。


「おはようございます、オニキスさん」

「おはよアミィ、早いね、もうご飯食べたんだ」


 アミィがポケットから直径3cm程の真っ黒な玉を取り出す。

「何それ」

「完全食です、これで1日分の栄養が採れます」

「もしかして....いつもそんなの食べてんの?」

「はい」

「道理で、学校の食堂でも見かけない訳だ」


 アミィが読みかけ本を閉じる。

「今日はどうしますか」

「うーん、今日は休もうか」

 そう言ってオニキスはアミィの隣へ座る。

 そんな様子をアミィは興味深げに見ていた。

「珍しいですね、今日は遊ばないんですか?」

「今日はそうゆう気分じゃなくてさ、みんなにも今日は自由って言っておいて」

 アミィはその疑念をますます深め、じっとオニキスを見つめる。


 オニキスもその視線には気づいているが、無視する。

「....オニキスさん、ゲームしましょう」

「え?」

 アミィがポケットからコインを取り出す。

「私がこのコインを投げるので、表か裏か当ててください、肖像画がある方が表です。

 貴方が当てれたら私は何でも言う事を聞きます。

 そして外したら、私の質問に答えてください」

「......アミィ....お前....俺の性格をよく分かってるじゃん」

 そう言って、オニキスが笑う。


「じゃあ表か裏か選んでください」

「じゃあ、裏」

 オニキスの答えを聞き、アミィはコインを投げ、手の甲でキャッチする。

 アミィが手を開くと、硬貨に書かれていたのは、女性の肖像画、つまり表だ。


「マジかよ...」

「では、質問です。

 オニキスさん、貴方の身体、どうかしたんですか?」

 アミィがオニキスの目を覗き込む。

「はあ、気づいてたんだ」

「いいえ、体調が悪そうだなというだけで、正確な事は何も」


 オニキスが手で目を覆い、諦めたように語り出す。

「感覚が、鋭くなってるんだ.....視覚も聴覚も、あらゆる感覚が常に魔力を使ってないのに使ってる状態以上になってる」

「いつからですか?」

「体に魔石を埋め込んでから。

 そのせいで目が疲れが取れなくさー、頭痛も出てきてる。

 まあ、体調が悪いのはいつもの事なんだけど、今日はちょっと休ませて」

 オニキスがベンチの背もたれに完全に背中を預け、顔を点に向ける。


「昨日の砂浜の戦闘、貴方だけ敵の位置や数を正確に把握出来していたのはそうゆう事ですか」

「そうだよ、悪い事ばかりじゃない、おかげでアミィのイカサマも見抜けたし」

 アミィの表情は変わらない。

 しかし、オニキスの研ぎ澄まさされた感覚は、アミィから動揺の気配を感じ取った。


「投げる時、捻りを加えてコインを斜めにしながら横回転させた、コインは一見回ってるように見えたが、コインの表面がずっと上だった」

「そんなに見えたんですか」

「イカサマを見破ったから引き分けって事にしようぜ」

「わかりました」

 アミィが諦めたように呟き、オニキスが悪い笑みを浮かべる。


「じゃあ、俺の番。

 ずっと気になってたんだよ、アミィが勇者にあんまり興味無さそうな理由」

 アミィが肩透かしを食らったような顔をする。


「生徒会に入る時に言ってただろ?珍しい魔力の研究がしたいって、それなら勇者は格好の研究対象のはずだ」

(アミィが勇者に興味を示さないのはこの世界の元になったゲームでも同じだった...)


「そういえば言ってなかったんですね、私の研究テーマ」

 アミィが、忘れてた、みたいな表情で語り出す。

「私が今研究してるのは魔力の性質と性格の関係です」

「え....」

 オニキスの困惑の表情を見てアミィがクスリと笑う。

(かわいい...)

 

「意外ですか?」

 オニキスのなんとも言えない複雑な表情を見て、アミィが問う。

「え?、ああ....あれって迷信だろ?

そうゆうのって研究者が嫌いそうな奴じゃん」



 この世界には古くから、信じられている迷信がある。

 それは、『魔力と性格には関係がある』


 例えば、赤色の魔力を持つ人は情熱的、自信家、攻撃的。

 青色の魔力を持つ人は冷静沈着、知的、完璧主義など。

 それは、手相占いや、タロット、姓名診断のような物で、ただの統計上そうゆう人が多いだけの、明確な根拠のないペテン。


 しかし、この世界では広く信じられている迷信。

 前世の世界の『黒猫が横切ったら不幸になる』くらい有名で、バカバカしい迷信。

 日本人の感覚で言えば、『A型は真面目』などの、血液型性格診断が近いだろう。

 


「なんでそんな研究してるの?」

「.....ただ、知りたいと思っただけです」

 アミィの目に灯る強い意志を見たオニキスは、それ以上は踏み込まない。いや、踏み込めなかった。


「それで?なんで勇者に興味無いの?」

「勇者、いえ、シルバーさんには我がありません、彼はただ周りの期待という義務に則って行動しているだけの操り人形です。

 環境によって歪められ、彼の性格は壊されてしまった」


 オニキスが悲しげに目を伏せる。

「なるほど、シルバーにはもう性格と呼べる程の個性はないのか...」

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